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【ルノー・ルーテシア新旧比較】先代オーナーだからこそわかる新型ルーテシアの進化度 PR

  • 2020/12/31
  • ニューモデル速報
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4代目にしてルーテシアは世界のベンチマークになった

いよいよ『ルノーを選ばない理由』はなくなった!

写真と数値で新旧ルーテシアを徹底比較!

エクステリア

コクピット

シート

ラゲッジスペース

エンジン

4代目ルノー・ルーテシア

5代目ルノー・ルーテシア

新型ルーテシア

いよいよ『ルノーを選ばない理由』はなくなった!

 シートバックの角度調整が先代の無段階ダイヤル式から、新型ではレバーによるステップ式となったことは賛否両論かもしれない。個人的には微調整がきくダイヤル式が好みだが、操作が簡単なレバー式にもメリットはある。また、ご承知の好事家も多いように、新型ルーテシアは基本骨格からして、初出となるCMF-Bプラットフォームに刷新されている。車両感覚は新旧ソックリでも、ドラポジ調整幅が広がるなど、ハッキリとした進化点ももちろん数多い。

 そんな新型ルーテシアだが、運転席に座って見渡すと、インテリアだけは先代とは別物に高級になった。先代ではメインダッシュボード以外は硬いプラスチック部品に囲まれていたインパネは、新型ではダッシュボードはもちろん、センターコンソールやドアアームレストのエッジ部分など、身体が触れてしまいそうな部分はことごとく肌ざわりのいいソフトパッドとなっているのは心憎い工夫だ。頻繁に手を触れるスイッチやダイヤル類にも繊細なメッキがあしらわれる。また、シフトレバーを抱えるセンターコンソールも大型化して“コクピット感覚”があからさまに強まって……といった工夫によって、新型ルーテシアの運転席の居心地は、率直にいって先代より完全にセグメントがひとつ上級移行したような感覚である。

 まあ、その分だけ運転席がタイトになっているのも事実だし、私個人はBセグメントのインテリアは、楽しく手軽であればそれでいいと思っているクチなので、新旧のインテリアにはそれぞれに一長一短あると考える。ただ、先代オーナーとして地味だが明確にうらやましいのは、センターコンソールのドリンクホルダー直径が拡大されたことだ。先代では最近の太めのペットボトルが固定できないこともあった。こういう部分、毎日使っていると意外にストレスが蓄積するものだからだ。

新型ルーテシア

 新型ルーテシアの日本仕様は現時点で1.3Lターボのみだが、日本国内で競合する輸入Bセグメント(の主力グレード)の中では最もパワフルといっていい。ルノーはもともとエンジンパワーを売りするタイプではないが、新型ルーテシアが走り方面でも分かりやすい商品力を手にしたという事実は、日本でルノーを応援するファンとしては素直にありがたいと思う。

 そうなのだ。ルノーの走りの魅力は、文字や言葉ではちょっと説明しづらいのだ。ルノーの走りは個人的にとても好ましいと思っている。だからこそ、前記の4代目ルーテシアや2代目メガーヌを含めて、これまでに都合4台のルノーを乗り継いできているのだが、乗り味の魅力を説明しようと試みても、結局のところは「とにかく乗ってみて。できれば1週間以上」としか言いようがない(汗)。

 2000年代に入って電動パワステやリヤのトーションビームサスペンションなどを採用して以降のルノーの走りは、とくに冷静沈着な味わいが特徴である。プジョーのようにクイックなステアリングや低速でも吸いつくようなネコアシ感もなく、またシトロエンのようなフワフワという独特の世界観を提示するわけでもない。CMF-Bとなった新型ルーテシアは、ステアリングがクイック化されて、より剛性感も高まるなどのトレンドに沿った進化はしているが、競合車種に対して説明しやすい個性があるかというと、そうでもない……というのが相変わらずの実感である。

新型ルーテシア

 ただ、路面が荒れるほど、そしてそこを通過する速度が上がるほどに“頼れる相棒感”がじんわりとにじみ出てくるのがルノー伝統の美点である。これ見よがしの濃厚味はないが、それだからこそ、いい意味で運転という行為をことさら意識させられるわけでもなく、他車では身構えるような過酷な路面やコーナーでもシレッと涼しい顔でクリアして見せる。そして気がついたら数時間も休憩せずに走っていた……みたいな出来事に何度も遭遇する。

 こういうルノー本来の魅力は、チョイ乗りでは気づきにくい。欧州でのルノーは押しも押されもせぬ最大手ブランドのひとつなので、こういう王道のクルマづくりが販売台数にもつながるのだろう。しかし、日本でのルノーは言うまでもなくニッチブランドゆえに、この王道の良さが理解されにくい。日本のルノーファンとしては、そこがもどかしい。

 しかし前記のパワフルな動力性能に加えて、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC)を筆頭とした先進安全運転支援システム(ADAS)が、ほぼフル装備といえる充実ぶりを見せるのも、新型ルーテシアのもうひとつの分かりやすい商品力である。ルノーといえば日本の日産とアライアンス関係にあることは有名だが、このADASについては、その方面ではかねてより定評のある日産のノウハウが存分に生かされているようだ。さすがに緊急自動ブレーキ性能はおいそれと試せないが、道路標識認識機能は日本の交通環境でもすこぶる高精度だし、ACCやレーンキープアシストの作動マナーもトップクラスの快適性と信頼感である。これまでのルノーはこの分野で競合他車に明らかに出遅れていたので、この点だけは先代オーナーとしてはハンカチの端を噛みたくなるほどうらやましい。

 ルノーファンとしては「いよいよ、ルノーを選ばない理由はなくなりましたよ」と広く申し上げたい。

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