三菱重工エンジニアリング:マカオに9.3kmのLRT路線を新設し車両110両を納入
- 2019/12/11
- Motor Fan illustrated編集部
三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG)は、中国マカオ特別行政区(Macau Special Administrative Region)政府から受注していたマカオLRT(Light Rapid Transit*)向け全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit:AGT)建設工事を完成させ、9月に客先であるマカオ政府に引き渡した。12月10日に営業運転が開始され、同日開業セレモニーが開催された。これにより、三菱重工グループが手掛けたシステムは、海外14路線で営業運転することとなる。
* LRTは元来Light Rail Transit(次世代型路面電車)の略称として広く使われるが、マカオLRTはその高速性能にちなんでLight Rapid Transitの略称として敢えて用いられている。
このAGT建設工事は、伊藤忠商事株式会社の協力を得て、マカオ特別行政区政府・運輸基建弁公室(GIT)から受注したもの。MHIENGは、AGTシステム、具体的にはAGT車両(110両)、信号・列車制御設備、供電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドア、および料金機械を手掛けた。また、MHIENGは、開業後5年間にわたる車両のオーバーホールメンテナンス契約も受注しており、マカオLRTの安定運行をサポートしていく。
マカオは年間の観光客が3,500万人を超える世界屈指のリゾート都市であり、本マカオLRTは、観光客のアクセスポイントとなる空港・フェリーターミナルやリゾートホテル群および住宅地を結ぶ新路線として計画された。今般、新興リゾートホテルが立ち並びアジアのラスベガスとなっているタイパ島側の全10駅、9.3km区間が開業した。
AGTシステムは電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特徴。三菱重工グループのAGTシステムは、米国ではマイアミ、ワシントン・ダレス、アトランタ、オーランド、タンパの各空港で運行しており、質の高いO&M(運用・保守)サービスにより高い稼働率を誇っている。そのほか、シンガポール、韓国、ドバイなど世界各地ならびに日本国内で豊富な実績があり、国内外の新交通システム市場でトップを争う地位にある。
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