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「BEV補助金2倍」と欧州からの宣戦布告! 欧州勢は何をしようというのか

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つい先日、日本経済新聞は「欧州を中心とする21の投資家連合がベトナム石炭火力発電所計画に参加する三菱商事などに撤退を要求していることが分かった」と報じた。ベトナムが建設を計画している火力発電所に日本や中国の企業かが関わっている件で、ノルディア・アセット・マネジメントなど欧州の投資家グループが「この計画に加担することは気候変動に伴う企業の財務、評判への影響にとってリスクだ。計画撤退を要請する」と、関係企業に書簡を送ったという。

これは例のESG(環境・社会・統治)という物差しが正義だと主張しSDGs(持続可能な開発目標)を行動指針に掲げる投資家グループによる「善意」の行動なのか、あるいは裏があるのか。筆者は後者だと見る。政府系あるいは王室系ファンドも含め、欧州の投資家グループはその運用資金の豊富さに物を言わせて彼らの尺度なり基準を押し付けようとしている。矛先は日本だ。

アメリカが経済と軍事力で世界を支配する時代が終わった。中国はまだアメリカに取って代われるほどの存在ではない。日本の経済力はもはや強敵ではない。欧州は「いまがチャンス」と見ている。さまざまな方面の取材と各国にいる筆者の同業仲間とのやりとりで、筆者はこう思うようになった。結局、ESGもSDGsも、マネーゲームの手段という側面ばかりが利用されている。

旧知のアナリストは「菅首相がカーボンニュートラルを宣言して以降、欧州はあちこちで『日本叩き』の材料を探し始めた。急展開だ。コロナ禍で資金が余っている欧州系ファンドの動向は要注意」と言う。その大義名分がESGでありSDGsだ。欧州が「CO2こそ地球温暖化の唯一の原因」と宣伝を初めて以降、日本企業はすでにターゲットなのである。

投資を呼び込むには悪者を作るのがいちばんだ。悪者から投資を引き上げ、自分たちが利益を挙げたい善玉に世の中の投資を集める。その企業の時価総額が高騰すればリターンが増える。ベトナムの火力発電所建設計画を白紙撤回させ、そのあとで欧州勢は何をしようというのか。欧州企業がトップシェアを誇る洋上風力発電や太陽熱発電の設備を売り込もうというのか。

三菱商事への書簡は、見方によっては宣戦布告だ。同様の例はどんどん増えると警戒すべきだ。同時に、日本の国益をどう守るのかの議論が必要だ。企業の創意工夫と勤勉な国民性が、そこそこうまく機能する日本型の省エネ経済を確立している姿に対し、「それは世界標準ではない」とイチャモンをつけてくる勢力とどう対峙するのか。

肝心なのは政治なのですがね……。

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