なぜ我々はGクラスに心惹かれてしまうのか? 最新ディーゼル搭載モデルに試乗して、SUVにはない本物感を再認識する〈メルセデス・ベンツG350d〉
- 2019/12/07
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MotorFan編集部 小泉 建治
2018年に39年ぶりのフルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツGクラスに、直列6気筒の新世代ディーゼルを搭載するエントリーモデルのG350dが追加された。Gクラスをはじめ、トヨタ・ランドクルーザー、ランドローバー・ディフェンダー、ジープ・ラングラー、スズキ・ジムニーといった筋金入りのクロカン四駆には、SUVでは得られない本物感が漂う。とりわけGクラスには、他を圧倒する存在感がある。より身近になったGクラスに乗り、なぜここまで人々の心を惹きつけるのかを再確認する。
REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
率直に言って、パワーユニットとして上位グレードに劣る点はない
39年ぶりの大幅刷新を受けて以来、初めてとなる新規グレードの追加である。これまで1623万円のG550、そして2114万円のG63というラインナップだったが、このほど導入されたG350dは1192万円と、大幅にお買い得感のある価格に抑えられている。……まぁ、1000万円を越える高級車を「お買い得」と表現するのもどうかと思うが、Gクラスがターゲットとする富裕層の目には魅力的なエントリーモデルとして映るに違いない。
エンジンはメルセデスの最新ディーゼルである直列6気筒3.0Lの「OM656」で、最高出力286psと最大トルク600Nmを発生する。公表されている主要スペックはまだ欧州参考値だが、WLTCモード燃費(コンバインド)は9.9km/Lとされている。G550は7.9km/L、G63は6.6km/Lだから、やはり大幅なアドバンテージを持っている。
エクステリアは上位グレードとほぼ変わらない。角張ったシルエットはいかにもタフな道具といった風情で、Gクラス以外の何者でもない。
試乗車はオプションのAMGラインを装着しており、ワイドなフェンダーによって全幅が1980mmとなっているが、標準ボディであれば1930mmとなる。同社のSUVと比べると、フルサイズのGLSは1980mm、ミドルクラスのGLEは2020mmもある。Gクラスも大柄であることに違いはないが、昨今のプレミアムSUVと比べたらほどほど“抑制的”なディメンションにとどまっていると言えるだろう。
コクピットに乗り込む。見晴らしの良さは多くのSUV勢にも当てはまるだろうけれど、垂直に近いほど立っているAピラーのおかげでフロントウインドウ上端がドライバーの頭よりもかなり前方に位置するため、とても開放感がある。
現行モデルにおいて、この圧迫感のなさはスズキ・ジムニーやジープ・ラングラーなど限られた車種───本物のクロカン四駆でしか体験できないものだ。
走り出しは期待通りの力強さである。最大トルクはAMG G63の850Nm、G550の610Nmに対してG350dは600Nmと、G63はともかくG550とはほぼ同等で、その発生回転数はG63が2500-3500rpm、G550が2000-4750rpmなのに対してG350dは1200-3200rpmと群を抜いて低い。
1200rpmといえば、アイドリングからタコメーターの針2〜3本ぶんくらいでしかない。踏んだ瞬間に最大トルクを得られるという意味では、ほとんどEVである。
記者を含め、多くのドライバーがGクラスに求めるエンジンパフォーマンスは、この「アクセルを踏んだ瞬間に湧き上がる強大なトルク」がすべてであろう。高回転域での咆哮や炸裂するパワーなど求めていない。
となれば、パワートレインとしてはこの直列6気筒3.0Lディーゼルターボで十分であり、G500やG65のパフォーマンスは“超”高付加価値と捉えればいい。もちろんこのカテゴリーの顧客にとっては、その高付加価値にいかに“超”がつくかが大きな意味を持ってくるのだろうけれど。
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