ダイハツ・コペン | オープンカーに必須の開放感に加え、コペンならではのスタイル、実用性、ドレスフォーメーションにも要注目 ホンダS660販売終了で注目のダイハツ・コペン、その魅力は?
- 2021/05/03
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遠藤正賢

2015年3月にデビューしたホンダの軽オープンカー「S660」が、2022年3月に生産終了。それまでの生産枠はすでに埋まり、販売も終了したことが公式にアナウンスされた。
だがS660より1年早い2014年6月に発売されたダイハツの二代目「コペン」は、保安基準の変更に対応するため、ドアミラーを拡大しオートライトを新設定・標準装備化する一部改良を2021年4月7日に実施。当面の間は生産・販売が継続されると見込まれている。
ここではそんなコペンの、S660にはない魅力を改めて見直したい。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●ダイハツ工業、トヨタ自動車
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すべてのオープンカーが備えているべき最大の魅力は、クローズドボディのクルマでは決して得られない、オープン時の開放感だ。
そのうえで特に重要な設計要件は、Aピラーおよびウィンドシールドの傾斜が少なく、インパネおよびドアパネル上端の位置が低く、シートバックより高い位置に後方視界と頭上空間を遮るものがないこと、だろう。
S660はこれらが決定的に欠けており(その代わりに運動性能は下手な登録車のクーペを凌ぐレベルだが)、コペンは概ねクリアしている。また風の巻き込みも少ないため、オープンエアモータリングの爽快感は格別だ。

また、良い意味で肩の力が抜けた緩い雰囲気も、コペンならではの魅力として挙げられる。
率直に言って走りは、絶対的な速さはもちろん乗り心地やコントロール性に関してもS660の圧勝だが、その裏返しでコペンには適度なダルさがあり限界も低い。また室内空間もS660よりはゆとりがあるため、「真剣にスポーツドライビングを楽しもう」というより「ゆったり流して走ろう」という気にさせてくれる。
初代さながらの丸目ランプを前後に備える「セロ」はさらに、その可愛らしい見た目にも癒される。オープンカーでこうした柔和なデザインを採用するモデルは意外と少なく、これがコペンの大きなアイデンティティになっている。

さらに、コペンは電動開閉式ハードトップを採用しており、クローズ時は空力性能と耐候性、防盗性が高いうえ、荷室容量が望外に大きいことも、忘れてはならないだろう。
実際にそのトランクルームは、9インチのゴルフバッグ1個を斜めに載せられるほど広い。またルーフ格納時でも、ビジネスバッグや背の低い買い物袋程度であれば積めるため、2人以内の世帯であればファーストカーとして使うこともできる。これは荷室そのものが存在しないS660には不可能な芸当だ。

そして最後に、現行コペンならではの「ドレスフォーメーション」について触れておきたい。
骨格のみでボディ剛性を担保する「D-フレーム」構造を採用するとともに、前後バンパー・フェンダー・ライト・フードと左右サイドスカート、フューエルリッドを容易に交換可能なボルト締結構造の樹脂製に。これによって「ローブ」と「セロ」とでエクステリアデザインの組み替えを可能にしたうえ、「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」「GRスポーツ」計4種類の外装バリエーションを与えることに成功している。
ドレスフォーメーションに関しては、通常であれば外した部品の保管場所確保が不可欠になるものの、事故などで損傷した際は異なる形態の部品へ部分的に交換することも可能なため、気持ちをリフレッシュするという意味でも有用ではないだろうか。
2021年5月時点で新車を購入できる軽オープンカーはコペンのみとなってしまったが、裏を返せばまだコペンがある。とはいえ、衝突被害軽減ブレーキの装着義務化を、継続生産車の国産車においても2025年12月に控えている。
そのため、デビュー当初より現在に至るまでADAS「スマートアシスト」の設定がなく、構造上センサーの追加が困難と思われる現行二代目コペンのタイムリミットは、長くともこの時点になる可能性が高い。
S660においては1年後の生産終了が発表された後すぐに注文が殺到し、瞬く間に受注が終了したことも考慮すると、コペンを新車で手に入れるなら早めに動いた方が良いだろう。

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