爆売れダイハツ新型ロッキーのルーツを四駆専門誌編集長が探る!! 【ダイハツ新型ロッキー(とトヨタ・ライズ)爆売れ記念特別企画】ダイハツ初代ロッキーは、本格四駆だったのか? (前編)
- 2020/12/05
- MotorFanアーカイブ編集部
異形ヘッドライトの「後期型」が登場!! しかしそのターゲットは…。
異形ヘッドライトが採用された93年8月以降が便宜的に後期型とされる。機関部分に大きな変更はなく、HD-E型エンジンも駆動系も前後サスも続投だった。
基本ラインナップは92年のAT車追加時に見直されており、中級グレードだったSEがDX同等の装備に格下げされ、DXは廃止された。
つまりSEもオーバーフェンダーを廃止して適正サイズのタイヤを履き、座席もシンプルな形状になったり前ブレーキがソリッドディスクになった。
SEを廃止するだけで良かったじゃないかと思うが「DX」の字面はスタンダード臭が強すぎるのだろう。
そして、ここで意外なことが起きた。ラガーよりは売れたロッキーの思想がダイハツ四駆の標準となって、硬派を自称するラガーが前輪独立懸架化、外装も華美に変更されたのだ。
結果として2車の棲み分けができなくなり、自社内でユーザーを食い合って消滅してしまった。これはロッキーのせいではなくラガーの失策。
末期には乗用車に近いというか、乗用車そのものなトヨタRAV-4やホンダCR-Vの登場も響いた。まさか20数年を隔て「あちら側」のクルマとして車名復活するなんて思いもしなかったが、ライバルのエスクードは車名復活どころか連綿と続いたままあちらに行ってしまったから、今こそ古いロッキーやエスクードに思いを馳せたくなる。
次にダイハツが新型SUVを発売するなら、シャルマンやコンソルテではなく、ラガーかフェローザの名を冠するのではないかと思っている。
◀フロントマスクが変わった、いわゆる後期型。オフロード性能のアピールが前面に出て、車体色も渋めになった。ラガーと一緒に紹介された「R&R ROCKY&RUGGER」と題した94年前期のカタログ。
◀すでにDXは廃止され、SEが簡素化されて廉価版になっていた。この後期型ではSXリミテッドの代替グレードとして、カンタベリー仕様が登場。強豪ラグビーチーム、ニュージーランド・オールブラックスにユニフォームを供給するアウトドアウェアのブランド名だ。やがてオーバーフェンダーなしのカンタベリーX、オーバーフェンダーつきのカンタベリーZに分かれ、廉価仕様のマリンランナーが加わり、SEやSXに代わる定番グレードとなった。97年の販売終了まで続くラインナップだ。
次回後編は後期型の実車を走らせたリポートをお届けします。
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