著しい進化を果たした「日産セレナ」 ミニバンの人気モデルの6代目「日産セレナ」【最新ミニバン 車種別解説 NISSAN SERENA】
- 2024/06/17
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MotorFan編集部
22年3月にハイブリッドモデルが追加リリースされた「日産セレナ」。注目は先進運転支援機能のプロパイロットの全車装備。エクステリアは先代を踏襲しているが、インテリアは大幅にアップグレードされ、インパネ周りのデザインは先進的で、変わらない安心感と最新の技術とデザインの両立が成されている。
REPORT:青山尚暉(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:日南まみ
全車にプロパイロットを搭載 車内の静粛性はトップレベル
2022年12月にガソリン車を、23年4月にハイブリッドのe-POWERモデルを発売した6代目日産セレナ。エクステリアデザインはどこから見てもセレナ。多くのグレードで8人乗りを設定した、ユーザーフレンドリーなパッケージングも先代と変わらないが、中身の進化は著しい新型だ。
エクステリア
全車に先進運転支援機能のプロパイロットを装備したモデル構成は、5ナンバーサイズを維持した標準車、4連LEDヘッドライト、大型Vモーショングリルで迫力を増したハイウェイスター、最上級新グレードとなる、ハンズオフドライブが行なえるプロパイロット2.0を標準搭載する7人乗りの「ルキシオン」が揃う。インテリアはまったく新しい。特にインパネ、メーター、センターディスプレイのデザイン、レイアウトは電気自動車のアリアを彷彿させる先進感たっぷりだ。先代e-POWERモデルで不採用のスマートマルチセンターシートはこの新型ではe-POWERモデルにも採用される。
乗降性
パッケージングは、ホイールベースが先代比+10㎜にもかかわらず2列目席、3列目席の膝まわり空間を拡大。それでいてラゲッジルームの通常奥行きは先代と変わらないのだから、まさに魔法の居住性優先パッケージに進化。車体後方にスペースがない場所でもラゲッジルームの荷物を出し入れしやすいデュアルバックドアは先代から継承されている。装備面ではe-POWERモデルにステップワゴンにないセレナ初のAC100V/1500Wコンセントを用意したのがハイライト。
インストルメントパネル
動力源は2.0ℓガソリン、発電専用のエンジンを1.2ℓから1.4ℓに拡大し、100%電動駆動の駆動力を高めた主力のハイブリッド=e-POWERの2種類。運転席に乗り込めば、視界は全方向良好。実質5ナンバーサイズのボディ幅もあり、即、運転のしやすさを実感できる。e-POWERハイウェイスターで走り出せば、無論、出足からモーター走行。電動車感の強さを実感させられる。
居住性
軽くスッキリとしたステアリングの操作感、100%モーター駆動によるスムーズかつ静かで力強い加速力にも満足できる。ただし、それはドライブモードがスタンダード以上での話。エコモードではアクセルレスポンスと加速力が極端に穏やかになり、幼児やペットを乗せているときには適切だが、キビキビした走りには不向き。スポーツモードにセットすれば、アクセルレスポンスが高まり、パワフルな走りが味わえるだけでなく、100%モーター駆動車感をよりダイレクトに感じることができる。
うれしい装備
ハイブリッド車はワンペダル感覚で加速、減速が可能な「e-Pedal Step」とEVモードスイッチをセンタークラスターに配置する。走行モードはスタンダード、エコ、スポーツ(ハイブリッド車のみ)から選択できる。左は車線中央維持のハンドルスイッチ。
「X」は前ふたつのみだが、それ以外はフロント、2列目、3列目にUSB電源ソケットを備え、スマホやゲーム機などの充電が可能。床下収納は約220㎜の深さがあり、洗車用具などを積載するのに十分な容量を確保する。荷室リッドは3列目に固定できる。
月間販売台数 7138台(23年5月~10月平均値)
現行型発表 22年11月(4WD車追加 22年12月)
WLTCモード燃費 20.6 ㎞/ℓ ※「e-POWER
ラゲッジルーム
乗り心地は先代の穏やかさ優先のタッチから、ボディ、足まわりの剛性アップによってしっかり感と快適感を絶妙にバランスさせたタッチに進化。荒れた路面、段差などでの不快なショック、振動は見事に抑えられている。全車に高度なハンズオフ走行制御を必要とする「ルキシオン」のプロパイロット2.0前提の走行性能が奢られているのも大きな特徴で、操縦性は穏やかながら、リニアなステアリングフィールが好印象。乗員の頭の動きを抑制する安定感の高さも運転のしやすさに直結。車内の静かさはクラストップレベルだ。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.155「2024 最新ミニバンのすべて」の再構成です。
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