ボルボV60クロスカントリーで真冬の北海道をひた走る! ドリフトの真似事なども……【雪上インプレッション】Dセグメント・クロスオーバーSUV試乗記
- 2020/02/22
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MotorFan編集部 小泉 建治
ボルボと聞いて思い浮かべるのは、卓越した安全性か?
あるいはスカンジナビアンテイスト溢れるモダンなデザインか?
近ごろは、先進的パワートレインに代表されるハイテクなイメージも強い。
だが、もうひとつ忘れてはならないことがある。雪道性能だ。
北欧生まれのボルボの雪道性能を確かめるべく、真冬の北海道へ向かった。
REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
雪道であっても、ドライバーが安心して性能を引き出せる
今さら言うまでもないが、ボルボは北欧のスウェーデンの生まれだ。スウェーデンで作られ、多くの人々に愛用されているクルマが、雪道性能に重点を置いて開発されるのは当たり前だろう。
そんなわけで、ボルボで真冬の北海道を走ってみたのである。試乗に供されたのは、V60クロスカントリーだ。DセグメントのステーションワゴンであるV60をベースに最低地上高を65mm引き上げて210mmとすることで悪路走破性を高め、バンパーやフェンダーに樹脂製プロテクターを追加することでSUVテイストを強調したモデルである。
こうしたステーションワゴンをベースとしたSUVモデルの利点は、オンロードでの基本性能や扱いやすさを犠牲にすることなく、プラスアルファの悪路走破性を得られることにある。その一方で、悪路走破性能そのものに限ってみれば当然ながら本格的なSUVやオフローダーには敵わない。
しかしながら、そんなステーションワゴン系SUVのなかにおいて、V60クロスカントリーはかなり本格オフローダー寄りのキャラクターを持っている。
たとえば最低地上高である。V60クロスカントリーは210mmだが、ライバルのアウディA4オールロードクワトロの170mm、VWパサート・オールトラックの160mmと比べると圧倒的に高い。背の高いSUV専用ボディのレクサスUXも160mmしかなく、スバル・アウトバックですら200mmだと聞けば、V60クロスカントリーの本気度がわかるというものだろう。
アプローチアングルは17.0度、ランプアングルは18.4度、デパーチャーアングルは22.8度で、これは一般的なドライバーが「クルマで行ける」と判断するほとんどの急坂や障壁をクリアする。これ以上の各アングルを必要とするような場面では、そもそも多くのドライバーはクルマで入り込むことを断念するだろう。クルマが音を上げる前にドライバーが参ってしまうのだ。
まずは一般道を常識的なペースでドライブする。今シーズンの北海道は暖冬の影響で雪が少なく、交通量の多い幹線道路ではアスファルトが露出している。そこで雪深い脇道や林道に果敢に突入していったのだが、少なくとも「道」の体を成していれば、V60クロスカントリーでは進退窮まるということはなかった……どころか、安心感がすこぶる高い。
V60クロスカントリーには第五世代のAOC(アクティブ・オンデマンド・カップリング)が採用されており、ドライ路面では実質的にフロントホイールにすべてのトルクを伝達することで燃費に貢献し、必要とあらば最大で50%のトルクをリヤホイールにも分配する。
その一方で、静止時には発進加速に備えてAWDの状態になっている。だから雪深さに躊躇して停止し、やはり行けると判断して再発進するといった場面で、タイヤの空転を感じることがほとんどない。雪道に慣れていないドライバーにとって、発進時のスリップのようなちょっとした緊張の蓄積は、やがて大きな疲労感につながる。
だがそれ以上にV60クロスカントリーのアドバンテージだと感じたのは、視点の高さや乗車姿勢に違和感がなく、普通のセダンやステーションワゴンと同じように操れることだ。平常心で運転できるから、自ずと安心感も高まる。
雪道で最も重要なのは高い悪路走破性能ではなく、いかにドライバーが落ち着いて運転できるかどうか、である。どんなに運動性能や動力性能が高くても、ドライバーが引き出せなければ宝の持ち腐れなのだから。
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