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【クルマの教科書】レイアウト編-4 RR(アールアール)

  • 2020/11/23
  • MotorFanアーカイブ編集部
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これは1894年7月22日にフランスでおこなわれた世界初の自動車レース、パリ~ルーアン・トライアルのようすをつたえた絵です。

クルマのカタログや雑誌、メディアでは、様々な専門的な用語が使われています。この連載ではそんな言葉をなるべくわかりやすく説明します。

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RR(アールアール)ってなんだ?

RR(アールアール)ってなんだ?

自動車は、エンジンを積んでいる位置と、エンジンで動かす車輪が前と後ろのどちらなのかの組み合わせで、より詳しく区別することができます。自動車のどこにエンジンを積み、前後どちらの車輪を動かすかの組み合わせのことを、自動車の「レイアウト(配列(はいれつ))」と言います。

その中で、「自動車の後ろにエンジン(リヤ・エンジン)を積み、後ろの車輪を動かす(リヤ・ホイールドライブ)」ものです。これを英語で「リヤ・エンジン、リヤ・ホイールドライブ」と言い、その頭文字をとって「RR(アールアール)」と言います。

RR(アールアール)=自動車の後ろにエンジンをつみ、後輪を動かすレイアウト

RRはちょうどFF(エフエフ)をぎゃくにしたレイアウトで、目ざしているところは、とてもよくにています。エンジンとそれで動かす車輪とが、すべて自動車の後ろの部分に集められるため、そこから前は自由に作ることができるので、たいへん便利なレイアウトです。

RRは、自動車が発明(はつめい)されたばかりのころは、あたりまえのレイアウトでもありました。世界初の自動車「キュニョーの砲車(ほうしゃ)」はFFでしたが、前輪は車体を進ませると同時に向きをかえるためにもつかうため、ハンドルを動かすのにたいへん大きな力が必要で、曲がりにくいものとなっていました。そのため、曲がりそこなってカベにぶつかるという、世界初の交通事故(こうつうじこ)をおこしてしまいます。

そこで自転車やオートバイと同じように、前輪は向きをかえるためにつかい、後輪を動かして進ませたほうが、つごうがよいという考えかたが力をもつようになってきました。1886年にドイツのカール・ベンツがつくった、世界初のガソリンエンジン自動車「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン=ベンツ特許式自動車(とっきょしきじどうしゃ) 」もRRでした。くわしく見れば、この自動車はエンジンが後輪の軸のま上に置かれているので、RRではなくMR(エムアール)、もっとくわしく言えばRMR(アールエムアール)だと言う人もいます。

世界初のガソリンエンジン自動車、「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン=ベンツ特許式自動車(とっきょしきじどうしゃ) 」はRRの3輪車でした。エンジンは後輪の軸の上から後ろにかけてのせられています。

このころに、RRがよくつかわれたのは、まだ、エンジンの回転をつたえる方法や、歯車(はぐるま)など部品のつくりかたなどが、うまくまとまっていなかったので、エンジンを車体の前に置いて後輪を動かすFR(エフアール)レイアウトで自動車をつくるのが、むずかしかったということがあります。

また、RRは、自動車の中でもっとも重い部品であるエンジンを後ろにつみ、自動車を進ませるために動く後輪に、その重さをかけることができるため、後輪を押さえつける形となって、車輪を空まわりさせにくくできます。これにより、無理なく速度(そくど)を上げたり、止まっている状態(じょうたい)からの、すばやいスタートをきることができるのです。

しかし、RRは、後ろに重いエンジンをつんでいるため、逆に前輪にかかる重さは軽くなります。このためハンドルをきる力は小さくてよく、前輪がかじをきる角度(かくど)も大きくできるので、らくらくとハンドルが回せて小まわりがきくのですが、まっすぐ走るとき、特に速度がはやいときはフラフラと安定しにくくなります。

はやくまっすぐ走るときに安定しにくく、カーブでは曲がりすぎてしまうため、RRの自動車をはやい速度で運転するのは、特にむずかしいと言われています。今のRRの自動車の代表(だいひょう)が、ドイツの高性能(こうせいのう)スポーツカー、ポルシェだということからも、運転がうまい人でないと、RRの自動車は乗りこなせないと言われているのがわかるでしょう。

FRの発明でRRはあまり使われなくなりますが、1930年代に、小さく手軽な自動車=小型大衆車(こがたたいしゅうしゃ)が、広い室内をもつための方法として見なおされました。1934年につくられたメルセデス・ベンツ170Hもそのひとつです。当時、ダイムラー・ベンツ社の技術者だったフェルディナント・ポルシェ博士が大もとをつくりました。のちに博士が大もとをつくったフォルクスワーゲン・ビートルとよくにています。また、博士はこののち、スポーツカーのポルシェもつくりました。
1937年につくられたチェコのタトラT87は、「20世紀を代表する100台」に選ばれたほどの名車でRRでした。車体のまわりの空気をうまく流すため流線形をしていますが、この形をつくるためにもRRはつごうがよかったのです。
第二次世界大戦が終わり、日本で最初につくられたRR車が、1953年に日本オートサンダル自動車がつくった「オートサンダルFN(エフエヌ)型」です。
1960年にアメリカのGM(ジーエム)社でつくられた、シボレー・コルヴェアです。この自動車は日本では、『ウルトラマン』の劇中で、科学特捜隊専用車(かがくとくそうたいせんようしゃ)としてつかわれて有名になりました。

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