マツダCX-8で東京から紀伊半島まで1100kmのロングドライブに行ってきた|SUVレビュー
- 2019/11/16
- ニューモデル速報
土曜の夕刻になんとなく、月曜日になんにも予定がないことに気がつく。土日の泊まりがけよりも日月の外出のほうが渋滞にも合いにくく混雑にも巻き込まれないことに気がついたことから、日曜日にふらりと出かけることを画策。相方はマツダCX-8であ。
REPORT●安藤 眞(ANDO Makoto)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)
※本稿は2017年12月発売の「マツダCX-8のすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。
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室内の静謐さに驚く
2017年のクルマ関連の話題のひとつが、高速道路の制限速度引き上げ。11月から、新東名の一部区間に限って110㎞ /hに引き上げられた。そこで今回は、その区間の視察も兼ねて、新東名を西に向かうことにした。ロングツーリング性能を謳うCX-8には絶好のステージだ。
試乗車は最上級の「Lパッケージ」。シート表皮に使われるナッパレザーの手触りは、絶妙の滑らかさだ。弱点は冬の冷たさだが、CX-8は「XDプロアクティブ」以上のグレードにシートヒーターを標準装備。このスイッチを入れておけば、乗車時からぬくぬく……なのだが、ヒーターの入らないサイドサポートの冷たさが微妙に残念だった。
反面、快哉を叫びたいのが、ステアリングヒーター。これも「XDプロアクティブ」以上のグレードに標準装備となる。身体は着込めばどうにかなるが、手はそうはいかないから、シートヒーターより欲しいのはステアリングヒーターだ。
ともあれ、寒い朝でも快適なCX-8で東名高速へ。CX-5の旧型では、交差点の右左折時に若干のターボラグが残っていたが、CX-8ではほとんど感じられなくなっている。
高速の進入路での加速は力強い。CX-5より車重が約200㎏増えているが、大人3人+撮影機材程度の負荷など物ともせず、ぐいぐいと速度を載せていく。加速の音質にディーゼルっぽさはあるものの、音圧は低く不快ではない。
巡行時も、80㎞/h程度までは、かすかなディーゼルノックが聞こえてくるが、それ以上の速度になると、聞こえるのはほぼロードノイズだけ。旧知のカメラマンと四方山話でひとしきり盛り上がってから、ふと気づく。「今、普通の声で会話してたよね?」。CX-8は会話明瞭度を高める静粛性対策が数多く行なわれているが、期せずしてそれを確認できた。
隘路で、先進装備を役立てる
新東名に入ったところで、レーダークルーズコントロールをセット。スイッチはステアリングの右スポークに集約されており、取扱説明書を見るまでもなく簡単だ。110㎞ /h区間に入ったところで、設定速度を上げる。ステアリング介入式のレーンキープアシスト(LKS)も作動させれば、ドライバーはやることがなくなる。
大阪方面に行くと混雑しそうなので、紀勢道の終点・尾鷲まで行くことにする。ICを降りてGSに寄ったら、「銚子川で遊ぼう」というパンフレットが目に入った。流程13.8㎞の小さな川だが、上流域にはほとんど人が住んでおらず、汽水域まで高い透明度が維持されているという。行ってみると、深い淵の底まではっきり見えるほど水が澄んでいた。
ただし川沿いの林道は狭く、対向車が来ようものなら、退避スペースまでバックを強いられる。このとき強い味方になったのが、360°ビュー・モニター。死角が多い左後方が把握できるのに加え、超音波センサーが障害物を教えてくれる。
次に目指したのが、四日市の工業地帯。いわゆる「工場萌え」の写真を撮るためだ。その際、約20㎞の渋滞に巻き込まれたが、有り難さを実感したのが、車速0まで対応するレーダークルーズ。再発進にはドライバーがアクセルをちょいと踏む必要があるが、渋滞追従の微妙なペダル操作はクルマがやってくれる。
ただし、車間距離の設定を長めにしておかないと、ブレーキの介入は遅めになり、つい自分でブレーキを踏んでしまう(レーダークルーズは解除される)。それに気付いてからは、車間を最長に設定し、クルマ任せで楽をさせてもらった。
心まで洗われるような青い川面
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