MAZDA GLOBAL MX-5 CUP JAPAN 〜GENTLEMAN DRIVER INTERVIEW 10年ぶりに米国挑戦中のレーサー鹿島が、異色のレーサーに訊く! ドクターとレーサー、“究極の二足のわらじ”の先にある未来とは?
- 2018/07/06
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MotorFan編集部
現役の優秀なドクターが、“世界の頂点を目指し”「MAZDA GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」でトップ争いを展開している。医療とモータースポーツの世界をともに極めようと奮闘する理由とその秘めたる思いに迫る!
TEXT●レーサー鹿島(RACER Kashima)
PHOTO●服部真哉(HATTORI Shin-ya)/ MAZDA GLOBAL MX-5 CUP JAPAN
「マツダ車で、ル・マン総合優勝を目指したい!」
梅田 剛
-----ドクターとレーサー、目指したのはどちらが先ですか?
梅田:レーサーです! 5、6歳の頃でした。両親がアマチュアレーサーで、僕が生まれた時にはやめていたのですが、昔話を聞いたり、よくサーキットに連れて行ってもらったりしたことがきっかけです。ドクターの方は、医師だった祖父の教育や仕事をしている後ろ姿を見て中学生の頃に目指すようになりました。やはりDNAですかね(笑)。
-----医療とレース、共通点はありますか?
梅田:チームワークが大事という点で、医療にもレースにも似たところがあります。レースはドライバーにスポットが当たりがちですが、メカニック、マネージャー、監督、エンジニアと色々な人の力があって戦えています。医療も同様で、手術となると執刀医に目がいきがちですが、手伝ってくれる助手の先生、麻酔科の先生、器械(メスなどの器具)出しの看護師さん、病棟の看護師さん、事務のスタッフ、みんなが協力し合って成り立っています。また、医療もレースも限られた時間の中で多くのことをやる必要があります。時間の使い方は本業である医療で得たものをレースにいかせているのではと思います。
-----レースでの1秒は、日常生活の1秒とはまったく違いますよね?
梅田:現在(第3戦終了時点)「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」ランキングトップの堤優威選手とは2015年に「ロードスター・パーティレース」のライバルで、最終戦までは僕がランキングトップだったんですが、トップを走っていた残り2周でシフトミスをしてしまい、堤選手に抜かれてチャンピオンを逃しました。その結果、堤選手はアメリカの「GLOBAL MX-5 CUP 世界一決定戦(エキシビジョン)」に出場、とても悔しい思いをしました。0.5秒、1秒の差というのはものすごく大きいと感じています。
-----キラキラ輝く眼が印象的ですが、かなり眼が良いのでは?
梅田:形成外科の場合、顔や手など細かい手術が多いので、細かいものを見る眼が求められます。神経が見えるか見えないとかも。それから、これは他の科でもそうでしょうが、“いつもと違う、実はケガや病気が隠れている”のを見つける眼が大切と感じています。レースでも、“いつもと違う、どこかが壊れている”を感じられるようになれば強いと思います。
-----今季の目標と、レースにおける最終目標は?
梅田:ここまでは、若手の堤選手、吉田綜一郎選手に対しては一発の速さが欠けています。また、ベテランの佐々木孝太選手に対しては、自分のラップタイムが速くても抜けないという技術レベルの差を感じています。ただ、常に冷静に安定して走ることができるという、僕が考える自分の優れたところを速さにつなげて勝ちたいと考えています。最終目標は、「ル・マン24時間」に出て、マツダ車の2回目の総合優勝を担うことです。
インタビューを終えて・・・
現役のドクターでありながら、「ル・マン24時間」で世界の頂点を目指す梅田剛選手からは、言葉では言い尽くせないオーラ、エネルギー、そして強い意志を感じました。私事ではありますが、プロデューサーやパーソナリティの仕事とレースを並行して行ってきた私にとっては、特別な想いも禁じ得ません。「MAZDA GLOBAL MX-5 CUP」をステップに世界に羽ばたく姿を見せてくれる日はきっと近いことでしょう。
レーサー鹿島
<プロフィール> レーシングカート、「全日本F3」などを経て、2000年代には米国「インディライツ」に参戦、今季は「MAZDA GLOBAL MX-5 CUP」米国シリーズに参戦中。“世界”への挑戦経験をいかし、独自の視点でマツダのドライバー育成システムを取材している。FMラジオ「ドライバーズ・ミーティング」は20年目を迎えた。
「MAZDA GLOBAL MX-5 CUP」とは?
マツダが米国で展開する二つのトップドライバー育成システム、「インディカー」を目指す「MAZDA ROAD TO INDY」とスポーツカー耐久レース「IMSA」を頂点とする「MAZDA ROAD TO 24」の重要な登竜門として日米で開催。日本シリーズを制したドライバーには「世界一決定戦」の出場資格が与えられ、“世界”に通じる道が開かれることが最大の魅力。
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