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NTN:風力発電用状態監視システムの国内導入進む

  • 2019/01/25
  • Motor Fan illustrated編集部
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NTNは、大型風力発電装置の異常兆候を早期検出する状態監視 システム (Condition Monitoring System=CMS)「Wind Doctor」の普及拡大を加速している。

 2012年に発売を開始した同システムは、IoTを活用した稼働状況の情報提供サービスのひとつとして多くの実績を積んでおり、2018年11月現在で、国内設置数は200台に迫っている。

 風力発電装置は、約80mのタワーとその上に設置されたナセル、回転ブレード、ブレード根元の連結ハブで構成されている。ナセル内には、主軸、増速機、発電機および制御ユニットなどの駆動装置がある。「WindDoctor」は、この駆動系の軸受と歯車周辺のハウジングに取り付けたセンサからデータを収集、蓄積、解析して異常兆候を把握し、不具合部位を特定する。この情報を基に、早期交換などメンテナンスをタイムリーに実施できることで、大きな故障を未然防止でき、設備の安定稼動につながる。

「WindDoctor」による異常検出の一例として、2016年秋に北海道の風車で、増速機の異常を検出した。風力発電業者がファイバースコープによる点検で、実際に損傷を確認したことから、発電出力を抑制しながら運転を継続した。その間に補修部品や重機の手配調整、作業環境整備などを進め、増速機の交換作業は、風力が弱まる夏場に短期間で行われ、発電機会の逸失を最小限に留めることに貢献した。

 NTNの「WindDoctor」では、収集したデータをクラウドサーバで管理している。NTNが無償提供する遠隔監視分析ソフトウェア:モニタリングクライアントを利用し、NTNだけでなく発電事業者側でも情報共有が可能。例えば1年前との推移比較、監視部位ごとのレベル把握、あるいはデジタルフィルタ処理など、豊富な解析機能を搭載し好評を得ている。

 NTNは2014年1月から2018年2月まで、東京大学、産業技術総合研究所などとNEDOスマートメンテナンス技術研究開発に参画し、風力発電の故障予知技術の高度化に取り組んだ。この成果により、設備の停止時間を大幅に短縮し、風力発電の設備利用率*1を21%から23%に向上できることを確認している*2。

 なお、NTNは創業100周年を記念して、現在「WindDoctor」の「1+1導入キャンペーン」を実施しており、1台購入するともう1台を無償提供している。期限の2019年3月までに予約すれば、導入計画が2019年3月以降の場合でもキャンペーンを適用可能。

*1) 設備利用率=年間実績の発電電力量÷(設備の最大出力×年間の時間数)×100
*2) NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100939.html

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