2018年発売予定 来年発売のPCXエレクトリック! 気になる航続距離は?
- 2017/11/06
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MotorFan編集部 山田 俊輔
11月5日に閉幕した第45回東京モーターショー2017。その中で発表された1台、「PCXエレクトリック」は、ホンダが満を持して一般向けに発売する電動スクーター第一号機。その実力とは……。(PHOTO:てつかたかし/山田俊輔)
過去にホンダがリリースした電動スクーターといえば、2010年に登場し業務用としてリース販売された「EV-neo」がファーストモデルとなる。大きな荷台を備えたビジネススクーター「ベンリィ」系統の車体に定格出力0.58kWのモーターと、72V/12.6Ah(1HR)のリチウムイオンバッテリーを搭載。ウリどころの一つが30分で満充電となる急速充電(200V)時のスピーディさだが、その一方で航続距離は34km(30km/h定地走行テスト値)と短いのが難点であった。
それから7年の月日を経た2017年の東京モーターショーで、ホンダブースから2台のスクーターが注目を集めた。「PCXエレクトリック」と「PCXハイブリッド」である。
※PCXハイブリッドの詳細記事はこちら>>>単なる新型ではない! PCXハイブリッドが来年発売【東京モーターショー2017】
新設計のメインフレームを採用
ベース車両は街中ですでに市民権を得ている「PCX」。ただし現在市販されている現行モデルとは異なり、ダブルクレードルフレームを採用した「新型」(現行はアンダーボーンフレーム)である。軽量かつ高剛性を実現した新フレームの他に、前後タイヤのワイド化やブレーキのABS化、ボディカウルのデザイン変更など、車体周りにはPCXハイブリッド同様の改良が一通り加えられている。
124cc相当のモーターを採用
PCXエレクトリックに搭載されるモーターは定格出力0.98kW。ガソリン車でいうところの124cc、いわゆる2種スクーターに相当する。電動スクーターでよく目にするインホイールモーター式ではなく、DCブラシレスモーターとパワードライブユニットを一体化したものを搭載(EV-neoでもこの方式を採用)のも特徴の一つ。減速ギヤを介して出力を伝達するこのユニットのおかげで、モーターに対する要求最大トルクの低減と高回転化を可能としている。
「スロットルオンからの発進のレスポンスは今までのPCXとは別物です。2ストエンジンのようなパワフルな味付けに仕上げています」と話すのは、PCXエレクトリックの開発に携わった本田技術研究所 二輪R&Dセンターの武藤裕輔さん。
航続距離は100km……と予想
「航続距離は伸ばしたい一方で、バッテリー自体はスクーターの限られたスペースの中で収めなければならないのに苦心しました」と続ける。実際にPCXエレクトリックは、シートを開けると、大きなリチウムイオンバッテリーが2本搭載されて、従来の収納として使用できるスペースはごくわずかであった。バッテリー1本あたりの重量は10kg程度とのこと。
電動スクーターの要となる「航続距離」だが、バッテリー容量はまだ検討中とのことだが、「一充電の航続距離は大幅に伸ばしました。通勤、街乗りの使用で問題ないレベルです」とのことから、おそらく100km程度の走行は可能としているだろう。
充電方式は100Vのみ。200Vの急速充電には対応していない。PCXでいうところのフューエルリッド(給油口)部分をあけると100V用のプラグが格納されていてここから直接充電する方法と、シート下スペースからバッテリーを取り外して専用充電器に接続する方法がある。ゼロから満充電までの所要時間に一晩程度要する部分は、使い方によっては苦しい部分かもしれない。
なお、本来エンジンが搭載されている部分にはEVパーツの補機類とリチウムイオンバッテリーが配置されている。マスの集中化も考慮したレイアウトとなっているので重量配分がチグハグで……なんてこともない。むしろ、リヤショックが従来よりも長くなっていたり、シートの厚みが増しているので、乗り味・乗り心地は改善されている。
「EVを特別なものにしない。普通に使ってもらえるものにする」と掲げるホンダの言葉の通り、このPCXエレクトリックの2018年の発売をもって、実用電動スクーターの第一歩を踏み出す。
■諸元■
●PCXエレクトリック/2018年発売予定
・定格出力:0.98kW以下
・全長×全幅×全高:1,938×745×1,107mm
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