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火曜カーデザイン特集:全長4.4m 全高1.47m 新型DS4に感嘆! これは結構すごいかもしれない! DSらしさ復活の新型DS4のデザインを見てみる!

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こんな車を待っていた、と感情をあらわにしてしまっていいのだろうか。個人に立ち返り、長年のフランス車ファンである自分からすれば、これぞフレンチ! と小躍りしたくなる衝動にもかられる。
何が? と言われると小さいことかもしれないのだが、もしよければもう少し付き合って欲しい。

DSらしさが帰ってきたのかもしれない

かつてのDSやCX、GSといった往年のシトロエンからすれば、まだまだではあるかもしれないが、パリ近郊のDSオートモビルズのデザインオフィスでふつふつと煮詰まってきたものが、ここに吹き出してきた。しかもエレガンスさを纏って。
DSといえば、2018年のパリモーターショーでは、非対称な造形のDS X E-TENSEというコンセプトモデルまで生み出してきているが、それでいいのだ、もっともっと! と心の中で思ったもの。

2018年のパリモーターショーに出品されたコンセプトカー ”DS X E-TENSE"

そんなますます突き進みつつあるアバンギャルドさが、量産モデルとして表現された現在の頂点にいるのがこの新型DS4だ。非対称なんてことはないにしても、このモデルは紛れもなくアバンギャルドであると思う。

普通なようで普通ではないアバンギャルドな存在感

安定したプロポーションはタイヤとボディの相関関係から。また、えぐられたような前後に通じるキャラクターラインは後方に進んでゆったりと下がっていく。これがラグジュアリーの装いともなる。

最初のインパクトは、これはアバンギャルドとはまったく違う話なのだが……その安定したプロポーションにある。まずフランス車というものは、どこか不思議なプロポーションというのが定番で、どんな形であっても受け入れてしまう、あるいは受け入れざるを得ない義務感を強要してくるものなのだが、新型DS4にはそれがない。
普通にかっこいい、安定したプロポーションに驚かされる。そこで感じるのは、なにがあったのか? という不安感でもあった。もしかして普通になってしまったのではないか? 

この面構成の大胆さが、DSらしさともいえるかもしれない。

ペインティングナイフで描かれたような造形

しかし、それが完全に覆されているのが、ボディの造形にある。新型DS4は、まるでペインティングナイフで書かれたような油絵の作品から飛び出してきたようにも思える。
油絵の描き方には筆だけではなく、ペインティングナイフで描くという手法がある。油絵は絵の具の粘性を活かした立体感を用いたりする表現法だが、ナイフでは描く対象の透明感や硬質感を表現したりできる。また、ナイフのエッジでひっかくことで鋭さや、強さなど描き手の感情表現にも用いられる。
新型DS4のエクステリアを見ると、ナイフで塗る滑らかさがあり、エッジで引っ掻いた鋭いラインがあり、深い削ぎ落としがある。そんなことを見ていると、ドアやバンパーの合わせすらも、ナイフで切り裂かれた造形のひとつのようにも見えてくる。
しかし、それが単なるエピソードで終わらずにボディ全体で完結していることに、大きなストーリーを感じることができる。全体が表現するのは、深い海の底に差し込む光芒が生み出す情景のようで、神秘性をも秘めているように感じてしまうのは自分だけだろうか。

難解なのはリヤピラーからウインドウの造形。
意外に大きくリヤウインドウが確保されていることがわかる。

シンプルさで際立つ室内素材の安堵感

室内を見ると、多くのモデルが大きなカラー液晶ディスプレイありきのダッシュボード造形を構成する中、新型DS4はダッシュボード造形ありき。左右から伸びる光がセンターに溜まるかのような仕立て(サーベルと表現されている)は、その中央に必要最低限のスイッチを配置。またその奥がインビジブルベントと表現される、センターのエア吹き出し口となっている。あえて目立たなくした形で、その内部はコーン状の構造で温度と湿度を調整されたエアは、小さなアウトレットを介するものの、室内上下に広く拡散される構造となっているという。

運転席側のパワーウインドウスイッチ。ピクトグラム(絵表示)もウインドウ表示から単なる斜めの1本ラインというシンプルさ。こうした細部にもDSのコンセプトが窺われる。

注目はパワーウインドウのスイッチで、ピクトグラム(絵表示)がさらに単純化、スラッシュの1本ラインでしかない。その上下で表面処理を変えるだけで、それぞれのウインドウのアップダウンを理解させている設定だ。
このシンプルさ、そしてピラミッド状の菱形を繰り返し用いるデザイン展開が、DSの世界の安堵感を知らずしらずのうちに展開している。

これらが驚きなのが、全長4.4m、全幅1.83m、全高1.47mに収まるコンパクトなCセグメントであること。そして、タイヤは19インチを中心に最大20インチまでラインナップ。

驚くのはサイズは公表されていないが、大径で幅の狭い“トール&ナロー”という表現がなされていることだ。かつてのフランス車ファンにとっては、この細いタイヤということが、実にハートに刺さる部分。燃費、そして上質な乗り心地への期待はおおいに高まる。

さらに注目されるのが、3PMSF Aグレードのオールシーズンタイヤ が装備されるということ。これはスリーピークマウンテン・スノーフレークマークと呼ばれるもので、欧州では降雪時にも走行可能なタイヤであることを示している。北米で一般的な全ての季節に適合するオールシーズンタイヤ だが、これを積極的に展開する姿勢も非常に興味深い。

かなり前向きに解説してしまったが、新型DS4はかなり意欲的なモデルに間違いなく、今後のDSの展開から目が離せないと思う。

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