メルセデス・ベンツEクラス「Hiメルセデス!」も「AR(拡張現実)ナビゲーション」も搭載! その完成度は? メルセデス・ベンツEクラス・セダン&ステーションワゴン | 大幅刷新を受けてより高級にスポーティに。新技術が惜しみなく投入されている
- 2020/11/13
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世良耕太
大幅刷新したメルセデス・ベンツEクラスに乗った。セダンは千葉県富津市周辺で1時間ほどドライブし、ステーションワゴンは同程度の時間を助手席で過ごした。どちらも、1.5ℓ直4ガソリンターボエンジン(最高出力135kW/最大トルク280Nm)を搭載する。セダンはE200 Sports、ワゴンはE200 Stationwagon Sportsだ。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
現行Eクラスのデビューが2016年だから、4年が経過しての大幅刷新ということになる。他の欧州ブランドの場合もそうだが、メルセデス・ベンツが行なったEクラスの大幅刷新は、「磨きをかけた」という表現がぴったりくる。「悪いところを直した」というスタンスではなく、「いいところを伸ばした」というスタンスだ(もちろん、ネガ潰しは徹底的に行なっているのだろうが)。実車に触れると、「前も良かったけど、新しいのはもっと良くなっている」のを実感する。
E200 Sports
E200 Stationwagon Sports
エクステリアはスポーティにお化粧直しをした。ヘッドライトは上下方向に薄く、切れ上がりが強くなり、細い眉のようなデイタイムランニングライトがシャープな印象を与えている。スリーポインテッドスターを掲げるフロントグリルは、逆台形から、下部が広がる台形形状に変わった。セダンはリヤエンドのデザインも変更されている。従来はやや縦長のランプがトランクリッドの両サイドに配されていたが、大幅刷新版はトランクリッドにまで浸食する横長形状になっている。そのせいもあり、ワゴンよりセダンのほうが「新しくなった」ことを実感しやすい。
目に見えないところでは、安全運転支援システムの進化が著しい。ステレオカメラとレーダーセンサーによって周囲の交通状況を把握し、状況に応じて機能を作動させる「レーダーセーフティパッケージ」は、すべてのモデルに標準で装備する。大幅刷新版は、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくる車と衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキを作動させる「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能)」を追加した。
さらに、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能を採用した。2km/h以上で後方から歩行者や自転車、自動車などが近づいている場合、ドアミラー外側にある警告灯が赤く点灯。乗員がドアハンドルに手をかけた場合は、音と表示で乗員に警告する。このように、最新のEクラスは安全性にも磨きがかかっている。
ステアリングホイールは新しい意匠になると同時に、トルクで感知していた「ステアリングを握っている」判断を静電容量式センサーに切り換えた。いわゆるタッチセンサーだ。高速道路などの走行時に「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」を作動させている際、ドライバーはステアリングを握っているつもりなのに、「握ってください」という旨の警告が出ることがある。軽く触れているだけで握っていることを判断できる静電容量式では、こうしたシステムの誤解を減らすことができる。
ただ、静電容量式センサーを採用した影響か、新デザインのステアリングはグリップが太めだ。「ちょっと太すぎない?」と感じる人がいるかもしれない。E200のセンターコンソールはピアノラッカー調のトリムだったが、大幅刷新版は新たにインストルメントパネルに採用されるウッドトリムと同様のトリムを採用することで高級感を高めている。Eクラスのインテリアは従来から高級感に満ちあふれていたが、やはり磨きがかかった印象で、高級車の代名詞にふさわしい上質、かつ落ち着いたムードを漂わせている。
走らせたときの印象がまたいい。ランフラットタイヤを履いているせいだろうか、低速時に路面との相性でゴツゴツ感を意識することもあるが、基本的には、「これぞ高級車」というゆったりした乗り味である。冒頭に記したように、エンジンの排気量は1.5ℓしかないが、市街地を周囲の流れに合わせて走っているときはもちろん、高速道路で本線に流入する際や、追い越しをかける際にアクセルペダルを深く踏み込んだときも、力不足を感じることはなかった。
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