2018年のパリショーですでに公表されたプジョー新エンブレム プジョーの新エンブレム 実は2018年に公表されていた!って知ってた?
- 2021/06/27
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CAR STYLING編集部 松永 大演
あのライオンが横を向いたエンブレムは、どっかで見たなと思っていたのだが、やっと思い出したのでご報告。それは2018年のパリ国産モーターショー、いわゆるパリサロンのコンセプトカーにひっそりと設置されていたのである。
新時代のモーターショーを目指して
パリショーはこの2018年を持って120回という記念の年となった。しかし自動車ショーへの出品企業、来場者が減少する中国以外の世界的な動きはパリも同様で大きな脱皮を図る年でもあった。レディスナイトやVIPブースを計画したり、自家用車だけでなくモビリティ全般の展示を拡大、さらに開催前日にパリ市内をクラシカルなモデルを中心としたパレードを開催するなど、ショーをリセットするような様々な展開が行われた年だ。
プジョーはこの年の3月に508のファストバックをジュネーブショーで発表。そしてこの10月のパリでは508SWの発表を残しておいた。そんな中でコンセプトとして発表されたのが、EV2ドアクーペのeレジェンド・コンセプトだった。
そしてフロントのセンターに据えられたのが、なんと新エンブレム。当時はこのモデルは504クーペのオマージュとしても生まれているとのことで、古いエンブレムをアレンジしたものと捉えていた。
しかし実際には504クーペは1969年に発表された当時から、すでにライオン全体が横を向いた状態のエンブレムだった。あれ? と思いつつも歴代プジョーへのオマージュなのかとも思ったものだった。もちろんその時には、新しエンブレムになるということは何も説明されていなかった。実はこんな形で、市場の様子を伺うのもコンセプトの役割ではあるのだが、それにしても「いま考えれば…」と、しらっと出していたところなどは、憎い演出だ。
ところで、これまたイケメンモデルなのだが、その量産化はいつ頃なのだろうか? と聞いたのだが、あっさりと「ない」と答えられてしまったのを覚えている。
このことは、ではなぜ出したの? と思うところだ。508SWが発表され、508ローンチ真っ最中であるにもかかわらず、似たクラスで異なるデザインテイストだ。ましてフロントに縦のサーベルすらない。
さらに言えば、FRプロポーションであることも大きな謎だ。そうわかるのは、ドア前の前輪との距離の長さ。どうしてもFFならばフロント荷重を大きく取りたいのでフロントタイヤは室内に近くになる。もちろんEVのコンセプトなので、バッテリーの配置などでエンジン仕様よりはプロポーションは自由だが、パワー・オブ・チョイスを宣言するプジョーとしては、FRエンジン車との乗り入れを検討しているのか? なんていうのも不思議なところ。しかし、そのおかげで現状のプジョーで苦労を重ねているフロントオーバーハングの重さがない、実にすっきりとしたプロポーションになっている。
また不可解なのが、このエンブレムがあまりにもハマっている点だ。508などをみれば、ライオンエンブレムは一般的にはもっと大きくこのグリルにはハマりそうもない。つまりこのエンブレムありきで生まれた形なのだと思う。ならばとブラックアウトしたバンパーが今後登場する新型308などに採用されるか? というとそんなこともなく、むしろ新型では新エンブレムを持て余しているようにも見える。
とは言え全く独立した別世界のモデルというわけでもなく、リヤランプの細い爪(グリフ)形状は、現行の最新プジョースタイルを予告したものでもある。
果たして、このeレジェンドの狙いはなんだったのか? 考え込んでしまうと、夜も眠れなくなってしまう。
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