自動車保険の等級とは|割引率への影響や家族・他社への引継ぎなど
- 2024/07/10
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MotorFan編集部
自動車保険の保険料を決める要素の1つが「等級」です。
既に自動車保険に加入している人であれば、保険証券などで自身の等級を見かけたことはあるのではないでしょうか。
この保険料を大きく左右する等級について、詳しく理解することで自動車保険を安く出来る場合もあります。
また家族への等級引き継ぎを利用し、新しく自動車保険に加入する家族の自動車保険を安くするといったノウハウもあります。
本記事では、等級の仕組みに加え、ケース別により保険料をお得にするための等級知識をご紹介。しっかりと把握して節約に繋げてみましょう。
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自動車保険の等級とは
自動車保険の等級とは、一般的にノンフリート等級別料率制度において保険料の割引率や割増率を決めるための区分を表す数値となります。
この等級は、1等級から20等級に区分されており、事故リスクが最も低いとされるドライバーが20等級、逆に事故リスクの高いドライバーは1等級に区分されます。等級は運転実績に応じて契約月に見直され、次年度の等級が決まる仕組みを持っています。
なお、自動車保険におけるノンフリート等級別料率制度は、契約者が所有または契約する自動車の台数が9台以下の契約で用いられ、10台以上の契約を行う場合はフリート契約が用いられます。事業者ではない一般的なドライバーの多くは前者のノンフリート契約を行うことになります。
自動車保険の等級の区分と割引率について
ここからは、自動車保険における等級の区分について解説していきます。割引率を大きく左右する大切な制度となっているため、しっかり把握して保険料の節約に繋げてください。
- 等級は20段階。初めての契約は6等級から
- 1年間無事故なら次年度に等級が1つアップ
- 等級が高いほど保険料の割引率が大きくなる
- 自動車保険に契約中で現在の等級を確認する方法
等級は20段階。初めての契約は6等級から
自動車保険の等級は、事故リスクの高い1等級から長年に渡って安全な運転を続けてきたドライバーが到達する20等級まで20段階の区分が設けられています。初めて自動車保険に契約する場合は、年齢に関係なく6等級が適用されることになります。
すでに自動車を保有し、自動車保険に加入しているドライバーであっても2台目以降の自動車を契約する場合は、原則的に6等級が適用されますが、保険会社が定める一定の条件を満たせば7等級からスタートすることもあります。
1年間無事故なら次年度に等級が1つアップ
自動車保険の等級は、1年ごとに行われる保険の更新時に見直されます。例えば、6等級のドライバーが無事故なら翌年の等級は7等級にアップするといった具合に無事故なら等級がひとつアップする仕組みを持っています。
等級のアップは1年で1等級のみとなるため、保険料がもっともお得になる20等級まで到達するには、最低でも14年の歳月が必要となります。そのため、等級はドライバーの安全度を量るひとつの指標と言っても過言ではないでしょう。
等級が高いほど保険料の割引率が大きくなる
自動車保険の等級がアップするメリットは、保険料の割引率が大きくなることにあります。
保険料は初めて契約する時に適用される6等級が基準とされ、等級が上がるほど割引率がアップし、保険会社によって多少異なりますが20等級まで達すると60%以上の保険料割引を受けることが可能です。
概ね10等級まで到達すれば、6等級と比べて倍近くの割引が適用されるため、安全運転を続けていれば、数年で保険料が大幅にお得になります。
自動車保険に契約中で現在の等級を確認する方法
現在の等級を確認する方法は、代理店型とダイレクト型によって多少異なります。
代理店で契約した場合は、契約者本人がその代理店に問い合わせれば、その場で教えてもらえることがほとんど。ダイレクト型の場合は、保険会社のWebサイトにアクセスして契約者専用のマイページなどにログインすれば確認可能です。
ダイレクト型の自動車保険は自身の保険内容の確認が手軽であることに加え、代理店型と比較して保険料が安いのが特徴です。保険料を安くしたい場合は、このダイレクト型の自動車保険を一括見積りで比較することをおすすめします。
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自動車保険を使う場合の等級と割引率への影響
もし、事故を起こしてしまった場合や巻き込まれてしまった場合、自動車保険の等級や保険料はどうなるのでしょう。ここでは自動車保険を使った際、等級や割引率に与える影響について解説します。
- 自動車保険を使うと翌年の等級が下がり保険料は割高に
- 等級が同じでも事故の有無で保険料の割引率は異なる
- 3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故の違い
自動車保険を使うと翌年の等級が下がり保険料は割高に
事故や盗難などによって自動車保険を使用して保険金を受け取ると、原則的に翌年度の等級が下がる仕組みとなっています。
例えば、20等級のドライバーが3等級ダウン事故を起こした場合、翌年は17等級にダウンし、1等級ダウン事故を起こすと翌年は19等級といった具合にカウントされます。
等級ダウン後、1年間無事故を続ければ通常通り1等級アップしますが、さらに事故などを起こして自動車保険を使った場合は、その回数に応じて等級がダウンすることになります。
等級が同じでも事故の有無で保険料の割引率は異なる
等級による割引率は保険会社によって多少異なりますが、同じ等級でも「無事故」と「事故あり」といった2種類の割引率が存在しています。
例えば、ある保険会社の20等級を見てみると、無事故の20等級における割引率は63%となっていますが、事故ありの20等級における割引率は51%と12%もの差が生じています。この割引率の差は、等級が低くなるほど大きくなり、10等級の場合は無事故で46%の割引に対し、事故ありあと19%の割引と27%もの差が生じます。
そのため、修理費が安く済む軽微な事故を起こした場合は、元の等級へ戻るまでの期間に支払う保険料が修理費を超えるケースもあります。修理費が安く済みそうな場合は、割引率の減少によって増える保険料と修理費の差額を計算し、自腹で修理したり保険を使ったりする判断を行うことをおすすめします。
3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故の違い
等級ダウンには、事故の度合いやケースによって「3等級ダウン事故」と「1等級ダウン事故」、「ノーカウント事故」の3種類が存在しています。
3等級ダウン事故は、他人のクルマや歩行者など他の交通との衝突における賠償責任をはじめ、電柱や信号機などの公共物や他人の所有物を破損したことによる賠償責任など、いわゆる一般的な交通事故を保険で賄った場合に適用されます。当て逃げにあってしまった場合などに車両保険を使って修理した場合もこの3等級ダウン事故が適用されます。
それに対し、1等級ダウン事故は、車両が盗難やいたずらの被害にあってしまった場合や天災や飛び石などで傷ついた車を車両保険で修理した場合など、交通事故以外で保険金を受け取る場合に適用されます。
ノーカウント事故は、弁護士費用特約や公共交通機関の利用中に事故にあった場合に人身傷害保険を利用した場合など、被害者に過失責任がない場合に支払われる保険金を受け取った際に適用されます。なお、ノーカウント事故のみ適用を受けた場合、他に事故を起こさなければ翌年の契約は1等級アップした状態で行われます。
自動車保険の等級の引継ぎについて
自動車保険の等級は、家族や他のクルマから引き継ぐことが可能です。ここでは、等級の引継ぎができるケースとその手続き、よりお得に等級を引き継ぐ方法について解説します。
- 同居家族から等級の引継ぐことで保険料を安くできる
- 等級の引継ぎは同居中の家族のみ。別居中の家族は不可
- 等級は他社への引継ぎも可能。ただしタイミングに注意
- 2台目なら7等級から保険を開始できる(セカンドカー割引)
同居家族から等級の引継ぐことで保険料を安くできる
自動車保険の等級は、同居する家族や親族から引き継ぐことが可能です。
免許を取って間もない20歳以下のドライバーが新規に自動車保険に加入すると6等級からスタートすることに加え、全年齢条件で加入する必要があるため、保険料は非常に高額となります。
この場合、同居する両親などの年長者が20等級を持っていれば、子どもがその等級を引き継ぐことが可能です。
そして、等級を引き渡した年長者が新たに自動車保険に加入すれば、6等級もしくは7等級からのスタートとなりますが、26歳以上条件や35歳以上条件といった割引率の大きな条件で保険に加入できるため、トータルの保険料がグンとお得になります。
等級の引継ぎは同居中の家族のみ。別居中の家族は不可
等級の引継ぎは、あらたに継承するドライバーとの同居が条件となります。
例えば、同居する配偶者や子ども、親戚や配偶者と同居する親族などが対象となります。たとえ実子であったとしても、通学や結婚などに伴って別居している場合は、等級の引継ぎは不可となります。
現在は同居しているものの、ライフスタイルの変化などによって別居になる可能性が濃厚になった場合は、同居しているうちに保険会社に連絡を済ませ、早目に継承しておくことをおすすめします。
等級は他社への引継ぎも可能。ただしタイミングに注意
自動車保険の等級は、契約中の保険会社だけでなく、他の保険会社にも引き継ぐことも可能です。ただし、共済保険の一部から保険会社に乗り換える場合、等級が引き継げないケースもあるため事前の確認が必要です。
契約中に保険会社を乗り換える場合は、乗り換え先の保険会社とあらかじめ契約を済ませ、そのうえで契約中の保険を解約することで等級の引継ぎが可能です。
ただし、契約中の保険が満期を迎え、空白となる期間が7日を超えると新たな保険で等級が引き継げず、6等級スタートとなります。なお、自動車を手放すなど長期間所有しない場合は、契約中の保険会社から中断証明書を発行してもらうことで、新たな自動車の購入時に等級が引き継げます。
なお、新車購入などに伴って保険会社を乗り換える場合は、その契約日から1年後に等級アップとなるため、最長11カ月以上もの等級アップのロス期間が生じる点に注意が必要です。
2台目なら7等級から保険を開始できる(セカンドカー割引)
すでに自動車保険を契約しており、さらに追加購入などによって自動車保険に加入する場合は、セカンドカー割引として7等級からスタートできるケースがあります。
ただし、セカンドカー割引には諸条件が設けられており、それをクリアする必要があります。主な条件は以下になります。
- すでに契約している保険の等級が11等級以上であること
- 契約中の自動車が個人所有
- 契約の自動車が自家用であること
これらの条件をクリアしていれば、セカンドカー割引が適用される可能性があるため、加入前に保険会社へ問い合わせることをおすすめします。
自動車保険の等級についておさらい
この記事では、自動車保険における等級制度とそのアップダウン条件、そしてより保険料をお得にするための方法を紹介してきました。等級は、自動車保険の保険料に直結する重要なものだからこそ、しっかりとその仕組みを理解しておくことが大切です。
安全な運転を心がけて無事故を維持することはもちろんですが、保険の見直しや等級の引継ぎなどを賢く利用して、保険料の節約に繋げてみましょう。
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