ジープ・グラディエーター | 荷台は奥行き1531mm・容積1平方メートルと使い勝手抜群 ジープ・グラディエーター…険しい岩山さえものともしない悪路走破性の高さはラングラー譲り!のミッドサイズピックアップトラック【これは欲しい! 日本で正規販売されていないクルマ】
- 2020/11/10
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遠藤正賢
「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」
そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。
そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、ジープブランドでは27年ぶりのピックアップトラックとして2019年4月4日「Jeep 4×4 Day」に北米で発売された「グラディエーター」を紹介したい。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●FCA
一目見て分かる通り、グラディエーターはジープの中でも最も高い悪路走破性を備える本格オフローダー「ラングラー」の現行JL型、その4ドアロングボディ「アンリミテッド」をベースとしている。
だが、そのラダーフレームは31インチ(787.4mm)も延長されており、全長は5539mm、ホイールベースは3487mmに達している。ラングラーの2ドアが全長4237mm&ホイールベース2460mm、アンリミテッドが同4785mm&3008mm(全長はいずれもスペアタイヤ込み)だから、いかに長大な体躯の持ち主かが窺える。
その分グラディエーターのベッド(荷台)は大きく、奥行きはテールゲートを閉じた状態で1531mmもあり、積載容量は1立方メートルにも及ぶ。それでいながら、最も悪路走破性が高い「ルビコン」グレードのアプローチアングルは43.4°、ブレイクオーバーアングルは20.3°、デパーチャーアングルは26°、最低地上高は283mmと、デパーチャーアングル以外はラングラーアンリミテッド(同43.9°、22.6°、37°、274mm)に引けを取らない。
4WDシステムは、「ルビコン」以外のグレードが「コマンドトラック」、「ルビコン」がよりローギヤードな「ロックトラック」。また「ルビコン」には、フロントスタビライザーを任意に解除できる「電子制御式スウェイバーディスコネクトシステム」が備わるのも、ラングラーと同様だ。
ただしグラディエーターは、ヘビーデューティ仕様のリジッドアクスル「Dana44」を全車とも前後に採用(ラングラーは「ルビコン」を除きリヤのみ)。さらにはFOX社製単筒式ダンパーを「ルビコン」、FOX社製別体タンク式ダンパーを「モハベ」グレードに装着することで、積載・けん引重量を問わず快適な乗り心地と耐久性を確保している。
エンジンラインアップは、北米仕様のラングラーが2.0L直4ターボとそのPHV仕様「4xe」、「エコディーゼル」と呼ばれる3.0L V6ディーゼルターボ、先代より続く「ペンタスター」3.6L V6ガソリンNAとそのマイルドハイブリッド仕様の計5種類を設定するのに対し、グラディエーターは3.0L V6ディーゼルターボと3.6L V6ガソリンNAの2種類のみ。トランスミッションは全グレードとも6速MTが標準装備で、8速ATはオプション設定だ。
このようにグラディエーターは、ベース車であるラングラーよりも遥かに長大でありながら、そのメカニズムはラングラーをも上回るヘビーデューティさ。そして一見ラングラーと同じようでいて、その実、伝統の7スロットグリルはけん引能力拡大を主眼として追加された吸気口のためにワイド化されているというのも、心憎い差別化策と言えるだろう。
トヨタがハイラックスを日本へ導入したことで、ピックアップトラックというジャンルそのものが日本で復活した今、クラス最強のオフローダーであろうグラディエーターが日本のジープディーラーで購入できないのは寂しい話。オートサロンなどでも目にする機会が多いだけに、正規輸入の開始が心から待ち望まれる一台なのは間違いない。
■ジープ・グラディエーター・ルビコン(F-AWD)*北米仕様
全長×全幅×全高:5539×1875×1882mm
ホイールベース:3487mm
車両重量:2301kg
エンジン形式:V型6気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:2987cc
最高出力:194kW(264ps)/3600rpm
最大トルク:600Nm/1400-2800rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式 前後:5リンクリジッド
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前後:LT285/70R17
乗車定員:5名
車両価格:4万4120ドル(約465万円)
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