Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. カタログ
  3. 日産|NISSAN
  4. NV350キャラバンワゴン

日産NV350キャラバンとトヨタ・ハイエースバンを徹底比較!〈ライバル車比較インプレッション〉

  • 2019/12/03
  • ニューモデル速報
このエントリーをはてなブックマークに追加

かつては市場シェアの拮抗していたキャラバンとハイエース。しかし、互いに五代目へのモデルチェンジのタイミングでキャラバンが劣勢に。ところが、12年のNV350登場で関係性には変化が訪れた。今回のマイナーチェンジではさらなる武器を携えて、起死回生を賭けた追撃に打って出る!

REPORT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

※本稿は2017年7月発売の「新型VV350キャラバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

失ったシェアの奪還を狙うNV350キャラバンの本気

 このクラスは日産NV350キャラバンとトヨタ・ハイエース/レジアスエース(以下ハイエース)の完全な一騎打ちである。21世紀初頭まではキャラバンも約4割のシェアを占めて、ハイエースと拮抗する2強として君臨していた。

 ところが、2001年の衝突安全基準改正を機に、その2強の構図が崩れる。当時の新基準にフロントオーバーハングを190㎜延ばして対応した先代キャラバンに対して、約3年遅れの04年に登場した五代目(=現行)ハイエースは、オーバーハングをほとんど延ばすことなく衝突安全基準に対応してみせたのだ。当時のキャラバンの最大荷室長が2800㎜だったのに対して、ハイエースのそれは大台の最大3000㎜を謳った……。

 ここで勝負あり。荷室長だけでなく、衝突安全性と室内空間を両立したスタイリングも人気となったハイエースは、完全なひとり勝ちとなった。キャラバンのシェアは2割切りが常態化して、ときに1ケタ%に落ち込むまでに……。といった由々しき状況を打破すべく、日産が起死回生の一撃として12年6月に放ったのが、NV350キャラバン(以下NV350)だったわけだ。

 NV350は先代のフロントオーバーハングを大幅短縮して、最大の懸案だった荷室長もハイエースを逆転する最大3050㎜を実現。さらにその他の各部荷室寸法やリヤシートの使い勝手でも、そして外観のクロームメッキ量でもハイエースを凌駕。ディーゼルの排気量こそハイエースより0.5ℓ小さかったが、最大トルクでは上回り、さらに先代から受け継いだ5速AT(当時のハイエースはガソリン/ディーゼルとも4速AT)とも相まって、燃費性能でもハイエースの上を行った。つまり「少なくともカタログスペックでハイエースに劣るモノなし!」と言いきれる商品性を身につけた。

 この種のクルマで荷室寸法や燃費だけでなくデザインや快適装備も重視されるのは、これがあくまで商用車でありながら、一方で個人の趣味嗜好が無視できない市場だからだ。知ってのとおり、このクラスは自分の腕と器量で稼ぐ一匹狼の自営業者や職人さんの仕事グルマ兼自家用車として、あるいは大荷物を要するホビーカーとしての需要も少なくない。そこがNV350やハイエース独特の世界観でもある。

 NV350の登場で日産の市場シェアは一気に倍増して、以来25%をキープ。日産の面目躍如である。

 しかし、そんな強敵の出現にトヨタが黙っているはずもない。

 NV350発売の半年後には、深紫メタのボディ色が特徴のハイエースの特別仕様車「プライムセレクション」を発売。さらに翌年11月にはマイナーチェンジを敢行して、内外装ブラッシュアップ、シャシー改良、デュアルパワースライドドアの設定……といった「NV350対策」を施した。その後もガソリンエンジンの6速AT化など、NV350に対する弱点を着実につぶしていく。

 対するNV350もハイエースの動向を見つめつつ、常に先回りするように細かな改良を積み重ねてきた。デビュー翌年にはオートスライドドアを追加、そして16年1月には横滑り防止装置(VDC)と日産自慢の自動ブレーキの採用、同年秋にはさらに、その自動ブレーキの装備グレード拡大などを実施している。

 というわけで、今回のNV350は12年のデビュー以来で最大規模のマイナーチェンジとなる。先代キャラバンからシェアを倍増させたとはいえ、市場シェアの7割以上を、いまだにハイエースが占めているのが偽らざる現状でもある。

 お世辞ではなく、ハードウェア内容でNV350がハイエースに負けている部分は皆無に近い。しかし、ハイエースの圧倒的な知名度と絶大な信頼性、販売台数の多さを背景にしたバリエーションの豊富さ、そしてリセールバリューやアフターパーツの充実度まで含めた現実的な商品価値……などを考えると、NV350が及ばない面がまだまだ少なくないのも否定できない事実だ。

 また、さすがのハイエースも現行型はすでに13年選手。近い将来にフルチェンジとのウワサもあり、今回のNV350はその機先を制す意味も込められているかもしれない。

日産NV350キャラバン プレミアムGX

フォグランプやLEDリヤコンビランプ、インテリジェントキーなど乗用車的な品位と装備を持つのが「プレミアムGX」。仕事とプライベートを兼ねる使い方ならこのグレードの一択だ。ボディカラーも特別色を選びたい。

■2500ディーゼル 2WD
5速AT ロングボディ・標準ルーフ
直列4気筒ディーゼルターボ/2488㏄
最高出力:129㎰/3200rpm
最大トルク:36.6㎏m/1400-2000rpm
JC08モード燃費:12.2㎞/ℓ
最小回転半径:5.2m
車両本体価格:350万4600円

■2000ガソリン 2WD
5速AT ロングボディ・標準ルーフ
直列4気筒/1998㏄
最高出力:130㎰/5620rpm
最大トルク:18.1㎏m/4400rpm
JC08モード燃費:9.8㎞/ℓ
最小回転半径:5.2m
車両本体価格:290万9520円

おすすめのバックナンバー

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ

Motor-Fanオリジナル自動車カタログ

自動車カタログTOPへ

Motor-Fan厳選中古車物件情報

中古車TOPへ