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2代続く伝統だったけど、狙いが鮮明に! なぜか、新型ホンダ・ヴェゼルは2ドアに見える

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最近、街で新型ホンダ・ヴェゼルを見る機会が増えたのだが、ヴェゼルを見るとなぜか目で追ってしまう。それはなぜか2ドアに見えてしまうから。その理由を考えてみた!

ヴェゼルは4ドア+ハッチなのに2ドア+ハッチに見える

上が先代ヴェゼルで、下が新型ヴェゼル。リヤサイドウインドウはともに三角窓がないが、新型は前後に長いウインドウが特徴。

新型ヴェゼルを目で追ってしまう理由、それは「あれ2ドア?」 と思うことが多いことだった。ヴェゼルはもちろん4ドア(+ハッチ)しかないのだが、なぜか2ドアに見えてしまう。

これはデザイナーの狙いでリヤドアのハンドルを隠すなどして、スタリッシュな2ドア=クーペのように見せる戦術だ。古くはアルファロメオ156あたりでも使っていて、今では割と常套手段といえるものだ。

しかし大抵の場合は、リヤドアのラインが見えるので、なかなか2ドアには見えないもの。しかし、新型ヴェゼルは非常に巧妙にリヤドアがない印象に作り上げられているようだ。

さらに2ドア風に見せるには、リヤサイドウインドウを小さくしたりしてクーペ風のスタイルを演出するのも割と鉄板の方法。ヴェゼルも先代モデルでは、この手法を採っていた。さらに先代ヴェゼルも秀逸だったのは、リヤサイドウインドウに三角窓を採用しないことだった。

三角窓を採用する理由は、多くがリヤウインドウを下まで下げられるようにということだ。そのぶん窓を開けていても閉めていても、小さな三角窓のピラーがノイズとなり前後方向の開放感は削がれる。
しかし、2ドアならリヤサイドウインドウに三角窓はないはず。そのため2ドアらしく三角窓を採用しないか、やはり4ドアの実用性として三角窓をつけるかのどちらを取るか、ということになる。
その点で先代ヴェゼルはリヤウインドウが小さいけれども、三角窓は採用しなかった。その分、小さいながらも室内から外の景色がノイズレスにスッキリ見えるようにできている。

水平基調のスタイルとそれを引き立てる前後に伸びた強烈なキャラクターラインが印象的。また、リヤドア以降にサイドウインドウを持たないことで、クーペ感もある。

そして新型はどうか? 大きく違うのは、先代が小さな窓によるクーペ感を演出したのに対して、新型はリヤウインドウを逆に大きく後ろに伸ばして2人乗りワゴンのように見せた。さらに三角窓を採用しなかったことで、前後方向の開放感が増している。
さらに、サイドビューが直線基調であることも加えて、サイドウインドウの下のフェンダー部分の幅が短いことも功を奏し、リヤドアのオープニングラインが短くなった。フェンダーを沿う部分は、ブラックアウトされた部分になったことで、こちらも目立たない。

さらに何よりも強烈なキャラクターラインが前後に水平に伸びているのも効いていると思う。これによってその上下の面が上向きでハイライトが入りやすく、これもまたドアのオープニングラインを見えにくくするように働いているようだ。

これらによって、クーペに比べてフロントドアが前後に短いのは隠しようのない事実だが、2ドアワゴン(あるいはシューティングブレーク)のようなスタイルを与えることに、見事に成功したのだと思う。

左)もちろんオープニングラインはしっかりあるのだが、短く、その面が上向きなのでハイライトで目立ちにくい。 上)内側から見ると広く大きなウインドウ。

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