全面改良で7代目に進化した「メルセデス・ベンツSクラス」が発売! 安全性や利便性を高める先進技術を惜しみなく導入
- 2021/01/28
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MotorFan編集部
メルセデス・ベンツ日本は、8年ぶりにフルモデルチェンジを受けて7代目となった新型「メルセデス・ベンツSクラス」の日本導入を発表し、1月28日に発売した。税込車両価格はディーゼル車「S 400 d 4MATIC/S 400 d 4MATICロング」が1293万円〜1678万円、ガソリン車「S 500 4MATIC/S 500 4MATICロング」が1375万円〜2040万円。
S 500 4MATICロングには全国540台限定の特別仕様車「ファーストエディション」を用意
Sクラスは1972年に初代が誕生。いつの時代も、その時点で持てるすべての技術を搭載し、世界の自動車の指標とされてきたメルセデス・ベンツのフラッグシップモデルである。2013年に発表された先代は、累計販売台数が世界で50万台を超え“最も選ばれているラグジュアリーセダン”のひとつとなった。
新型Sクラスは「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)を追求したデザイン」、「人間中心の最新技術」、「安全性の更なる追求」など、 「現代に求められるラグジュアリー」を再定義し、その充実を図った意欲的なモデルとして生み出された。
エクステリアデザインは「センシュアル・ピュリティ」というデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減。曲線を描く彫刻的な面により、特殊な陰影を生み出している。シンプルかつクリーンでありながら、存在感を放つそのエクステリアデザインは最新の「ラグジュアリー」を再定義し、今後のメルセデス・ベンツ車のデザインを牽引するものだ。
フロントマスクでは、Sクラスならではの3点が光るデイタイムドライビングライトを備えており、先代より上下方向に薄く、全体に少し小さく、エッジの効いたクールなヘッドライトを採用。メルセデス・ベンツ伝統の「スリーポインテッドスター」が輝くボンネットマスコットは踏襲されたものの、緩やかな多角形のラジエーターグリルとフロントバンパー下部にはクローム仕上げが施され、フロントエンド全体として、クールでありながらラグジュアリーな印象が与えられている。
サイドビューは、短いフロントオーバーハングと長いホイールベース、そしてバランスの取れたリヤオーバーハング、流れるようなCピラー、そして高いステータス性を表す長いダッシュトゥアクセル(フロントアクスルからAピラー下端までの長さ)など、メルセデスのラグジュアリーセダンとして均整の取れた基本プロポーションを実現。ラインやエッジを大幅に削減し、美しい面の張りや陰影でラグジュアリーを表現している一方、サイドウインドー下端に近いショルダー部にフロントからリヤまでを貫くキャラクターラインを一本通すことで、車高を低く、スマートに見せる効果をもたらしている。
ドアハンドルはメルセデス・ベンツ車で初めて格納型を採用。キーを持った人が近づくことによって、ボディ面から自動でせり出すこのドアハンドルは、通常時にはボディ面に格納されており、シンプルでクリーンな面を際立たせる。万が一の事故の場合などには自動でせり出すことで、従来どおり、強い力で外部から引っ張りドアを開けることができる安全性も継承されている。
リヤエンドには、三角形で横に長い特徴的なデザインの2分割型のリヤコンビネーションランプを採用し、よりワイドでシャープに見せるとともに、昼夜を問わずSクラスとすぐに分かる造形を採用。また、リヤコンビネーションランプの上部に左右に通ったクロームラインは、ボディをワイドに見せる効果がある。
インテリアデザインも最新の「ラグジュアリー」を再定義する、デジタルとアナログの美しい調和を図っている。センターコンソール上部に位置する12.8インチの「有機EL(OLED)メディアディスプレイ」は、センターコンソールのブラックパネルからシームレスに繋がる縦型のディスプレイ。このディスプレイに多くの機能を集約することで、スイッチ類を減らし、シンプルでクリーンな印象を高めている。また、S 500 4MATICおよびロングボディにオプション設定される「リヤシートコンフォート パッケージ」を選択するとで、後席左右に11.6インチの後席ディスプレイが装備され、個々の乗員の利便性を最大化できる。
ステアリングホイールはメルセデス・ベンツの最新世代版を採用。エアバッグを内蔵しながらコンパクトに仕上げられた中央部と、ブラックパネルとシルバーのエッジで縁取られた、ユリの花からインスピレーションを得た造形は、シンプルでありながらラグジュアリーさを演出し、Sクラスならではのウッドステアリング(標準ボディにオプション、ロングボディに標準装備)はさらにそれを強調する。
インストルメントクラスターは、速度計などの表示が立体的に見える12.3インチの「3Dコックピットディスプレイ」を採用。内蔵されるドライバー側を向いたふたつのカメラによってドライバーの左右それぞれの視線を追跡する技術により、特殊なメガネを使用せずにドライバーに3D映像を見せることが可能になった。ドライバーの視線が動いた場合、この視線追跡技術によりディスプレイに映る映像を瞬時に連続的に変化させることで、常に3D表示を維持することが可能。コックピットディスプレイおよび有機ELメディアディスプレイの表示デザインは、4つの表示スタイル(ジェントル/スポーティ/エクスクルーシブ/クラシック)と3つのモード(ナビゲーション/アシスト/サービス)の中から選択することでカスタマイズが可能となっている。
新型ではまた、世界で初めてAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを有機EL メディアディスプレイだけでなく、フロントウインドウに投影するシステムをオプションで選択可能となっている。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、新型Sクラスではそれに加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示。さらに、フロントウインドウのヘッドアップディスプレイ上には、進むべき道路が約10m先の景色に重ねて矢印で表示される。進行方向が変わるとそれに従って矢印も動き、常にどの方向に進むべきかを分かりやすく表示。これにより、目線を逸らさずより直感的にどの道路に 進むべきかを判断することができるようになる。
シートは生体認証によってシートポジションなどの設定ができるようになった。運転席はドライバーの顔、指紋、声の3種類いずれかの生態認証もしくはPINコードによる、計4種類の認証が可能。どれか1種類の認証によって、シート、ステアリングホイール、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末、ナビゲーションのお気に入り設定などを統合して 読み込むことができる。 また、助手席や後席左右も、声、もしくはPINコードによる認証が可能で、シートポジションなどの読み込みが可能だ。
後席左右のSRSリヤエアバッグを世界で初めて採用した点も、新型の特色のひとつ。このエアバッグはロングボディにオプション設定される安全装備で、前席のシートバックの裏側に格納されており、万が一の事故を検知し、後席の乗員を守るべく展開。シートベルトの拘束機能を補完し、乗員の頭や首を支えることで、負荷を大きく軽減する。エアバッグの外縁部はチューブ状となっており、ガスによって強く膨張する一方その内側となる中央部は周囲の空気を取り込んで柔らかく膨張。これにより、乗員の体格やチャイルドシートの有無など様々な状況に柔軟に対応して効果を発揮する。これを万が一の事故の際、膨張させることで表面積を増加し、乗員の傷害の可能性を減らす「SRSベルトバッグ」(S500 4MATICとロングボディにオプション設定)および座面の前部を跳ね上げることで前面衝突時の乗員の潜り込みを防止する「クッションエアバッグ」(ロングボディにオプション設定)と組み合わせることで、より一層後席の安全性を高めている。
室内を彩る 「アンビエントライト」も大幅に改良され、先代と比べてLED光源の数は40個から標準ボディで247個、ロングボディで263個となり、1平方メートル当たり最大200カンデラと、先代の10倍の明るさとなった。周囲の明るさに応じて日中モードと夜間モードが自動で切り替わるとともに、手動でも20段階で調整することができる。アンビエントライトのカラーは64色から選択可能で、流れるような光の効果や、光の帯内部での緩やかな変化を生み出すほか、単色の発光に加えて色の連続変化が可能。乗車時には乗員を迎え入れる演出も設定されている。また、エアコンの温度設定に連動して青や赤に点灯したり、音声入力を行なっているシートをハイライトしたり、停車時にドアを開けようとした際に危険がある場合、警告として赤く点灯するなど、機能性も向上している。
パワーユニットは3.0ℓ直列6気筒ターボのディーゼル仕様とガソリン仕様の2機種が設定され、いずれも標準ボディとロングボディの両方で選べる。ディーゼルの「S 400 d 4MATIC」には330ps/700Nmを発揮する「OM656」ディーゼルエンジンを、そしてガソリンの「S 500 4MATIC」には435ps/520Nmを発する「M256」ガソリンエンジンを搭載。トランスミッションはいずれも9速AT「9Gトロニック」だ。さらに「S 500 4MATIC」は、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)や48Vシステムを組み合わせるマイルドハイブリッド仕様となっており、力強い加速性能と高い効率性を両立させている。
新型Sクラスでは全モデルに四輪駆動システム「4MATIC」を搭載。従来、大柄なボディの持ち主であるSクラスでの四輪駆動システムの採用は、後輪駆動仕様と比較して小まわりが利きづらくなるというデメリットを伴っていた。新型Sクラスでは後輪操舵システム「リヤ・アクスルステアリング」を採用することで、そのデメリットを解消している。車速約60km/h以下では、リヤホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、取り回しやすくなる。
一方、車速が約60km/hを超えると、リヤホイールをフロントホイールと同じ方向に最大3度操舵することで、走行安定性を大きく高める。このリヤ・アクスルステアリングの採用により、大型なSクラスであっても従来のメルセデスの美徳である小まわり性能を犠牲にすることなく、中高速域での安定性や四輪駆動によるメリットを享受することが可能となった。
2018年から順次各モデルに採用し、熟成が進められてきた対話型インフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」も、さらに進化を遂げている。MBUXの音声認識機能は「ハイ、メルセデス」と呼びかけて起動し、目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応しており、タッチスクリーンやステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能だ。
新型Sクラスでは、初めて前後席それぞれ左右計4席のどの席から発話されているかを聞き分け、アンビエントライトでその席をハイライト。発話者のゾーンのみ温度設定を変更したり、エンターテインメントシステムを操作するなど、それぞれの席に紐づいた コマンドを実行することができる。さらに「MBUXインテリア・アシスタント」(標準ボディにオプション、ロングボディに標準装備)も採用され、手のジェスチャーで様々な操作が可能になった。例えばVサインによって、お気に入りの機能のショートカットが有機ELメディアディスプレイに表示できたり、リーディングライトやサーチライトのオン・オフ、パノラミックスライディングルーフとサンシェードの開閉、ドライバーがバックギヤにシフトして後ろを振り返るとリヤウインドーの電動ブラインドが自動で開くなど、利便性がさらに向上している。
安全運転支援機能では、メルセデス・ベンツの現行ラインアップモデルの多くに採用している先進機能に加えて、いくつかの新しい機能が加わった。
「アクティブステアリングアシスト」は、必要な車線認識を従来のステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも使用することで、対応が可能なカーブが増えたり、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することができる。
ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってから、かなりの時間が経過していると判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる「アクティブエマージェンシーストップアシスト」は、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックとアクティブステアリングアシストが使用されていない場合でも、作動する。
警告や緊急自動ブレーキ機能を含む「アクティブブレーキアシスト」は、交差点や曲がり角での右左折の際に、対向、飛び出し、巻き込みなどにより、車両、自転車および歩行者と衝突する危険がある場合、警告や自動ブレーキが作動する¥。
車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシストする「緊急回避補助システム」は、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知する。
走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に、警告および進路を修正する「アクティブレーンキーピングアシスト」は、芝などの路肩に対しても反応する。そしてこれは3段階で感度が調整できるようになった。さらに作動時にアクティブアンビエントライトやヘッドアップディスプレイによって、強調警告がされる。
車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に危険回避をサポートする「アクティブブラインドスポットアシスト」は、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能を採用。さらに、乗員がドアハンドルに手をかけようとする動作を検知し、アクティブアンビエントライトによって、強調警告される。
「PRE-SAFEインパルスサイド」はフロントバンパー外側のレーダーセンサーが、側面衝突が不可避であることを検知すると、衝突側前席バックレストのサイドサポートに内蔵されたエアチャンバーが瞬時に膨張。乗員をドアから遠ざけることで衝撃の軽減を図る。
これらほか、従来と同様の機能であっても、対応速度域が広くなるなどの改良が加えられている。
新型Sクラスの発表を記念した540台限定の特別仕様車「S 500 4MATICロング・ファーストエディション」は、S 500 4MATICロングをベースに、さらにエクスクルーシブさを追求。ボディカラーはダイヤモンドホワイトとオブシディアンブラックの2色が設定され、AMGライン仕様ではさらにインテリアカラーもブラックと シエナブラウン/ブラックの2種類から選択可能だ。
エクステリアでは標準仕様では19インチマルチツインスポークアルミホイール、AMGライン仕様では21インチAMGマルチスポークアルミホイールと1インチずつ大型化した専用のアルミホイールを装備。インテリアはダッシュボードや前席のセンターコンソール、ドアトリムなどにもナッパレザーを用い、ルーフライナーはDINAMICA仕様とし、さらに前席背面や後席中央のアームレストの一部にもウッドトリムを装備するなど質感を向上させている。また、インテリアトリムには「ハイグロス・スレートポプラウッドトリム」を採用し、クールな印象を際立たせている。さらに、後席左右に装備される11.6インチのリヤエンターテインメントシステム、助手席側後席のフットレスト付エグゼクティブシートやSRSリヤエアバッグに代表されるリアコンフォートパッケージを標準装備とし、後席の快適性を大きく向上させている。
●新型「メルセデス・ベンツSクラス」モデルラインナップ
・S 400 d 4MATIC:1293万円
・S 500 4MATIC:1375万円
・S 400 d 4MATICロング:1678万円
・S 500 4MATICロング:1724万円
・S 500 4MATICロング・ファーストエディション(特別仕様車):1938万円
・S 500 4MATICロング・ファーストエディションAMGライン(特別仕様車):2040万円
※価格は消費税込み
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