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【Mercedes-Benz GLBクラス試乗】3列シートもある! メルセデス・ベンツの新SUVラインナップ、GLBクラスは日本にジャストフィットのちょうどいいサイズ感

  • 2020/03/27
  • GENROQ編集部
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Mercedes-Benz・GLB

GLAとGLCの隙間を埋めるCセグメントコンパクトSUVが新型GLBだ。都内でも取り回しの良いサイズながら3列シートも選べる待望のモデルである。日本でも都市圏を中心に大ヒットの予感がする久々の渾身作の誕生だ。

REPORT◉渡辺敏史(WATANABE Toshifumi) 
PHOTO◉Daimler AG

※本記事は『GENROQ』2020年2月号の記事を再編集・再構成したものです。

 MFA系プラットフォームを用いたメルセデスのラインナップにおいて、このGLBは8番目のモデルとなる。Aクラスがパーソナル&スペシャリティ系、Bクラスがファミリー&ユーティリティ系とキャラクターを異にしているのと同じく、先に登場したGLAクラスが都市に軸足をおいたクロスオーバー的な立ち位置なのに対して、GLBクラスは兄貴分であるGLSクラスとイメージを共にした骨太で頼もしい印象を抱かせる。ちなみにGLAクラスは間もなくフルモデルチェンジを迎え、2代目となる予定だ。

 ボディサイズから判断するに大きめなCセグメント系SUVといった趣だが、ポイントとなるのは2829㎜とライバルより100㎜以上長いホイールベースだ。これを利してGLBクラスは3列シートのオプションが用意されている。日本仕様がどういう内容になるかは未定だが、この個性的な選択肢は活かされることになるだろう。となると、車格やユーティリティ面ではCR-Vやエクストレイルがほど近いモデルということになる。

 GLBクラスはそれらより長いホイールベースと2列目シートのスライド機能を利して、3列目シートも足元スペースがきちんと採られていることも特徴のひとつだ。メルセデスとしてはパッシブセーフティなどが確認できているとして、この席のパッセンジャーは168㎝以下を推奨している。

 搭載されるエンジンはガソリン/ディーゼル共に4気筒で横置きとなり、駆動方式はFFと4WDを用意。そのシステムは最大50%の駆動力を後輪側へと配分するオンデマンド型となる。トランスミッションは8速DCTが標準だ。日本市場におけるラインナップは、2.0ℓ直4直噴ターボで最高出力224㎰のGLB250 4マティックと、同じく2.0ℓ直4直噴ターボで306㎰のAMGモデル、GLB35 4マティックが用意される可能性が高い。

7インチの高精細液晶ディスプレイを2枚組み合わせたMBUXインフォテインメントシステムを標準装備する。
オプション設定される3列目シートは日本での需要も高い装備だろう。

 内装は先に登場したBクラスの意匠や装備配置をアレンジしたようで、エクステリア同様に水平や垂直的なラインが骨格を構成する人馴染みにいいものだ。運転席に座れば立てられたAピラーや水平に近いベルトラインのおかげで前側方の見切りはすっきりしており、いい意味でGLBの道具感を垣間見ることができる。2列目シートはスライドも可能でその広大な空間は有効に活用することが出来るが、さすがに3列目シートのスペースはミニマムで、ここに招くべきパッセンジャーは168㎝以下という彼らの推奨に従うに越したことはないという印象だ。

 最初に乗ったGLB250 4マティックはオプションの20インチタイヤを装着していた。プラットフォームのキャパシティに対してはさすがにトゥマッチではないかと訝しがったものの、これがバネ下の大きなマスの動きを巧く吸収しながら上質な乗り心地をもたらしてくれる。ロードノイズ等の不快要素もしっかり抑えられており、総じての快適性はこのMFA2アーキテクチャーにおいてはベストではないかと思う。

 Cセグメント系としては相当に大きな車格に加えて4WDということもあり、パワー的にはさすがに224㎰のGLB250 4マティックでも有り余るということはない。フル乗車でもトントンを確保しているという感じだろうか。もちろんこれが35 4マティックになると中高速域での余裕は大きく異なってくる。

 GLBで感心させられたのは優れた悪路走破性だ。最大で50%の駆動力をリヤ側に配分するドライブトレインは、ドライブモードの設定でそのトラクション能力を最大限低μ路側に振り向ける。モーグルやキャンバーでの乗り越えでも軋みや捻じれなどをまったく感じさせない車体側の余裕も難所での安心材料に繋がっているのだろう。ファッションSUVとは一線を画する力強い走りは、そのデザインやユーティリティと同じく、GLBの個性となっている。

ラゲッジルームは通常時570ℓの容量を確保している。オプション設定される3列目シートは、身長168㎝以下の乗員を想定した設計となっている。
メルセデスAMG GLB 35 4マティックには306㎰/400Nmを発生する2.0ℓ直4ターボエンジンを搭載。

〈SPECIFICATIONS〉メルセデスAMG GLB 35 4マティック〈メルセデス・ベンツGLB 250 4マティック〉
■ボディサイズ:全長4634×全幅1834×全高1659㎜ 
ホイールベース:2829㎜ 
■車両重量:―〈1670〉㎏ 
■エンジン:直列4
気筒DOHCツインターボ 
総排気量:1991㏄ 
最高出力:225kW(306㎰)/5800~6100rpm〈156kW(224㎰)/5500~6100rpm〉 
最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000~4000rpm〈350Nm(35.7㎏m)/1800~4000rpm〉
■トランスミッション:8速DCT 
■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:ⒻマクファーソンストラットⓇマルチリンク ■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク〈Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡディスク〉 
■パフォーマンス:最高速度:250〈236〉㎞/h (リミッター作動) 
0→100㎞/h加速:5.2〈6.9〉秒 
■環境性能(EU複合モード) 
燃料消費率:7.6~7.5〈7.4~7.2〉ℓ/100㎞ 
CO2排出量:173~171〈169~165〉g/㎞

突き詰めたハンドリング【GLEクーペAMG】

 GLEクラスのスペシャリティモデルとして2016年に登場したGLEクーペが、さる9月に完全刷新を受け、2020年の日本導入が予定されている。性能面においてはベースとなる新型GLEクラスに対して敢えてホイールベースを60㎜縮小している。

 天地に低いキャビンも相まって車室空間も減少しているが、さすがに先代GLEクーペに対しては、積載力や居住性はしっかり向上をみている。その効果はハンドリングにきっちりと現れていて、GLEクーペはGLEクラスと同質の乗り心地を確保しながらも、応答の機敏さや高負荷での踏ん張り強さは明らかに一線を画している。日本導入が予定される400dはもちろん、53などのAMG銘柄でも、そのパワーを余さず楽しめるだろう。

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