満を持して発売されたホンダ N-VANなどバン&トラッククラス6車種をご紹介 ホンダ N-VANが本命!? ワークユースだけにとどまらない奥深さを持つ軽自動車6車種の比較
- 2018/10/28
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MotorFan編集部
働く人想いの利便性と安全性にこだわった新型……スズキ・キャリイ
快適性能を大幅に向上した新型スーパーキャリイ誕生
キャリイは軽トラックの代表車種だ。日産/マツダ/三菱にもOEM車として供給され、スズキを含めると、乗用車を手掛ける国内8メーカーの内で4メーカーが扱う。軽商用車は薄利多売の商品だから、大量に生産しないと採算が取れず、ホンダもN―BOXをベースにN―VANを開発した。
現行キャリイの荷台は、ライバル車のハイゼットトラックと同程度の広さだが、乗降性は異なる。キャリイは前輪の収まるホイールハウスと、ドア開口部の前端に十分な間隔があり、乗員の足が通りやすい。
バリエーションで注目されるのは、2018年5月に追加されたスーパーキャリイだ。標準ボディのキャリイに比べると、室内空間の上側を後方へ460㎜拡大して、運転席には最大で40度のリクライニング機能が与えられ、前後に180㎜のスライドも行なえる。標準ボディでも運転席が140㎜スライドするが、リクライニングはできずヘッドレストは固定されるから、スーパーキャリイは快適性が高いといえる。運転席の調節機能は、軽商用バンのエブリイと同程度。助手席の背もたれを水平になるまで前側に倒すと、背面をテーブルとして使うことも可能だ。
車内後部の下側は手前に張り出しており、荷室の床面が伸ばされている。背の高い荷物を積む時の荷台長は1480㎜だが、高さが230㎜以下の薄い脚立などであれば、1975㎜の長さまで収められる。
仕事に趣味に効率的に使える万能車……スズキ・エブリイワゴン
利便性の高い広々空間
前後席のスライド機能は秀逸
目いっぱいスペースを使い切るなら、商用バンの右に出るものはない。その装備を乗用車テイストに仕立て直したのが、スズキ・エブリイワゴン。決して安くはないし、燃費も経済的とはいえないし、強い横風に対する安定性などマイナス面も指摘される。地味な戦いを強いられているが、徹底的に使い倒す本格派ファンからは熱く支持され、現行のワゴンは三代目に当たる。
ベースとなる貨物仕様のエブリイから数えると六代目だし、その祖先の初代キャリイバン(1962年発売)まで遡ると通算50年を超える長寿命車になる。
現行モデルは2017年に登場したもの。血筋が商用車だけに、前席の下にエンジンを縦置きしたキャブオーバー配置で、後輪を駆動するのが基本(4WDもある)。3気筒658㏄エンジンは、大きい車重、大荷物、空気抵抗などを考えてターボの64㎰仕様のみ。変速機はATのみだが、このモデルから4速化され、使い勝手が向上した(それまでは3速)。注目すべきは軽自動車界で最大の室内空間(室内長2240㎜、室内幅1355㎜、室内高は標準ルーフで1315㎜、ハイルーフなら1420㎜)。しかも、前席だけでなく後席も180㎜スライドできる。家族揃って乗るにも余裕だし、1~2名なら車中泊だって可能。完備した積載アクセサリーを利用しての渓流釣りなどにも威力を発揮する万能車だ。真剣に検討の価値はある。
意匠変更と安全性強化でさらに頼れる存在に……ダイハツ・アトレーワゴン
荷室が広く積載能力は抜群
改良で室内の静粛性が向上
アトレーワゴンはハイゼットカーゴの乗用車モデル。商用車がベースなだけあり、室内が広く大人4名が乗った状態でもガッツリ荷物を積める点が魅力。前席の居住性は良くないが、後席には足元や頭上空間に余裕がある。現行型登場から13年が経過したロングセラーモデルだが、2017年11月にマイナーチェンジを行ない、内外装をリフレッシュ。外観はシャープなデザインのフロントマスクが採用され、インパネもデザインが一新されて質感を高めている。安全装備は歩行者にも対応する自動ブレーキなどを搭載したスマートアシストⅢを標準装備。ただし、スマートキーや右側の電動スライドドアの採用が見送られたので、この点はライバルのエブリイワゴンと比べると見劣りしてしまう。
前席下にエンジンがあるため運転席に乗り込む際に、小柄な人だと少し座面が高く感じるが、乗り込んでしまえば前方がよく見える。座面のクッションが薄いこともあり、走行中は振動が伝わり、エンジンの透過音も聞こえてくるが、マイナーチェンジによって、だいぶ改善されている。エンジンはターボだけなので力不足を感じさせることはないが、4速ATになるため燃費は良くない。フットワークも重心が高く、商用車に近い少し硬めの乗り心地になるが、乗員や積み荷が増えてくると落ち着きが増してくる。平日は仕事で使い、週末はレジャーカーとして使いたい人には魅力的なクルマだ。
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