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自動運転、パワートレイン、シャシー制御、空力/燃費  〜リーフ開発の真実に迫る〜 日産リーフは、この技術が凄い! 開発担当者が、4つの開発秘話&うんちくを大公開!! 【NISSAN LEAF 開発秘話 説明会】

  • 2018/03/12
  • MotorFan編集部 西内 辰夫
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その3 「アクセルで止まる? 回生ブレーキと摩擦ブレーキのバトンリレー」

シャシー制御の開発担当者は、「アクセルで止まる? 回生ブレーキと摩擦ブレーキのバトンリレー」について解説した。

開発のポイントは「EVを楽しく運転する」というものである。具体的には、走っていて気持ちの良い加速と減速をドライバーの支配下に置くこと。そして、街中を走っていてもアクセルペダルだけで思い通りの走りができるものを目指した。それを実現したのが、『e-Pedal』である。

e-Pedalはアクセル操作に対してクルマがリニアに反応することで、まさに「意のままの走り」を実現した。ノートe-Powerとの違いは、通常の摩擦ブレーキと回生ブレーキを組み合わせたところにある。

数値的には、ノートe-Power の0.15Gに対して、0.2Gという強い回生ブレーキを持つが、では摩擦ブレーキは、どのようなところで活用されているのか?

まずひとつは、止まる直前に摩擦ブレーキが介入して、回生ブレーキから自然にバトンが渡される。ドライバーはブレーキを踏むことなく停止状態を維持でき、再びアクセルを踏んで発進できる。

もうひとつは、滑りやすい路面で真価を発揮する。回生ブレーキだけでは前輪のみの減速となるが、車両の挙動を監視し、摩擦ブレーキとの組み合わせることによって、四輪で安定した制動が実現できたのだ。

こうした「回生と摩擦」の自然なやり取りこそが、新型リーフに搭載されたe-Pedalの“技術うんちく”なのである。

ちなみに、ブレーキランプが点灯するタイミングは法規で定められており、100%回生ブレーキの場合は0.02Gで点灯するが、リーフは摩擦ブレーキとの組み合わせなので0.07Gに設定されている。

「四輪で制動力を発揮することで、安定したブレーキ特性を実現します」

「もっとEVを楽しく運転するには、どういうクルマを作れば良いか? ということを考えていました。操作に対してリニアに動くことで、それが意のままの操作になり、ずっと運転したいという気持ちにつながります。これが結果としてe-Pedalが生まれるきっかけとなったのです。初代リーフは力強いモーターで加速に関しては申し分ありませんでしたが、ちょっと頑張って走ったときには、加速から減速への流れがスムーズではありませんでした。アクセルを戻してブレーキを踏み替えるときに空走感が出てしまう。それをアクセルだけでコントロールしよう、というのがe-Pedalです。例えばワインディングでコントロール性が上がり、コーナーの手前で一瞬アクセルを戻してフロントに荷重移動してコーナーを抜けて加速していくという加速と減速が一連の動きになります。データを見るとプロの走り以上の走りができます。雪上や氷上のような滑りやすい路面であっても、e-Pedalは真価を発揮します。e-Pedalは回生ブレーキと摩擦ブレーキを最適に配分し、後輪を含めた四輪で制動力を発揮することで安定したブレーキ特性を実現します。これはモーターによる回生ブレーキだけでは実現できないことなのです」
(日産自動車株式会社 電子技術・システム技術開発本部 シャシー開発部 シャシー制御システム開発グループ 新藤郁真氏)

記者が感じた“技術うんちく”度=★★★

日産社内のテストデータでは、e-Pedalをオフにした状態と、e-Pedalをオンにした状態で比較したところ、ブレーキ操作回数は90%減少したという。このデータは8人社員が通勤時に行ったもので、ドライバーの負担軽減にも貢献しているのは間違いない。それは、実際にリーフを試乗してe-Pedalを経験してみると納得できるものだ。

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