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日産・新型ルークス「すべてをこの手に」 広さ、走り、安全装備…あらゆる面において“一番”を窺う日産渾身の野心作

  • 2020/07/18
  • ニューモデル速報
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より滑らかで自然な操作に進化したプロパイロット

 新型ルークスのプロパイロットはデイズからさらに進化した最新版で、車両前方にミリ波レーダーを追加。より遠くの先行車の状況をセンシングして、運転支援機能をスムーズに制御できるようになったという。それに合わせてブレーキ制御やステアリング制御もさらに熟成。2台前の先行車を「前走車の股抜き」で検知して警告するインテリジェントFCW(前方衝突予測警報)は軽初。さらにアダプティブLEDヘッドライトや標識検知機能、インテリジェントDA(ふらつき警報)などこの種の先進安全では「軽だから」という省略感はまるでなく、現時点ではほぼ日産の最先端と言っていい。

 プロパイロットはいわば、全車速対応アダプティブクルーズコントロール(ACC)に「国内自動車専用道路のほぼすべてに対応する」というレーントレース&前車追尾機能を組み合わせたものだが、その所作はお世辞抜きで見事なものである。

 前走車に追いつく時に早期からじわりと減速し、最後はしっとりと停止するブレーキ制御、あるいは前方が開けてからの強力な再加速など、交通の流れに乗る新型ルークスのプロパイロットは「運転が上手い」。加速が物足りなければ、CVTのスポーツモードボタンを押せばそれなりの後押しになる。この点、変速機などのモードをいじるとACCがキャンセルになってしまうクルマも少なくないが、プロパイロットはそういう細かい使い勝手も優れる。

ルークスのプロパイロットはデイズよりもさらに制御が熟成され、ベテランドライバーのようなスムーズな走りを見せてくれる。また、2台前のクルマを検知するインテリジェントFCWなどの充実した安全装備の数々が安心をもたらす。

 前後の加減速だけでなく、左右方向のレーン(車線)のトレースも滑らかだ。ジャンクションのようなキツめのカーブでも制御を放棄せずに「ねばって」くれるのもプロパイロットの美点。さらに、新型ルークスに搭載される最新バージョンには、ステアリングをあえて敏感に反応させ過ぎずに「なます」制御を取り入れたという。そう言われると、以前よりステアリングの動きに煩雑さを感じないようになったことに気付く。

 ただ、これはクルマそのものの直進性など、ハードウェアの基本フィジカル能力がレベルアップした効果も少なくないと思われる。先代デイズルークスは加減速や操舵に対して、良くも悪くも前後左右に小気味良く大きめに反応した。ドライバーズカーとして見れば、あれはあれでなかなか滋味深かったと個人的には思う。しかし、加減速でもフラットで安定した姿勢を保ち、操舵しても小さめのロールで滑らかに旋回していく新型の方が、何倍も現代的、かつ同乗者に優しいのも事実である。

 ただ、新型ルークスでより印象的なのは静粛性だ。「ファーストカーとして多く使われることを想定した新型ルークスでは、高速での静粛性にも強く配慮した」とは担当技術者の弁。液封エンジンマウントを採用するなど、静粛性の面ではデイズのプラットフォーム設計時点からこだわりが見られたところではある。新型ルークスではキャビンの吸遮音対策をさらに徹底して「巡航時の後席静粛性はクラストップ」を謳う。実際、日本の高速道を一定速で巡航する限り、よほど路面が荒れていなければ前後席間でストレスなく会話できる。「軽は高速に向かない」のが常識だったひと昔前を思い出すと、改めて軽の進化に驚かされる。

エンジンはターボ(写真)、NAともデイズと同じで、ギヤ比を下げて車重の違いに対応する。ルークスでは全車に2.0kW/40Nmのスマートシンプルハイブリッドが設定され、スムーズな加速と燃費の改善に貢献している。

 こうした静粛対策や充実装備もあってか、車重が明らかに重めであることは、昨今のトレンドからすると新型ルークスの弱点に見えなくもない。とはいえ、ターボでパワー不足を感じることなどもちろん皆無だし、NAでも想像していた以上に活発に走ることには素直に感心する。

 昨年の二代目デイズで日産キモ入りの完全新開発となったパワートレーンは、今回も基本的に最終減速比をローギヤード化しただけという。実際の交通環境ではターボよりNAの方が積極的にアクセルを開ける必要があるが、静粛性が高いのでストレスも軽い。また、ターボとNAで減速比に違いはないので、安定した高速巡航に入れば、エンジンによる静粛性の差もなくなる。
 こういう時にこそ、アクセルペダルを踏み続けるストレスから解放してくれるプロパイロットは重宝する。高速ロングドライブの機会が定期的にあるなら、NAでも……というか、NAであればこそ、プロパイロットの価値は高いと思う。

内装の高級感ある上質さや充実した装備の数々も魅力

 それにしても、オプションの「プレミアムグラデーションインテリア」をトッピングした今回のGターボの内装は掛け値なしに高級感がある。同インテリアではダッシュボードの一部が別色のステッチ入りレザークッションとなるが、新型ルークスはもともとの樹脂シボ部分の質感も高いので「取って付けた感」が薄いのもいい。このインテリアが自慢のリヤシーリングファン(=前後サーキュレーター)を含む「快適パック」込みで6.6万円というオプション価格なら素直に割安だと思う。
 まあ、今回のような上級グレードに、そうやってオプションを盛っていくと、あっという間に200数十万円クラスに達するのは「軽としては高価過ぎ」と思わなくもない。ただ、購入価格が少しばかり高くても、クルマそのものの価値に加えて維持費や使い勝手など、それ以上のメリットを見出せるからこそ軽スーパーハイトは売れているのだ。
 今回の試乗車は、2台とも両側にハンズフリースライドドアを備えていた。新型ルークスでは「プロパイロットエディション」に両側ハンズフリーが標準装備。「S」を除くそれ以外のグレードも助手席側ハンズフリーは標準で、オプションで両側ハンズフリーも可能だ。

スライドドア開口幅は先代比+95㎜の650㎜となり、クラストップの広さを得た。ステップのフラット部も広がり、乗降性を高めている。クラス最大の320㎜の後席スライドは、運転席から後席へのアクセス性が高まったばかりでなく、ラゲッジ拡大にも大きく貢献。

 いまどきの軽スーパーハイトではハンズフリースライドドアも珍しくない(という事実そのものがスゴイ)のだが、それが両側かつ開閉対応というフル機能であることと、各ドアに兄貴分のセレナ同様にセンサーを2個ずつ備えているのが、新型ルークスの自慢という。センサー1個型では床下に差し込んだ足首を動かすなどの動作が必要だが、新型ルークスの2センサーではアシを抜き差しするだけで反応する。事実、にわかオーナーの適当なやり方でも、新型ルークスのハンズフリースライドドアは百発百中で作動した。

ハンズフリースライドドアは、前席ドアと後席スライドドアの間の床下に爪先を出し入れすることで作動。反応もスムーズだ。開閉両方できるだけでなく、運転席側にも設定。

ところで、新型ルークスのステアリングホイールは円形をしている。「当たり前だ」とのツッコミはごもっともなのだが、実はノートやリーフ、セレナなど、最新のポピュラーな日産登録車のそれは共通のDカット型である。昨今の軽乗用車のステアリングホイールはコンパクトカーと共用するのが通例だが、日産は今回の二代目デイズ/新型ルークスのために、ステアリングホイールをわざわざ新開発しているのだ。

 これについて開発担当者は「Dカット型が、クルマの運転が苦手な女性にあまり好まれていないことがわかったから」と明かす。その理由はともかく、ステアリングホイールは各社のクルマづくりの根幹を象徴する部品であり、それを何種類も用意するのは手間とコストが掛かる。しかし、そこにあえて手を付けたところに、今の軽事業が、今の日産にとっていかに重要なのかが窺える。
 このほかにもSOSコールやニーエアバッグなど、これまでのイメージでは「軽とは思えない」と言う他ない技術や装備が、新型ルークスでは枚挙に暇ない。このクルマは昨年のデイズまで一度も軽をつくったことがなかった誇り高き日産の開発部隊が、日本で最も売れるファーストカー(?)として本気でつくったクルマなんだと、新型ルークスを見てつくづく思う。素直に力作である。

主要諸元表

■ハイウェイスターX プロパイロットエディション
【寸法・重量】
全長(mm): 3395
全幅(mm): 1475
全高(mm): 1780
室内長(mm): 2200
室内幅(mm): 1335
室内高(mm): 1390
ホイールベース(mm):2495
トレッド(㎜):前・1300 後・1290
最低地上高(mm): 155
最低重量(kg): 970
定員(名):4
【エンジン】
型式:BR06
種類:直列3気筒DOHC
ボア×ストローク(㎜):62.7×71.2
総排気量(㏄):659
圧縮比:12.0
最高出力(kW[㎰]/rpm):38[52]/6400
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm) :60[6.1]/3600
燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量(ℓ) :27(レギュラー)
【モーター】
型式:SM21
種類:交流同期電動機
最高出力(kW/rpm):2.0/1200
最大トルク(Nm/rpm):40/100
駆動用主電池 種類 :リチウムイオン電池
【トランスミッション】
形式:CVT
変速比:前進・2.411-0.404 後退・2.295
最終減速比:7.319
駆動方式:FF
パワーステアリング:電動
サスペンション:前・ストラット 後・トーションビーム
ブレーキ:前・ベンチレーテッドディスク 後・リーディングトレーリング
タイヤ・サイズ:155/65R14
最小回転半径(m):4.5
JC08モード燃費(㎞/ℓ):27.2
WLTCモード燃費(㎞/ℓ):20.8
 ・市街地モード(㎞/ℓ) :18.5
 ・郊外モード(㎞/ℓ): 22.3
 ・高速道路モード(㎞/ℓ) :21.0
車両本体価格 :184万3600円

■ハイウェイスターG ターボプロパイロットエディション
【寸法・重量】
全長(mm): 3395
全幅(mm): 1475
全高(mm): 1780
室内長(mm): 2200
室内幅(mm): 1335
室内高(mm): 1390
ホイールベース(mm):2495
トレッド(㎜):前・1300 後・1290
最低地上高(mm): 155
最低重量(kg): 1010
定員(名):4
【エンジン】
型式:BR06
種類:直列3気筒DOHCターボ
ボア×ストローク(㎜):62.7×71.2
総排気量(㏄):659
圧縮比:9.2
最高出力(kW[㎰]/rpm):47[64]/5600
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm) :100[10.2]/2400-4000
燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量(ℓ) :27(レギュラー)
【モーター】
型式:SM21
種類:交流同期電動機
最高出力(kW/rpm):2.0/1200
最大トルク(Nm/rpm):40/100
駆動用主電池 種類 :リチウムイオン電池
【トランスミッション】
形式:CVT
変速比:前進・2.411-0.404 後退・2.295
最終減速比:7.319
駆動方式:FF
パワーステアリング:電動
サスペンション:前・ストラット 後・トーションビーム
ブレーキ:前・ベンチレーテッドディスク 後・リーディングトレーリング
タイヤ・サイズ:155/65R14
最小回転半径(m):4.8
JC08モード燃費(㎞/ℓ):22.6
WLTCモード燃費(㎞/ℓ):18.8
 ・市街地モード(㎞/ℓ) :16.7
 ・郊外モード(㎞/ℓ): 20.0
 ・高速道路モード(㎞/ℓ) :19.1
車両本体価格 :193万2700円

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