Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニュース・トピック
  3. トピック

Chevroletはなぜシボレーと読むの? シェブロレットじゃないの? さらにシェビーってなによ?

このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカを代表するスポーツカー、コルベットでも知られる名門ブランド「シボレー」。あまりにも有名なブランドであり、クルマ好きでシボレーを知らない人はいないだろう。ただ、誰もが一度は抱く疑問……それは、なぜ「Chevrolet」と書いて「シボレー」と読むのかということ。どう見てもシェブロレットとしか読めないし、逆にシボレーの綴りを書くために、多くの人がシェブロレットと口にして覚えたはずだ。さらに意味不明なことに、アメリカ人ときたらシボレーをシェビーなんて呼んだりもする。いったい、何が何やら……。

シボレーは英語ではなかった!

 英語の読み方には、絶対的な規則性がない。たとえばフロリダ州のマイアミは「Miami」と書くけれど、最初のiはアイと読むのに、二番目のiはイと読む。ひとつひとつ覚えないとちゃんと読めないのだ。まぁ、漢字にだっていろいろな読み方があるから他人の言語に文句を言う資格はないのだが……。

 それにしてもである。「Chevrolet」と書いて「シボレー」はないだろう。まったく英語ってやつは、と思っていたら……

ブランド名の由来となったのは、スイス出身のルイ・シボレー(Louis Chevrolet)さん。

 なんとシボレーは、フランス語由来だったのだ。

 上の写真の人は、シボレーの共同創設者のひとり、スイス出身のルイ・シボレー(Louis Chevrolet)さんだ。ご存知の通りスイスは多言語国家だが、そのなかでフランス語話者が占める割合は高い。

 そしてルイ・シボレーさん自身も、子供の頃にフランスに移住している。

1910年型ビュイックのレーシングマシンを駆るルイ・シボレー。

 その後、同じくフランス語圏のカナダはケベック州のモントリオールに移住し、レーシングドライバー兼メカニックとして活躍。ビュイックのドライバーに抜擢され、同社のオーナーであるウィリアム・デュラントさんとともにシボレーを創設することとなる。

 というわけで、英語以上に難解なフランス語が由来だったというオチなのだが、実はフランス語の方が英語よりは規則性があるらしい、というのは知っていても損はない。

 Chevroletを音節ごとにわけてみると、Cheはまさにフランス語の規則どおり「シェ」で、vroは「ヴ」の後にフランス語ならではの鼻にかけた「ホ」のような音が僅かに続き(ほとんど「ォ」しか聞こえない)、letは最後のtを発音せずに「レ」となる。tがなければ「ル」となる。

 だからフランス語だと考えれば、Chevroletをシボレーと読むのはおかしいことでもなんでもないそうだ。正確には「シェヴォレ」がよりフランス語の発音に近いカタカナ表記となる。

1915年と1916年には自らの名を冠した「シボレー」でインディ500にも参戦!

 さて疑問のもうひとつである「シェビー」という呼び方はいったいなんなのか?

 これは単純に、多くのアメリカ人がフランス語由来のシボレーをうまく発音できないから、ということだそうで……。

 自国を代表する名門ブランドの名前をうまく発音できず、愛称で呼んでしまうなんていかにもアメリカらしい話だ。ちなみにアメリカのブランド名や車名には意外とフランス語由来のものが少なくなく、有名なところではキャデラックが挙げられる。デトロイトを開拓したフランスの貴族出身の探検家であるアントワーヌ・カディヤック(Antoine Cadillac)さんにちなんで命名されたという。そういえばデトロイトという地名だってフランス語だ。

 アメリカの自動車産業におけるフランス系移民の存在感の高さがうかがえるエピソードである。

シボレー設立後はエンジニアとしても活躍。自ら設計に携わった4気筒エンジンとともに。「なぜエンジンが浮いているのか?」とか「なんだか合成っぽい」とか、そういうのは気にしないように。写真の提供元はGM本社。

スバル・インプレッサはなぜインプレッツァと読まないの?【SUBARU IMPREZA】

スバルが誇る人気モデル「IMPREZA(インプレッサ)」。北米や豪州を中心にグローバル規模で人気を誇っており、かつてはWRCで...

あわせて読みたい

トヨタの車名は「C」から始まる? センチュリー、クラウン、カローラ、カムリ、C-HR……とりあえず全部思い出してみた(19年11月15日更新)

トヨタのクルマは、頭文字が「C」のネーミングを持つものが多い。フラッグシップのセンチュリーを筆頭に、クラウン、カローラ...

あわせて読みたい

「C」だけじゃない! 「頭文字(イニシャル)S」なトヨタ車たち! スープラ、ソアラ、サクシード、スターレット……

トヨタの車名は「C」から始まるものが多いと言われている。センチュリー、クラウン、カムリ、カローラ……確かにトヨタの主力モ...

あわせて読みたい

たったこれだけ? 日本語由来のネーミングを持つ日本車たち〈トヨタ・カムリ、日産フーガ、トヨタ86……〉【四輪編】(2020年2月3日更新)

クルマの名前と言えば、アルファベット表記が当たり前。となると、どうしてもインドヨーロッパ系言語をルーツとする車名が多...

あわせて読みたい

意外と多い? 日本語由来のネーミングを持つオートバイたち〈ニンジャ、カタナ、ハヤブサ、メグロ……〉【二輪編】(2021年3月5日更新)

バイクの名前は数字やアルファベット表記が当たり前。となると、どうしても欧米系の言語をルーツとする車名が多くなる。英語...

あわせて読みたい

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ