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直列3/4気筒 1.0~1.2l[ K series ]
【多彩なバリエーションのモジュラーユニット】
K12B型は先代スイフトが2007年にマイナーチェンジした際に投入された、Kシリー ズの派生ユニットだ。そのアップデート版が、気筒あたり2 本のインジェクターを備 える「デュアルジェットエンジン」。燃費向上のために開発陣は、K12B ベース版の圧 縮 比 1 1 . 0 を 1 2 . 0 に 高 め る べ く 狙 い を 定 め た 。高 圧 縮 比 を 実 現 す る た め に 真 っ 先 に 取 り組んだのは、吸気ポートの小径化による流速アップと通気抵抗を低減するための 形状の工夫。あわせて、燃焼室の形状を最適化してタンブルにより混合気の流動を
促した。ノッキングやプレイグニッションを避ける手段がのひとつが、デュアルイン ジ ェ ク タ ー だ 。こ れ に よ り 、燃 料 の 微 粒 化 が 促 進 さ れ 、燃 焼 効 率 が 高 ま る 。さ ら に EGR クーラーを追加。燃焼室形状の工夫、デュアルインジェクター、クールド EGR の採用が燃費向上の三大技術である。また、2015 年には燃料噴射方式をDIとした 直列三気筒「Booster Jet」を新規投入。グローバルBセグメントハッチバックの「バ レーノ」に搭載し、日本市場でも販売している。
上 : エキゾーストマニフォールドの裏に EGR クーラーを配置。排ガスの一部を冷却 して燃焼室に再循環させることで燃焼室内 の温度を下げ、ノッキングを抑制するのが目 的。熱的に厳しい場所にあるが、エンジンの 冷却水で冷却することにより、100°C弱まで 冷えるポテンシャルはある。
右 : 各吸気ポートに対して1本のインジェク ターを配置するレイアウトは、日産が 2010 年に投入した仕様と同じ。デュアルインジェ クターの場合はシングルよりも燃焼室に近 い場所に配置できるので、燃料の筒内直入 率が高まる(壁面への付着が少ないし、燃焼 室に近いので冷却効果も高まる)。インジェ クターの形状は異なるが、38MPa の噴射圧 はシングル版と同じ。
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