【ボルボの近未来05】電気自動車の未来へのマニフェストを示す「ボルボ・コンセプト・リチャージ」を発表
- 2021/07/02
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MotorFan編集部
ボルボ・カーズにとって電動化とは、単にパワートレインの転換を意味するだけではない。カーデザインの新しいパラダイムも意味している。このたび同社が発表した「ボルボ・コンセプト・リチャージ」は、次世代のボルボの電気自動車に対するマニフェストである。
コンセプト・リチャージは「より少なく、より良く」というマントラを核に、ボルボの新しいデザイン言語を導入
コンセプト・リチャージは、スカンジナビアンデザインの伝統に忠実に、「より少なく、より良く」というマントラ(サンスクリットで本来的には「文字」「言葉」を意味)を核にしている。例えば、内燃機関の複雑さを取り除くことで、デザイナーはクルマのプロポーションを進化させ、室内空間を広げると同時に空力を向上させることができた。その結果、持続可能なファミリーライフをサポートするための、真の意味でより良いソリューションを提供するクルマとなった。
ボルボの第一世代の電気自動車は、内燃機関を搭載した車両とフロアを共有しており、バッテリーパックと内燃機関の両方を搭載できるプロポーションとスペースのバランスが求められた。これに対して次世代の全く新しい電動化専用技術をベースとした最初のSUV電気自動車モデルは、コンセプト・リチャージで示すように、フラットフロアを採用。エンジンを取り除き、フラットフロアの下にフルバッテリーパックを搭載することで、デザイナーはホイールベースを延長しホイールサイズを拡大した。その結果、オーバーハングが短くなり、フロントシートの間に大きな収納スペースを設けるなど、室内空間が大幅に拡大した。
コンセプト・リチャージでは、これらの進歩により、デザイナーはXC40、XC60、XC90などのドライバーに愛されている高いアイポイントを維持しながら、シートの位置を変え、ルーフのデザインを最適化し、ボンネットを下げることに成功した。このアプローチにより、一般的なSUVと比較して空力特性が改善。航続距離を伸ばすことができる。
また、このコンセプトカーはボルボの新しいデザイン言語を導入。「より少なく、より良く」というマントラを継承し、不必要な要素はすべて取り除き、残ったものは高精度な平面加工で処理されている。
伝統的なグリルは盾のような構造に変更され、ボルボ車の「トール・ハンマー」ヘッドライトのデザインに新たな解釈を入れている。このヘッドライトには、最新のHDテクノロジーを駆使したピュア・グラフィックが採用され、夜間になると必要に応じてメインランプユニットが現れる。
縦型のリヤランプは、ボルボの伝統的なデザインを踏襲しているが、スポイラーとともに新しいイメージが与えられている。高速走行時にはスポイラーが空力特性をさらに向上させる。
デザイン部門の責任者であるロビン・ペイジ氏は次のように述べている。
「コンセプト・リチャージは、ボルボ・カーズの電気自動車の未来への宣言であると同時に、新しいタイプの車両でもあります。また、このコンセプト・リチャージは、利便性の向上とともに、新しいモダンなプロポーションを示しており、テクノロジーがデザインの面で可能にするものを示しています」
ボルボのデザイン言語は、コンセプト・リチャージの内装でも新しい形をとっています。フラットなフロアは、車内にいるすべての人に、より広いスペースとより良い着座位置を提供する。
新しい15インチの大型スタンディング・タッチスクリーンを中心に、ボルボの次世代コネクテッド・インフォテイメントシステムはユーザーエクスペリエンスを改善。論理的かつ直感的に使えるように設計されたテクノロジーは、穏やかで落ち着いた体験を提供するのに役立つ。
最新のインフォテイメント技術は、スカンジナビアデザインのもうひとつの特徴である、クリーンなラインと、持続可能な天然素材をキャビン内に広く使用することと密接に関係している。
「コンセプト・リチャージでは、スカンジナビアのリビングルームのような雰囲気を演出しています。インテリアは、最新のユーザー体験技術と、サステイナブルで美しい自然素材が融合されています。インテリアの各パーツはアート作品のようであり、個々の家具として独立させられるほどです。私たちは最新のテクノロジーを使用していますが、それだけが目的ではありません。私たちは常にテクノロジーがもたらすメリットに注目しています」とロビン・ペイジ氏。
これらに加えて、コンセプト・リチャージにはボルボ・カーズの今後の安全性に関する高い目標も反映されている。ルーフの最適な位置には、Luminor(ルミナー)製のLiDARセンサーが設置されており、ボルボ車の安全な自律走行技術を実現するための重要な要素となっている。
ロビン・ペイジ氏は次のように締めくくった。
「コンセプト・リチャージでは、ボルボのデザインDNAの豊かなルーツを現代的で新鮮な方法で継承しながら、電気自動車の未来に向かって進んでいます。お客様が電気自動車であるボルボに期待することをすべて表現しており、これらを次世代のクルマに反映させることに興奮しています」
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