初代970型の鮮度だって今だに衰えてはいない! 買っとけ!ユーズドカー!! ポルシェ・パナメーラ 編 スポーツカーメーカーが作ったスーパーサルーンがお値打ち
- 2018/08/31
- 中三川大地
ポルシェ製4ドアスポーツカーという新境地を開拓したパナメーラは、鮮烈なデビューから10年近くが経過し、現行モデルは2代目(971型)へ移行した。新型には多種多様なグレードが揃い、街中で見る機会が増えたものの、初代970型の鮮度だって今だに衰えてはいない。中古車市場を見渡せば、魅力的な個体が現実的に手の届く存在になりつつある。
971型が普及する今だからこそ……
一新されたプラットフォームやエンジンなど数多くの新技術をもって全面刷新された2代目ポルシェ・パナメーラ(971型)を、ようやく日本の路上で目にするようになってきた。ボトムレンジを担うベースグレードに加えて、4輪駆動のパナメーラ4、4S、さらにはターボやGTS、次世代を感じさせるEハイブリッドモデルといったラインアップも整った。ボディタイプをみると、先代からあったロングホイールベースのエグゼクティブに加えて、シューティングブレークのスポーツツーリスモが登場したことで話題を集めている。
新型が普及するにつれて、同時に盛りあがりを感じさせるのが中古車の世界だ。初代の970型パナメーラのデビューは2009年。発売当初はリーマンショックに端を発する世界的大不況のあおりを受け、さらに日本では2011年の東日本大震災も手伝って、カイエンがデビューしたときほどの爆発的普及は感じられなかった。それでも地道に販売台数を伸ばして、約7年間の現役時代をまっとうした。それらの個体は、魅力的な中古車となって市場に並んでいる。971型への移行に伴って、その台数はますます増加するはずだ。現ユーザーの乗り換えが期待されるし、また正規販売店のデモカーも徐々に認定中古車として市場に投入されている。今、970型パナメーラは、とても面白い状況にあると言える。
用途や価格帯で選べる、豊富なラインアップ!
初期の個体ならもう4回目の車検を迎えるだけに、パナメーラの選択肢は非常に多い。カイエンならば「デビュー当初はターボなどフラッグシップ勢が売れて、次第にV6モデル(ベーシックグレード)が増加する」という傾向が見られたが、パナメーラに関してはそれが当てはまらないようだ。どの年式を切り取っても、常にハイエンドモデルが一定数存在する。
2013年にパナメーラは大がかりなマイナーチェンジが実施されている。中古車を選ぶ際に注目すべきは、それまで4.8ℓV8エンジンを搭載していたS、4S系が、3.0ℓV6ツインターボへと置き換えられたこと。いち早くライトサイジング(ダウンサイジング)化が図られた格好だが、V8を搭載するのはGTS(自然吸気)とターボ系のみとなった。
それでも強調したいのは、過給機の有無を問わずV8勢の魅力だ。最低限のオプション装備を装着した状態での新車価格にして2500万円近く、グレードや装備内容によっては3000万円付近にまで到達するターボ勢でも、たった2~3年の時間と数万kmを刻んだだけで1000万円台前半に落ち着くことがある。ポルシェ正規ディーラーの販売する認定中古車であっても、その多くは1500万円付近にある。現行型パナメーラ(ベースグレード)の新車を手にするのと同等以下でトップグレードが狙えるとなれば、つい食指が動きそうになる。さらに、納車までの時間が必要となるケースが多い新車に比べて、即納されるメリットも無視できない。なお、2013年式以前の前期型なら1000万円を切る例が珍しくない。初期の個体になると500万円台、あるいはそれを切るような個体もチラホラと見受けられる。
モータージャーナリスト 中三川大地のイチオシ!
個人的には2012年に投入されたGTSが魅力的に映る。これからの時代、V8こそ存続しても、4.8ℓもの大排気量を自然吸気のV8で味わえる新車など絶滅危惧種になるはずだ。それを今なら、新車とほぼ変わらぬ安心感で愉しむことができる。車種を問わず新車のフレッシュさは時間とともに衰えるが、「ポルシェ製V8自然吸気エンジン」という存在価値は未来永劫続く。
もともとポルシェは自社の信頼耐久性に絶対的な自信を持つ。それを実感するユーザーも多いはずだ。たとえば認定中古車をみると、認定中古車になりえる基準が初年度登録から9年、走行距離20万kmと実に幅広い。そうした制度を前にしたら、多少の時間や距離など些細なものと思えてくる。新型のフレッシュさ、なによりその性能に魅かれる気持ちはありつつも、そこから一歩距離を置いて身の丈にあった高性能な4ドアグランツーリスモ(スポーツカー)を欲するのなら、970型パナメーラ、なかなか魅力的な選択肢である。
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