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火曜カーデザイン特集:フォード・ブロンコ原点回帰で登場の凄さ 日本で買えないのが残念! 復活したフォード・ブロンコがいい!

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新型フォード・ブロンコ2ドアモデル。ルーフを外し、ドアをモディファイしたモデル。

フォードは日本撤退をしてしまったブランド。米欧で独自の展開を果たすブランドだが、いずれも日本市場との親和性に乏しかったということだろうか。しかし、マスタングやSUVなどが好きな人にとっては、残念すぎるモデルも少なくない。そんな残念な気持ちにさらに火をつけてしまうのが昨年2020年のブロンコの登場だ。先代ブロンコから24年ぶりのフルモデルチェンジとなる。ここではその魅力のポイントをデザインの視点から探ってみよう。

アメリカンSUVフリークから絶大なラブコール

ブロンコには2ドア(中)に加えて4ドア(右)が登場。さらにブロンコスポーツ(左)も登場した。

2020年に発表された6代目となる新型ブロンコを見て、ファンは唸った。それはそのスタイルがまさに初代ブロンコのデザインをリスペクトしたものだったからだ。

フォード・ブロンコは1967年に誕生。新型の展開をみるならば、ジープ・ラングラーの好敵手となりそうだが、ラングラーの誕生は80年代後半。当時のジープはCJ-5など走破性を重視した完全な多目的車からの流れを汲む存在。対するブロンコは2人乗りピックアップトラックの機能をベースとした4x4。当初のモデルはドアやルーフが外せる構造とし、パーソナルユース、レジャーユースにも使える方向性を持っていた。
初代では北米でいうコンパクトサイズのカテゴリーであったが、2代目以降はフルサイズ化して行った。それでも2ドアであり続けたことで、ピックアップの基本概念は変えなかった。

初代ブロンコ(1967-1974年) ドアやルーフ周りを外すことで、自由な使い勝手が可能に。
初代ブロンコ。純然たるピックアップモデルも存在した。
2代目ブロンコ(1975-1979年)
3代目ブロンコ(1980ー1984年)
4代目ブロンコ(1985-1989年)
5代目ブロンコ(1990-1996年)

ピックアップのスタンスを取るブロンコがブロンコであり続けたのには理由がある。一般のピックアップと大きく異なるのは、運転席後方に仕切りがないモデルが当初から存在したことだ。これが、最新の6代まで続くポイントともなっている。
荷室へのアクセスが可能であることから生まれた独自のユーティリティ、そして最大のポイントは後席を装備するようになっていったことだった。基本が4x4トラックという高い機動性を持ちながら、人も乗せられる。ある意味、セダンの代わりにもなる車でもあった。
その後もこのスタイルが重要視され、後席はつけてもドアは大きくしないのが基本。後席に乗り込むために、フロントシートは座面から持ち上げるなどの構造としてまで、ピックアップのプロポーションを守った。

そして5代目生産終了から、24年の歳月の後に登場したのが6代目だ。何よりも注目となったのが初代へのリスペクトの強さだ。ダウンサイジングが果たされた上に、ブロンコらしいアイコンも備えるデザイン。さらに、前後ドア、ルーフパネルの取り外しが可能という、初代と同様のコンセプトが実践されていた。

ただし、その中でも驚くことが2つ。
まず、ブロンコに4ドアバージョンが初めて追加されたこと。そして、「ブロンコスポーツ」という新たなモデルが登場したことだ。こちらは4ドア+ハッチバック専用モデルで、完全にピラーやルーフがボディと一体化されたモデルとなる。

ブロンコ4ドアとブロンコスポーツの追加は、これまでの歴史的なブロンコユーザーからすれば「半端なモデル」と思われるかもしれない。しかし、ブロンコも世代の進む中で直近に近づくにつれリヤセクションを外すことはなくなり、安全面の観点からも5代目では構造的には取り外せてもあえて容易に取り外せない構造としているという。
新型の方針を原点回帰といえば美しい表現だが、原点が全てのユーザーの欲するものとは限らず、最終の5代目モデルにひもづくユーザーにとってのブロンコ像にも配慮した結果だと思われる。快適性という面において、ブロンコスポーツのキャビンの恩恵は大きいものと思う。



ファンな車として外せない価値

新型ブロンコ 2ドア
新型ブロンコ 4ドア
新型ブロンコ インテリア
ブロンコスポーツ エクステリア&インテリア

ジープCJやラングラーとは、原点として全く異なるところから生まれたブロンコだが、結果としてはラングラーとも共通する機能を持つに至った。しかし、いまどうしてこうしたハードなモデルが登場するのだろうか?

車は現在、その可能性をどんどん広げて来た。安全で快適で、それこそ運転しなくてもいい時代が、目の前に近づいているかもしれない。しかし、その一方で車へ期待をしない人々も増えて来ている。車本来の持つファンな部分、ともに楽しむものとしての価値が減って来ているのではないだろうか?

そうした中で、より自然に近いところで触れ合ったり、あるいは操作を楽しむというフィジカルを感じられる車の存在に期待する層も呼び起こそうとしているのかもしれない。その意味で、車との付き合い方として外せない何かが、ブロンコなどの世界観の中にあるのかもしれない。

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