ボルボXC40と同じプラットフォームのリンクアンドコー 03に富士スピードウェイで試乗 想像以上の完成度! 中国資本、スウェーデン仕立ての「Lynk & Co」3番目のモデル「03」に試乗!!
- 2018/10/24
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塚田 勝弘
手持ちのスマホやタブレット、パソコンなどが「どこで生産されているか」を気にする人は少ないだろう。それよりも、ブランドをはじめ、スペックやデザイン、価格を重視してチョイスしているはず。しかし、クルマの場合はどうだろうか? どこで生産されているかは、スマホよりも気になる人も多そうだ。
TEXT◎塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
Lynk & Co 03を富士スピードウェイでテストドライブ!!
「Lynk & Co(リンク・アンド・コー)」3番目のモデルとなる「03」が富士スピードウェイでローンチイベントを開催した。
「自動車業界のNetflix、Spotifyのような存在になりたい」Lynk & Coとはどんな自動車メーカーなのか?
2017年11月に中国で初めて発売された第1のモデル「01」は、ボルボXC40と同じ「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)」を使い仕立てられたSUVで、エンジニアリング的には「Lynk & Co版XC40」といえるモデルになっている。
第2のモデル「02」は、「CMA」を使ったコンパクトクロスオーバーで、2020年には欧州市場にも導入されるという。なお、「02」は中国では2018年6月の導入以降、販売台数は増えていて、9月の販売台数は約5500台だという。
そして今回、富士スピードウェイの本コースで1周だけ試乗が許されたセダンの「03」もボルボの「CMA」を採用。中国市場で人気のセダンとすることで、さらなる拡販が狙える売れ筋モデルの登場といえるのだろう。
エンジンはボルボ自社製となる「Drive-E」の1.5ℓ直列3気筒ガソリンターボで、組み合わせるトランスミッションは7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)。最高出力は180ps、最大トルクは265Nmとアナウンスされている。なお、今回試乗したガソリンターボに加えて、近い将来プラグインハイブリッドも追加するとしている。
なお、ボルボも「Drive-E」の直列3気筒エンジン搭載をすでにアナウンス済みなので、同じエンジンが今後XC40に積まれることになるはずだ。
なお、ボルボは当初「Drive-E」戦略として、「排気量2.0ℓ以下、4気筒以下」としてきたが、2.0ℓの直列4気筒エンジンにターボ、ターボ+スーパーチャージャー、あるいはターボ+スーパーチャージャーにモーターも組み合わせXC90といった巨体に対応してきた。ここで1.5ℓの3気筒を搭載するということは、3気筒の二次振動など、音・振動面の課題を克服できたと考えていいのだろう。
青と黒のボディカラーをまとった2台用意の試乗車のタイヤは、両モデルともにグッドイヤーのイーグルF1(225/45R18)。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンクで、前後のトレッドは1597mmと公表している。
デザイン担当のシニア・バイスプレジデントのアンドレアス・ニルソン氏は、グループインタビューで私の質問に対し、「見えない部分はボルボとほぼ同じエンジニアリングであり」、「見える部分、内装やボディカラーなどはLynk & Co向け」と語っていた。つまり、中身はボルボ、見た目はLynk & Coオリジナルと理解すればいいのだろう。
また、同氏は、Lynk & Coモデルには、東(中国)西(スウェーデン)の要素を融合させたと語っている。個人的には、内・外装ともに見たことのない個性が表現されていて、国籍(ブランド)不明のモデルというムードが漂っている。
爬虫類系と評されているフロントマスクはセダンでも、SUVのようなボリューム感があり、サイドもフロントからの流れでボリューム満点だ。リヤはワイド感を抱かせる印象的なテールランプを中心に、力強さとスポーティムードが強調されている。
エクステリアの質感はまずまずという印象で、気になったのはリヤバンパー下の造形と質感。黒い樹脂パーツと、ディフューザー風のデザインが少し日本人には安っぽく見えるかもしれない。
一方の内装は、ボルボの縦型タッチスクリーンを横向きにしたようなタッチ式ディスプレイを中心に配されていて、ドライバーに操作系を少し傾けたコクピット風の設計になっている。ドライバーの印象を左右するメーターペネルの質感、視認性もとくに問題はない。
助手席前のハニカム状の加飾などは、ボルボでは採用しそうにないテイストで、この辺りからは何となく中国風味が伝わってくる。内・外装ともにボルボが得意とするスカンジナビアン・デザインではないのは確かだ。
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