エンジン ウォータージャケットスペーサー Water Jacket Spacer
- 2019/12/26
レシプロエンジンのシリンダーブロックおよびシリンダーヘッドには冷却水の水路(ウォータージャケット)がある。エンジン始動後、冷却水は常にポンプによって循環し、シリンダーヘッド側のウォータージャケットは燃焼室の周囲から、シリンダーブロック側のウォータージャケットはシリンダー周辺から、それぞれ余分な熱を奪った冷却水がラジエターへと送られ、ラジエターで冷やされてふたたび循環する。この仕組みは昔から変わらないが、エンジンがオーバーヒートしないよう適度に冷却するということは、半面では冷却損失であり、燃料を有効に使うという点においてはマイナスである。
近年のエンジンは機会損失や冷却損失をできるだけ減らすため「冷やし過ぎ」への配慮が不可欠になっている。たとえばシリンダー壁面の外側にあるウオータージャケットは、吸気側と排気側とで流路抵抗を変えたり水路の深さを変えたりする設計が増えた。シリンダーブロックの設計上では、シリンダーヘッドとのボルト締結を均一にするためなるべくシリンダー周囲の水路は均等に配置する必要があるため、スペーサーを使って水路を最適化する。スペーサーの細部を詰めることで熱効率の改善に成功した例はいくつも見られる。