ランボルギーニの伝説的ヒストリックモデル「カウンタックLP500」が誕生から50年という節目を迎える
- 2021/03/15
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MotorFan編集部
アウトモビリ・ランボルギーニはこのほど、この3月に同社の伝説的ヒストリックモデルである「カウンタックLP500」が、生誕50周年という節目を迎えたことを報じ、発表当時を改めて振り返った。
カウンタックはランボルギーニが最も困難な時代を生き抜き、伝説として殿堂入りを果たすことを可能にしたモデルとなった
50年前の3月11日、ジュネーブ・モーターショーで、イベントの主役だと誰もが認めざるを得ないイエローの「カウンタックLP500」が初披露された。午前10時、カロッツェリア・ベルトーネの展示ブースで初公開されたプロトタイプは大反響を起こし、顧客の要望に応えるため作業が急ピッチで進められ、限定生産ながら市販車として販売された。
カロッツェリア・ベルトーネの展示ブースでカウンタックLP500を発表することにしたのは、ランボルギーニのブースでは5年の製造期間を経て完成した最新モデル、ミウラSVが展示されていたから。この2台のモデルの新作発表により、ランボルギーニはその優れた生産力のみならず、高いイノベーション力も改めて強く示すことになった。ジュネーブ・モーターショーの後、カウンタックLP500は国際的な自動車専門誌で次々と特集された。
カウンタック・プロジェクトは「LP112」というコード名で呼ばれた。「LP」は12気筒エンジンのミッドシップ縦置き(イタリア語でLongitudinale Posteriore)を示している。これは、スタイルとテクノロジーの最前線を駆ける企業としてのランボルギーニのイメージをミウラ後も継続したいという創業者フェルッチオ・ランボルギーニの想いからスタートしたものだ。
この革新的偉業を率いていたのは、エンジニアのパオロ・スタンツァーニ。1963年にランボルギーニに入社した彼は、68年にゼネラルマネージャー&テクニカルディレクターに就任し、カウンタックのメカ部分を担当する責任者だった。
一方、50を経ても色褪せることのないカウンタックに研ぎ澄まされた近未来的な美しいデザインは、カロツェリア・ベルトーネのデザインディレクター、マルチェロ・ガンディー二が担当。12気筒ランボルギーニの象徴とも言える「シザードア」の採用を決めたのもガンディーニだ。
カウンタックLP500は、1974年に量産が始まるカウンタックとは大きく異なっていた。チューブラーフレームではなくプラットフォーム型のフレームが採用され、エンジンは4971ccの12気筒、エアインテークはサメのエラのようなデザインで、内部には洗練された電子機器が装備されていた。
車名はピエモンテ地方の方言に由来しており、組み立ての最終段階で、労働争議の影響による作業中断を避けるために、クルマをトリノ県グルリアスコ近くの農機具用の倉庫に移したところ、偶然それを見つけた農夫が興奮と驚きのあまり「Countach!」(ピエモンテの方言で驚嘆を表す感嘆詞)と叫んだという。その話を耳にしたピエモンテ出身のガンディー二が、この言葉には特に強い伝達力があると感じ、ベルトーネとフェルッチオ、そして同僚のスタンツァーニを説得し名付けた。
ジュネーブ・モーターショーでの成功後、カウンタックLP500にはより信頼性の高い4ℓエンジンが搭載され、当時ランボルギーニのチーフ・テストドライバーを務めていたボブ・ウォレスがあらゆるロードテストを実施。1974年に初めに市販車の認証に必要なクラッシュテストに使用され、その後解体されたことでこの特別なクルマの歴史は幕を閉じた。
カウンタックは1974年から1990年まで、5シリーズ計1999台が生産された。世代を超えて人々のベッドルームの壁に飾られ、また数多くの映画にも登場し、ランボルギーニが最も困難な時代を生き抜き、伝説として殿堂入りを果たすことを可能にしたモデルとなった。
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