LEXUS(レクサス) UX試乗記|美尻が思わぬ結果を招いた!?
- 2019/06/18
- 大音安弘
レクサスの新クロスオーバーモデル「UX」。新世代技術を満載し、コンパクトハッチ「CT」に次ぐレクサスのエントリーモデルとなるだけに注目される一台だ。レクサスは新たなライフスタイルを探求するモデルとしてこのUXを開発したというが、果たして……。
REPORT&PHOTO●大音安弘(OHTO Yasuhiro)
レクサスの最新モデルであるUXは、これまでSUVに与えられてきた「X」が記されているが、それら兄貴分とは異なり、クロスオーバーであることを明言している。兄貴分たちとは、そもそも立ち位置が異なるというわけだ。
最も分かりやすいのがディメンションで、全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mm。プラットフォームを共有する同じくクロスオーバー「C-HR」よりも全長と全幅はワイドとなるものの、全高については10mm抑えられている。立体駐車場に収まるなど、日本の使用環境をしっかり抑えて開発したのだろう。
スタイルは、かなりインパクトが強い。フロントマスクは、上位のSUVたちと共通性を持たせた力強いものだ。ただ視線をサイドビューに移すと、ボリューミーではあるものの、ロングノーズ、コンパクトなガラスエリア、そして大胆にカットされたリヤエンドにより、ハッチバックにクーペの要素を盛り込んだシルエットを構築しており、クロスオーバーであることを明確にする。特にリヤエンドに至っては、ヒップアップさせたようにシャープだ。ただ、この美尻が思わぬ結果をもたらすのだが……。
インテリアは、レクサスらしい上質さを備えたもの。派手なエクステリアと比較すると、かなり大人な仕上げだ。ソフトタッチで触感が良く、デザインも新世代共通のドライバー中心のもので、以前と比べるとすっきりした。とはいえ、相変わらず小さなボタンがたくさんあるのだが……。
前席に収まるとダッシュボードの高さも抑えられ、前方視界も良いので、広々として快適だ。後席も試してみると、意外にも十分な広さを確保している。サイドのガラスエリアも幅があるので、圧迫感もない。これは新感覚のファミリーカーになるのではと、期待が膨らむ。
しかし、テールゲートを開けた際、その想いは裏切られる。ファストバック風のスタイルから、ある程度ラゲッジスペースが犠牲になることは予想できるため、220Lという容量は良しとしよう。最大の問題は、ラゲッジルーム床面が腰ほどの高さにあることだ。これではどんな荷物も高く持ち上げなくてはならず、ここだけは合点がいかない。ミネラルウォーターなどの箱買いなど重い買い物を想定していないのだろうか?
試乗は、都市部や高速を中心に行った。ロングノーズの先までは望むことはできないが、全長が抑えられていることもあり、取り回しは良い。そのシャープなスタイルから、軽快な走りを予測したが、意外にも、落ち着きあるしっとりとした走りで、静粛性は高く、乗り心地も良い。かなり大人なクルマなのだ。
ちなみに試乗車のパワートレインは、174ps/209Nmの2.0Lエンジンにローギア付きCVTを組み合わせた。このCVTの特徴は、発進時にギアを使うこと。これによりトルコンATのような発進加速を可能としている。ただUXにとって、パワートレインの存在感は薄い。まるで、それがクールとでもいうかのように。だからガソリンかHVかは、単純に好みで選べばよい。
UXは、あらゆる面で絶妙なポイントを攻めたクルマだと思う。自ら都会派と名乗るのは、決してスタイルに留まらず、その使い方も含めてなのだ。日常的に都市部でクルマを使う人は、2プラス的な要素があれば十分という人も多い。
その場合、後席は、子供の乗車スペースや荷物置きとなる。必然的に、遠いラゲッジルームへとしまい込むものは限られる。限定される領域ならば、お洒落を優先すべきということなのだろう。
つまり、クルマもお気に入りのジュエリーやアクセサリーのように、自分を着飾るためのアイテムのひとつに仕立てたというワケ。そのためには、過度なクルマらしさは、野暮ということか。確かにクルマにクルマらしい喜びを求める層は減少しつつある。その答えとしてみるならば、これはレクサス流のクレバーな回答と捉えるべきなのだろう。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
レクサス UX
UX250h Fスポーツエモーショナルエクスプローラ ナビ&TV 衝突被害軽減システム ETC ...
中古価格 500.1万円
レクサス UX
UX200 バージョンC レクサス認定中古車(CPO)メーカーオプション:パノラミックビューモニ...
中古価格 380.5万円
レクサス UX
UX250h エレガントブラック メモリーナビ フルセグ CD/DVD再生機能 全周囲カメラ』ク...
中古価格 410万円
レクサス UX
UX250h バージョンC ナビTV レーダークルーズコントロール ブラインドスポットモニター ...
中古価格 353.8万円
レクサス UX
UX250h アーバンエレガンス 純正ナビ 全周囲カメラ プリクラッシュセーフティー レーダーク...
中古価格 363.8万円
レクサス UX
UX250h Fスポーツ サンルーフ パワーバックドア 3眼LEDヘッドライト 純正18インチA...
中古価格 372万円