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〈試乗記:アウディA4 オールロードクワトロ〉もはや主役! SUVとステーションワゴンの融合

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エンジンは最高出力252㎰と最大トルク370Nmを発生する直列4気筒2.0ℓガソリン直噴ターボで、7速DCTを組み合わせる。セダンやステーションワゴンと比べて30㎜引き上げられた車高は悪路走破性を高めるだけでなく、やや鷹揚なハンドリングも生み出している。

高速巡航時はフラット性の権化

 冒頭に新型A4オールロードクワトロを「期待どおり」と書いたが、ひとつだけ期待以上……というか、予想外の部分がある。それはクワトロ(=AWD)システムだ。

 このクルマのAWD機構も基本的には、いつものセンターデフを持つ縦置きクワトロではある。しかし、最新の「ultraテクノロジー」を謳って、センターデフとリヤデフの2ヵ所に油圧多板クラッチを追加して、路面状況に応じて後輪フリー(しかもプロペラシャフトまでフリーにする)のFF状態で走るという。それでも一般的なオンデマンド式と異なるのは、クラッチを締結すればセンターデフ付きの本格フルタイムAWDとしても作動する点で、同システムは新型A4オールロードクワトロが市販車史上初という。

 このクルマにはさらに、昨今のドイツ系DCTのお約束となっているコースティング機能(低負荷巡航時に変速機をニュートラルにする)も備わる。ただ、そうした複雑かつ徹底的な走行抵抗低減対策を、現実的に体感できるシーンは皆無に近い。とくに新クワトロについては事前知識なく試乗して、最後の最後まで「やっぱり本物のフルタイムAWDはいいなあ」と恥ずかしくも勝手に合点していたほどである。

 2.0ℓ4気筒直噴ガソリンターボという、想定通りの定番エンジンを、物足りなく思う技術オタクもいるかもしれないが、このエンジンはお世辞ぬきで素晴らしく、オールロードクワトロとのマッチングもドンピシャだ。2.0TFSIは全域でスムーズで、過給ラグはまったくといっていいほど体感できない。1500rpmも回っていればパーシャルスロットルでも強力なパンチを繰り出して、それが6500rpm超のリミットまで落ち込まない。前記の「ダイナミック」モードにするとスポーツエンジンばりにメリハリの利いた加減速となるが、これまたオールロードクワトロをリズミカルに走らせるキッカケづくりに、絶妙の役割を果たしてくれるのだ。

コックピットの意匠は基本的にはセダンやステーションワゴンと変わらない。エクステリアにはアウトドアテイストを漂わせているものの、インテリアを都会的に仕立てることが、多くの顧客の嗜好に合致しているのだろう。

 山坂道では、良くも悪くも普通のA4より鷹揚なオールロードクワトロだが、下山して高速道に乗り入れると、これぞ水を得た……の、ドンピシャの合焦感がある。

 高速での新型オールロードクワトロはフラットの権化である。左右ロール方向の動きはそれなりに柔らかなのに、前後のピッチング方向の動きは見事に抑制されており、直進メインの高速道では、まさに上空からボディが吊るされたごとくピタリと安定する。豊かなストロークと厚めのタイヤのおかげもあって、日本特有の意地悪な目地段差に対しても、ホレボレするほどの吸収力だ。

 山坂道の急激な入力では速やかにロールしたシャシーも、入力がスローな高速コーナーではロールスピードも見事に抑制されて、上屋はまさにピタリと安定。最高250㎞/hまで設定できるアダプティブクルーズコントロールや、完全自動運転一歩手前のステアリング制御もあって、新型A4オールロードクワトロは理想的な高速クルーザーでもある。

 矢のように直進して、路面不整にも乱されない……という最新オールロードクワトロの美点は、オリンピックに向けての道路工事だらけで、あちこちで路面が荒れている最近の都心でも存分に活きるはずだ。

 今回は自慢の悪路性能を試せなかったが、新型オールロードクワトロは優秀な燃費も含めて、交通インフラが整った都市交通への適性が、大幅に高まった点も大きな特徴といえる。SUVの走破性と立体駐車場にも対応するパッケージを両立したオールロードクワトロは、降雪時などの緊急時の東京でも、まさに無敵の存在となりそうである。本来は本格SUVへのつなぎにすぎなかった(?)オールロードクワトロが、本命のQシリーズ発売以降もこうして根強く売れ続けている理由には、そんなところもあるかもしれない。

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