連載コラム「酷道を奔り、険道を往く」Vol.6 東京都にもこんな酷道険道が!【陣馬街道から多摩源流の里へ(酷道険道:東京都/神奈川県/山梨県)】ルノー・キャプチャー
- 2018/03/03
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小泉 建治

東京都八王子市から山梨県上野原市へ抜ける狭隘な峠道、
陣馬街道をご存知だろうか?
都県境に跨がるにもかかわらず、
交通量は極めて少なく、知る人も少ない。
都心から至近にある酷道険道から多摩源流の里へ、
ルノー・キャプチャーとともに駆け抜ける。
TEXT:小泉建治(KOIZUMI Kenji) PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

昭和の残像……ここは本当に東京都なのか?

だがしかし、ここで都道521号線「陣馬街道」を挙げる変態、もとい物好きは果たしてどれだけいるのだろうか。
陣馬街道とは、甲州裏街道とも呼ばれ、東京都八王子市から都県境の和田峠を越えて神奈川県相模原市に抜ける道である。神奈川県と言っても、そこは東京都と山梨県の間にめり込んだような細長いエリアであり、そのまま進めばすぐに山梨県上野原市に着く。
今回の舞台は、つまりはそういうことで陣馬街道である。当地である東京都民や山梨県民を含めて一般的にはほとんどその存在すら知られていないマイナーな峠道だ。だがマイナーであればこそ酷道険道っぷりが増すのは言うまでもない。

圏央道をくぐり、さらに西へ進む。草木の緑色が視界の中に占める割合が徐々に増えてくる。そして左手に陣馬亭という昭和ムード満点の古びた看板が見えると、そこから急に道幅が狭くなり、酷道険道に様変わりする。
上の写真は、この陣馬亭を過ぎてすぐの場所だが、幅は完全に一車線分しかなく、すれ違いは不可能だ。それでも平気でトラックがやってきたりするから、どちらかがバックするしかない。

メーカーから拝借した貴重なデモカーであれ、大切な自分の愛車であれ、半端に狭い場所で無理にすれ違いたくない。それに「どちらがバックするべきか」みたいな無言のやり取り(駆け引き?)をしている時間がもったいないと思う性分でもある。サッとバックしてサッとすれ違えれば時間が無駄にならず、相手から感謝されるというオマケもつく。
いずれにせよしばらくはこんな調子で狭隘な道が続くから、あまりバカでかいクルマでは行かないほうがいいかもしれない。先ほどすれ違ったような4tくらいまでのトラックなら通れないこともないが、よほどこの道に慣れた人でなければ面白さよりも苦痛のほうが勝るはずだ。個人的な感覚では、楽しめるのはBセグメントくらいまで。まさにこの今回の相棒であるルノー・キャプチャーが上限だろう。
ともあれ、東京都にこんなにも緊張感に溢れる酷道険道があるというだけで、筆者はうれしくてしかたがないのである。
意外と柔軟な道路行政?

峠そのものは眺望もなく、陣馬山まで歩いて登ればなかなかの絶景が楽しめるそうだが、あくまで酷道険道を走るのが我々の使命なので先を急ぐ。
神奈川県に入ると道幅が若干広くなり、相変わらずセンターラインはないものの、すれ違いはそれほど困難ではなくなる。とはいえ依然としてブラインドコーナーが続くので油断やカッ飛ばしは禁物だ。

もちろんわざわざ変えてわかりにくくする必要もないわけだが、「都道だと521号線だったのに神奈川県道になった途端に300号線に......なぜなら神奈川県には別の場所に521号線があるから」なんてことが日本の道路行政ではありそうな気もするわけで、この都道府県を越えた連携はなかなか柔軟で合理的ではないか。
一方で、中山道は国道17号線なのに並行して走る新大宮バイパスも国道17号線、みたいなのはどうにかしてほしいものだ。
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