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LCから始まった新しいレクサス像が追求された新世代FFセダン レクサスESをメルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズ、ジャガーXFと徹底比較!【ライバル比較インプレッション】

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ドイツ車にも引けを取らないジャガーらしいシャシー性能

 ジャガーXFはD180プレステージ 4WD。比較的ベーシックに近いグレードだ。エンジンは523dと同じく2.0ディーゼルだが、パワーは10㎰低いもののトルクは30Nm大きい。その違いは走りにはっきりと表れていた。XFは中間加速が力強く、前へ前へとクルマに急かされているような気分になる。より肉食系なフィーリングなのだ。ただし、超低回転域での反応は523dの方が上。XFは2000rpm以下だと少しトルクが薄く感じられ、2500rpmあたりでグワーッと盛大にトルクが盛り上がってくる。ただそれも4000rpm近くで頭打ち感が出てきて回転が重たく感じられるようになる。523dの方が全体的に素直で扱いやすく、XFはドライバビリティで少し落ちるものの、ドライバーを楽しませようという意図は強く感じるといったところだ。だが、これは比較してみればの話で、絶対的には2000rpm以下でもガソリンに比べればトルクが充実していて、日常的な走りでは常に頼もしさがある。

 ジャガーといえばスポーティなイメージが強いが、XFで街中を走り始めると意外なほどサスペンションがソフトタッチだった。フリクションが少なくスルスルとサスペンションがストロークしていて、懐が深い感覚がある。高速道路でも快適そのもので、ちょっと肩すかしをくらった感じもするのだが、コーナーへ突入していくと、ジャガーらしさをみせつけるのだった。

 ステアリング操作に対するレスポンスが良く、それほどロールを感じさせないでグイグイと曲がっていく。操舵力はちょっと重めだが、セルフセンタリングが強めでコーナー立ち上がりで手の力をスッと緩めるだけで直進状態に戻る。慣れてくると、コーナーの連続でリズムが取りやすくていい。

 こんなに乗り心地がいいのに、ハンドリングが素晴らしいのが不思議なぐらいなのだが、ジャガーのボディはアルミニウムの比率が高いのに車両重量はライバルに対してそれほど軽くないところに秘密があるようだ。ボディ自体は軽く仕上がっているが、そこで浮いた分、サスペンションおよび周辺部への質量を増やしてシャシー性能を向上させているのだ。メルセデス・ベンツ、BMWというドイツの強豪を向こうに回しても、シャシー性能では同等以上を誇るのだった。

FFハイブリッドながら楽しめるESの走り

 いよいよESに乗り換えてみる。

 まず最初に感じたのは圧倒的な静粛性の高さだった。ハイブリッドカーだからパワートレーンが発する音量が低いというメリットももちろんあるが、ロードノイズや風切り音などもよく抑えられている。フロアに遮音材や制振材をたっぷりと使い、「バージョンL」ではノイズリダクションホイールまで採用しているので、凹凸を乗り越えた際の音も低い。

 乗り心地も快適だ。ボディの剛性感は秀逸と言われるライバルと肩を並べていて、サスペンションはよりスムーズに動いている感覚があり、滑らかさでは頭ひとつ抜けている。EクラスやXFも乗り心地は素晴らしく良かったが、ESはそれ以上に滑らかな感覚が強いのだ。おそらく、振動が低く抑えられていることも乗り心地をより良く感じさせる一助になっているのだろう。

 「バージョンL」ではスウィングバルブショックアブソーバーを採用。ピストンスピードが低い領域から減衰力を発揮するのでわずかな凹凸にも反応し、フラットライド感がありながら、大きな凹凸はスムーズにいなす。目線のブレの少ない乗り味を追求したというが、確かに無用に上下動がなく、安定感と快適性が両立している。

 「Fスポーツ」はタイヤが1インチ大きくなるが可変式ショックアブソーバーとなるため、乗り心地はほとんど悪化しない。大きな凹凸を越えた時に、少しだけタイヤの大きさを感じるぐらいだ。

 FFがFRに勝っている点として挙げられるのが直進安定性。ただし、ライバルの3台はシャシー性能が極めて高いので、そこでESが優位に立つというほどではなかった。また、ライバル達はステアリングフィールも抜群。ESは少し重めなので、高速道路で外乱によって進路を乱された際などは少し意識的に修正を入れる感覚がある。不思議と「バージョンL」の方が重めで、「Fスポーツ」はフリクション感が少なくてすっきりとしていた。

 ハンドリングはFRに対して不利かと思いきや、そんなこともなかった。低重心なプラットフォームの利点が生きていて、ステアリング操作に対して素直な反応を示し、想像以上に軽快に曲がっていく。BMWやジャガーのように切れ味鋭くグイグイとくる感覚ではないものの、比較的に穏やかながら正確性の高さでドライバーの意思に従順なのだ。

 ハイブリッドカーは、あまり走りが楽しめないというイメージがあるがESはそこがかなり改善されている。アクセルを踏みこんだ時の反応が良くなり、加速の間延びした感覚、いわゆるラバーバンドフィールも抑えられている。力強さと伸びやかさを手に入れたのだ。新世代のエンジンのレスポンスの良さと電気系の進化の相乗効果がいい方向に表れているのだろう。

長く付き合うほどに伝わる離れがたくなるESの魅力

 3台のライバルはさすがに老舗で名門だけあって、それぞれに優秀かつ個性も強かった。それに対してレクサスは生まれてからまだ30年で歴史は浅いのだが、ESはその中で育まれてきた持ち味をしっかりと生かしていた。初代LSで世界を驚かせた静粛性の高さを始めとする快適性ではライバルを凌駕しているのだ。個性の強さに関しては、BMWやジャガーのスポーティさに賭ける情熱は熱いものがあるし、メルセデス・ベンツの快適かつ頼もしい乗用車の王道を行くブレのなさにもおそれいる。それらに比べると、ESは少し薄味に感じるかもしれない。だが、極めて滑らかな乗り味や素直な操縦性には、乗る者をホッとさせる効果があり、肩肘張らずに付き合っていけそうな予感が濃厚だ。付き合いが長くなれば離れ難くなる。そんな噛みしめていくほどに魅力が身に染みていくのがレクサスの個性でもあるのだろう。それは、例えるなら美味しい和食のようだ。薄味に思えて実は絶妙に出汁の効いた滋味深さをESには感じるのである。

LEXUS ES 300h "versionL"

世界初の装備であるデジタルアウターミラーに目を奪われがちだが、前後ダンパーにも世界初のスウィングバルブショックアブソーバーを採用し、新次元の乗り心地を実現。ハイブランドに相応しい先進性を備える。動力面でも新開発エンジンの第四世代中容量ハイブリッドシステムを搭載し、他を引き離す完成度を誇る。

直列4気筒DOHC+モーター/2487㏄
最高出力:178㎰/5700rpm[モーター:120㎰]
最大トルク:22.5㎏m/3600-5200rpm[モーター:20.6㎏m]
JC08モード燃費:23.2㎞/ℓ
車両本体価格:698万円

Mercedes-Benz E 200 4MATIC AVANTGARDE

ミドルサイズセダンの代表格と言えるメルセデス・ベンツのEクラスは、いつの時代でも安全性や快適性、操縦安定性など、全方位の性能でクラスをリードする。また、パワートレーンにおいても、今回試乗したガソリンのほか、ディーゼルターボにプラグインハイブリッドを揃え、多様なニーズに応える。

直列4気筒DOHCターボ/1991㏄
最高出力:184㎰/5500rpm
最大トルク:30.6㎏m/1200-4000rpm
JC08モード燃費:13.4㎞/ℓ
車両本体価格:724万円

BMW 523d M Sport

「新時代のビジネスアスリートが求めるすべてを具現化した」と謳う5シリーズセダンは、お得意のスポーティなダイナミクス性能とエレガンスの融合が追求されている。今回の試乗車はM Sportである上にオプションのM Sportサスなども装着され、一層スポーティな乗り味で、胸のすくハンドリングをみせる。

直列4気筒DOHCディーゼルターボ/1995㏄
最高出力:190㎰/4000rpm
最大トルク:40.8㎏m/1750-2500rpm
JC08モード燃費:21.5㎞/ℓ
車両本体価格:817万円

Jaguar XF Prestige AWD

英国のスポーツカーブランドであるジャガーはまた、ドイツ車とは味わいの異なるスポーティさが魅力。車体の75%にアルミ素材が用いられたボディはクラス屈指の軽さを誇るだけでなく、前後重量配分がほぼ完璧な50対50とされる。アピアランスもジャガーらしい流麗なデザインで、英国車のプライドを感じるものだ。

直列4気筒DOHCディーゼルターボ/1999㏄
最高出力:180㎰/4000rpm
最大トルク:43.9㎏m/1750-2500rpm
JC08モード燃費:15.5㎞/ℓ
車両本体価格:723万円

ニューモデル速報 Vol.578 レクサスESのすべて

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