Mercedes-Benz A-Class Impression from Editor's room 〈新型Aクラス試乗〉 メルセデス・ベンツの哲学に触れる、絶好のエントリーモデル
- 2019/02/10
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ニューモデル速報 森田 準
メルセデス・ベンツファミリーの中にあって、最も多くの人を対象としたモデルと言えるAクラスが新しくなった。今回のAクラスのトピックは、人工知能を搭載し、クルマと対話しながら各種の操作を行うことのできるインフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」や部分自動運転を実現する先進安全装備など、Sクラスと同レベルの機能が搭載されたことだろう。もちろんこれらの機能は利便性と安全性を高める優れた装備だが、新型Aクラスはメルセデスらしく、クルマとしての基本的性能も高められていた。
ビークルダイナミクスと安全システムが刷新! 328万円から体験できるメルセデスの世界
Sクラスと同レベルの先進安全が盛り込まれたと話題の新型Aクラス。そんなメルセデス渾身の新型に試乗できる機会を得たので、レポートしたい。
前述の通り“ハイ! メルセデス”と声を掛けて、クルマと会話をするだけで各種の操作が行えるMBUXという飛び道具的先進装備につい目を奪われがちになるが、新型Aクラスはクルマとしての性能も確実に高められていた。
メルセデス・ベンツにとって「安全」は最重要項目。件のMBUXにしても、エンターテイメント機能ではなく、より安全にクルマを走らせるためのツールであると考えられる。
そのほかにも、インパネのデザインやサスペンションセッティングなど、随所にメルセデスの安全に対する哲学を感じるものだった。
以下、各パートに分けて新型の特徴をお伝えしよう。
よりカッコ良く、快適になった新ボディ
エクステリアのデザインについては先代のイメージを残しつつ、よりスタイリッシュになった印象を受ける。
さらに、フロントスポイラーなどのボディパーツやスポーツホイール、マルチビームLEDヘッドライトなど多岐に渡るアイテムがセットになった超お買い得オプションの「AMGライン(25万5000円)」を装着すれば、よりスポーティなイメージを付加できる。このオプションはぜひ付けたい。
新型Aクラスのボディは、デザイン性だけではく空力性能が向上され、こちらも空気抵抗低減による静粛性や燃費の向上に貢献している。また、ボディとサブフレームが完全新設計され操縦安定性のみならず、振動や騒音も低減されて快適性の面でも進化を果たした。
実際、静粛性については空力効果によって高速走行時でも風切り音は感じることはない。ロードノイズや追い越し加速の際のエンジン音はそれなりに入ってくるが、普通の大きさの声で前後席間でも会話でき、十分に静粛と言えるレベルだろう。後席の居住空間は先代よりも拡大さている。
シンプルモダンで上質感漂うインテリア
室内に目を移すと、すっきりとモダンなデザインで上質感が増した。注目点はドライバーの目前に幅広く鎮座する横長なタッチスクリーン式のセンターディスプレイだ。目前の速度計やタコメーター等を表示するメーターエリアから途切れることなくつながるディスプレイ左側のエリアで、ナビやオーディオほか各種機能の操作を行える。
これらの操作はディスプレイを直接タッチしてもできるが。センターコンソールに設置されたタッチパッドでも行なうことができる。
その画面はクッキリと見やすいし、何しろカッコいい。
そして、ここで強くお伝えしたいのがタッチパッド操作性の良さ。手前のパームレストの存在と大きさと形が良いのだろうが、今まで体験したこの手の装備の中で一番操作がしやすいと感じた。
クルマによってはカーソルが動き過ぎたり、保持安定しなかったりするが、このクルマに関してはそういったストレスは一切感じなかった。
ディスプレイの下に位置する空調系のスイッチもシンプルで使いやす。すっと手を伸ばした先。“あるべきものが適正な位置にある”といった感覚。もっとも、後述するMBUXを装備すれば、このスイッチは使わなくなってしまうのだが……。
内装の見た目については、外装の「AMGライン」に追加する形で発注可能な「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ(20万4000円)」を装着すると、その様相は小さな高級車へと変貌する。本革ツートンシートと、64色に調整可能なアンビエントライト、アルミニウムインテリアトリムがセットになっている。
ジェットエンジンのタービンがモチーフというエアコンの吹き出し口もピアノブラックからアルミ基調となりグッと高級感が高まる上に、そこにアンビエントライトの光が反射することで妖艶な美しさが演出される。
これは脱Cセグメントのキラーアイテム。予算に余裕があれば選択したい。
さらに、ここでもうひとつ強調しておきたい美点が、ハンドル調整のチルト(上下調整)機構とテレスコピック(前後調整)機構の調整幅が圧倒的に広いこと。欧州車は全般に調整幅が広いが、新型Aクラスも同様。
特にテレスコピックの調整量は、国産車ではもっとハンドル位置を手前にしたいと思ってもできないことが多いのだが、そんな問題はまったくない。小柄なドライバーでも不足なく好みのポジションをとることができるはずだ。
安全運転は的確な操作ができる、的確な運転姿勢があってこそのもの。ペダルやハンドルの位置に妥協しなくても良いのは本当にありがたい。
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