【ルノー･ルーテシア新旧比較】先代オーナーだからこそわかる新型ルーテシアの進化度 PR

• 2020/12/31
• ニューモデル速報

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2020年秋に日本上陸を果たした新型ルノー･ルーテシア。先代が欧州をはじめとした世界のマーケットで大成功を収めていただけに、そのモデルチェンジは「完全新設計によって全方位的に大幅に進化させつつも、見た目を先代モデルに近いものとする」という難しい作業となった。ここでは先々代、先代とルーテシアを乗り継いでいるジャーナリストが、オーナーならではの視点から新型の進化について紐解いていく。

TEXT●佐野弘宗（SANO Hiromune）

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4代目にしてルーテシアは世界のベンチマークになった

いよいよ『ルノーを選ばない理由』はなくなった！

写真と数値で新旧ルーテシアを徹底比較！

エクステリア

コクピット

シート

ラゲッジスペース

エンジン

4代目ルノー･ルーテシア

5代目ルノー･ルーテシア

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4代目にしてルーテシアは世界のベンチマークになった

　私は先代ルーテシア（4代目）を5年ほど所有して、ほぼ毎日乗っていた。しかし、5代目となる新型ルーテシアに屋外で初対面したとき、恥ずかしながら、すぐには新車と気がつかなかった。このように、先代オーナーですら区別がつきにくいほど新旧ソックリなのは、先代が歴史的な成功作だったからだ。

　ルノー自身が4代目ルーテシアが成功した最大要因と定義しているのは、パッケージレイアウトを含むエクステリアデザインだという。だから、新型ルーテシアでも、その部分はとくにキープコンセプトの色が濃い。だから、外見から入る初対面時に、先代オーナーの私が新型に気がつかないのも無理はない（？）。

　先代にあたる4代目ルーテシアが本国デビューしたのは2012年のことだった。クルマはモデルチェンジごとに大型化していくのが通例だが、欧州Bセグメント市場に「さすがに大きくなりすぎでは？」といった空気が漂いはじめたのも、ちょうどこの時期だ。実際、同じ年に登場したプジョー208（初代）は前身の207に対して、ボディサイズを全長で85mm、全幅で10mmほど切り詰めていた。

　一方のルーテシアはそれ以前の3代目もクラスでは立派な部類だったのに、4代目でボディサイズをさらに拡大。とくに2600mmというホイールベースは、当時のCセグメントとほぼ同等レベルにまで達していた。しかも、そのワイド&ローなプロポーションを、有機的な曲面で包んだスポーツクーペ風デザインは素直にカッコいいと言えるものだった。

　このルノーの判断が正しかったことは、その4代目ルーテシアはモデル最末期まで不動の欧州ベストセラーとして君臨して、今ではVWポロやプジョーの新型208などもルーテシアのパッケージレイアウトを後追いしていることからも明らかだ。5ナンバーだった初代や2代目をリアルに記憶する中高年からすると今のルーテシアは「コンパクトカーとしては立派すぎ？」と思えなくもないが、絶対的には「ファミリーカーとしてもギリギリ使えて、パーソナルカーとしても気軽に取り取り回せる絶妙なサイズ」ともいえる。

　この点はルノー自身も「4代目ルーテシアはCセグメントからダウンサイザーを多く取り込めた」と分析している。実際、私が4代目ルーテシアを選んだ理由も、そのエクステリアデザインにひと目ボレしたのと同時に、その数年前に乗っていた2代目メガーヌと比較しても、日常づかいにまつわるすべての実用性に遜色をまったく感じなかったからだ。

　こうした4代目ルーテシアの美点は、基本プロポーションやボディディメンション、パッケージレイアウトまでを受け継いだ新しい5代目ルーテシアにも、当然ながらすべて当てはまる。新型ルーテシアの運転席に収まると、全方位でちょうどよくフィットする車両感覚に、あらためて「そうそう、これこれ、これなのよ」とヒザを叩くほかない。