輸入車ベスト3(佐野弘宗編)】第1位:シトロエンAX/第2位:アバルトOT2000クーペ/第3位:フォルクスワーゲン・コラード 【人生最高の輸入車を選ぶ】舗装を素手で触っているかのようなステアリングフィールが衝撃だったシトロエンAX(佐野弘宗)
- 2020/10/06
-
MotorFan編集部
これまでの人生において、所有したり試乗したりした輸入車のなかからベスト3を業界人に選んでいただく本企画。長い間、イタフラ車を乗り継いでいる佐野弘宗さん。その理由は、第1位に選んだシトロエンAXにある。国産車とは段違いのステアリングフィールに衝撃を受けたそうだ。
TEXT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
第3位:フォルクスワーゲン・コラード VR6(1991年〜1995年)
「ポルシェやBMWの6気筒にも匹敵する気持ちいいエンジン!」
優等生すぎるドイツ車にはあまり愛着の持てない特異体質の私である。とくに20代(=1990年代)のころは症状は深刻で、当時はポルシェに乗ってもさして感動できないという有様だった。
しかし、ほぼ唯一の例外だったのがフォルクスワーゲン・コラードVR6である。もともとホットハッチ体質ではあったので、同世代のゴルフIII GTIよりカッコ良くてビビッドな操縦性のコラードは憎くない存在だった。しかし、それよりなにより、そこに積まれていた2.9LのVR6(狭角V6)エンジンの甘美さにシビれた。
VR6は当時のフォルクスワーゲンの高価格エンジンとして広く使われていたのだが、コラードのそれは標準の2.8Lに対して70cc拡大された2.9L強化型で、吸気システムなども専用。そのパンチ力と高回転な吹け上がりは標準VR6とは別物といってよく、それこそポルシェのフラットシックスやBMWのストレートシックスとならぶくらいに気持ちよかった。
第2位:アバルトOT2000クーペ
「本物のチューンドDOHCはちびりそうなくらいの快感だった!」
四国自動車博物館 http://www.vistanet.co.jp/museum.htm
かつて在籍していた自動車専門誌の「アバルトOT2000 vs シェブロンB8」という超絶マニアックなレーシングスポーツカー対決企画取材で、編集長のかばん持ちとして同行した。そこでドライブさせてもらったOT2000クーペは人生初の“純アバルト製エンジン”の体験だった。
はっきりいって、それはすごく扱いにくかった。700kg以下の車重に2.0Lの4気筒DOHCだから、本来ならトルクは十二分のはずだが、3000rpm以下では原付バイクにすら追いつかれる程度の加速力しかない。やっとの思いで3000rpmまで引き上げると、今度はブルブルと不快な振動に包まれるのだ。
しかし、そこも我慢して4000rpmを超えたかと思うと...突如として何かのスイッチが入ったかのように、超ハイトーンボイスでスッカーンを吹け上がった! なんたる爆発力!! なんの切り替え機構もないはずのに、それは初期のホンダVTECなどモノのともしない豹変だった。レーシングアバルトなんてやたらに実体験できる存在ではないから、それがOT2000本来の姿かは今も分からない。しかし、本物のチューンドDOHCのすごさは本当にちびりそうなくらいの快感だった。
第1位:シトロエンAX GT(1986年〜1998年)
「イタフラ車体質になってしまったのはこのクルマが原因」
新卒社員として配属された某自動車雑誌編集部には、社有車として何台かの輸入車が配備されていた。で、入社直後の小僧だった私は、社有車の中でも最小にして最安価のシトロエンAX GTのキーを手渡されることが圧倒的に多かったのだ。学生時代は人生初愛車のマツダ・ファミリアにばかり乗っていた私にとって、そのAX GTが“生まれて初めて、じっくり乗った輸入車”でもあった。
シトロエンAXとは1986年から98年にかけて生産されたシトロエンのスモールカーで、軽量かつ低空気抵抗ボディが最大の売りだった。骨格設計は同時代のプジョー205と今日だったが、その味つけは、ともに“ネコアシ”ながらも好対照で、ネターッと深くロールしながら路面に吸いつくフットワークはプジョーとは明らかにちがっていた。プジョーとシトロエンが主要メカを本格的に共用しはじめたのは1980年代からだが、少なくとも2000年代初頭までは両社の味は別物だった。
そのスポーツモデルたるGTは、小さいナリして実家のトヨタ・マークIIより高速安定性がはるかに高く、舗装を素手で触っているかのように鮮烈なステアリングフィールはカルチャーショックだった。その後は自分のファミリアで高速に乗るのがちょっと不安になったりもしたくらいだ。
私はその後、つなぎの国産車以外はイタフラ車しか購入したことがない。そんな偏った体質になってしまったのは、このAX GTのせいだと思っている。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
シトロエン AX
GTi 5速マニュアル/左H/オリジナル内装/鉄チンW
中古価格 122.9万円
シトロエン AX
GT ワンメークホイール・クロスミッション・ノンスリ・ロールバー・コニ-・アイバッハ・強化スタビ...
中古価格 243万円