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ホンダ フリード 新型情報|グレード/性能/新車・中古価格
ホンダ フリードの新型モデル情報を紹介します。ホンダ フリードの性能・装備や燃費・内装など特徴をまとめて解説。ホンダ フリード新型モデルのグレード一覧や新車・中古価格をチェックして購入の参考にしてください。
ホンダ フリード新型モデルの概要
ホンダ フリードは、高い人気を誇るコンパクトミニバン。2008年に初代モデルがデビューし、ここに紹介の3代目は2024年6月のデビューだ。
3代目のグランドコンセプトは、「“Smile” Just Right Mover(“スマイル” ジャスト ライト ムーバー)」。使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマといったテーマで開発された。
ラインアップは、シンプルなイメージのAIR(エアー)と、遊び心あふれるCROSSTAR(クロスター)の2タイプで、エアーには、上級グレードのエアーEXを用意。それぞれに、e:HEV(ハイブリッド)とガソリンモデルをラインアップし、4WDも設定する。
乗車定員は3列・6名乗りを全グレードに用意し、エアーEXの2WDには7名乗りも設定。また、クロスターには2WD/4WDともに2列・5名乗りを用意している。
では、さっそく、フリードの魅力を、デザインや実用性、走行性能などといったポイントごとに、見ていこう(なお、クロスターは、スロープとリフトアップシート仕様を除く標準タイプを中心に解説)。
ホンダ フリードの外観・内装デザイン
エアーでは上質で洗練されたシンプルなデザイン、クロスターでは力強く遊び心に満ちたデザインを採用したホンダ フリード。エアーとクロスターでキャラクターの違いをはっきりとさせた外観と、内装デザインの注目ポイントにスポットを当てて、フリードの個性を見ていこう。
外観:クロスターはアクティブさを強調
クルマ全体はシンプルな造形ながら、上質なデザインに仕立てることで、信頼感と使い勝手の良さを感じさせる。ヘッドライトやフロントグリルは、親しみやすさとともに、所有する誇りを表現した。サイドビューは、水平基調のラインで構成。クオリティの高さを感じさせるスタイリングだ。リアビューは、安定感がありスタンスの良い台形のフォルムが特徴で、リアコンビネーションランプは、先代モデルより低い位置に縦に配置した。
アウトドア的な趣のあるクロスターは、これまでよりもいっそう力強さを強調。いつもと違う場所、新しい遊びへのチャレンジなど、好奇心を後押しするモダンでタフなエクステリアを目指している。フロントバンパーやホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュは、ブラックの樹脂によるクラッディングを採用。いっぽう、専用フロントグリル、リアロアガーニッシュ、ルーフレールは輝度のあるシルバーで仕上げた。
内装:「ひだまり」がキーワード
インストルメントパネルに、柔らかなファブリックを大面積で配置。上質感や一体感を強め、リビングルームのようにやすらぎが感じられる環境を演出した。なお、クロスターでは、ファブリックではなく、プライムスムースとなる。
シート地は、エアーがグレージュのカラーで、ファブリック。エアーEXはグレージュのほかブラックのカラーを用意し、シートは、大部分がファブリックで側面はプライムスムースとなる。クロスターでは、ブラック×カーキのカラーコーディネートで、シート地はファブリックと上部プライムスムースのコンビ仕立てだ。
なお、明るいカラーのグレージュでも、子供が触れやすいシートメイン部を濃いグレーとしているのはありがたい。また、優れた撥水性・撥油性を発揮するファブテクト加工も魅力。エアーEXとクロスターのセンターパネルは、防汚性を持つソフトフィール塗装を採用している。
インパネは、上面をフラットにデザイン。インパネ上段から中段に移したメーターは、ステアリングホイールの間から見るインホイールメーターだ。このメーターが、水平基調のインパネを作り出すことに貢献しているのだ。
このメーターは、速度や現在時刻など、必要最小限の情報に絞り込んだシンプルな表示で見やすさとわかりやすさを実現した7インチTFT液晶。インパネのセンターパネルは、運転に関する操作性(シフトやパーキングブレーキのスイッチなど)を右側に、空調などのスイッチを左側にゾーニングして配置することで、操作性のよさを追求している。
ホンダ フリードのサイズ・室内スペース
幅広い年齢層に支持されるべく誕生した新たなホンダ フリード。ライフステージもライフスタイルも異なる多様なユーザー層に調和させながら、フリードらしさを際立たせることがテーマとなった。使い勝手の良さはイメージできるが、実際のサイズは取り回しに関係するだけに注目したいポイント。また、快適性や使い勝手を左右する室内スペースや収納についてもチェックしていこう。
ボディサイズ:クロスターは3ナンバーサイズ
エアーのボディサイズは、全長4310㎜×全幅1695㎜×全高1755㎜(4WDの全高は1780mm)。従来型に比較して、全長が45mm長くなっているが、これは2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載に対応させるものだが、延長分は最小限にとどめているという。全幅は、従来モデルと共通だ。
クロスターは、全長4310㎜×全幅1720㎜×全高1755㎜(4WDの全高は1780mm)で、エアーとの違いは全幅で、25mm多い3ナンバーの枠になっている。これは、ホイールアーチプロテクター装着によるもの。取り回しという点では、実質的には大きな違いはないだろう。
室内スペース:ウォークスルーがさらにしやすく
ホイールベースは2740mmで従来と共通ながら、2列目席の膝まわり空間を30mm拡大。3列目席の肩まわりは65mm(片側32.5mm)拡大した。先代モデルを上回る快適空間を作り上げている。
3列シート仕様は、6人乗りと7人乗りがあり、6人乗りは2列目がキャプテンシート、7人乗りは3名座れるベンチシートだ。6人乗り仕様は、1列目席から3列目席までのウォークスルーが可能だ。1列目シートと2列目シートの肩口とヘッドレストをシェイプアップして、ウォークスルーがしやすくなった。シートの腕当たりが少ないため、2列目席を前方にスライドすれば、2列目に座らせた子どもの簡単なケアなら、運転席に座ったまま行えるという。
7人乗りは、2列目シートがスライドできないが、3列目を畳んだときに、5名乗車ができるメリットがある。
また、フロントピラーの付け根をタイヤの真上に配置したことで、運転中、タイヤの位置がイメージしやすく、車幅がつかみやすいデザインになっているのも見逃せないポイントだ。
収納スペース:2列シート仕様は超低床フロアの荷室
インパネトレー(助手席側)は、奥側を深くすることで、加速時に小物が落ちにくい構造。このほかインパネトレイを、運転席の左右や、センター部に用意し、スペースをめいっぱい活用している。インパネアッパーボックスは助手席側に移動し、容量を拡大するとともに、ボックスティッシュが取り出しやすい角度で収めることができるなど細かな気配りが心憎い。
ドリンクホルダー(運転席/助手席)のほか、ボトルホルダー付き大型ドアポケット(運転席/助手席)も使いやすい。2列目席用にスライドドアボトルホルダーを設置。3列目用にも左右にボトルホルダーを設けている。
荷室について見ていこう。3列目席は、座り心地の良さはそのままに、シート構造部の軽量化と薄型化を実現し、畳み方は、シンプルな左右跳ね上げ式。2列目席を使用しながら跳ね上げが可能だ。シート跳ね上げ時の固定位置を低く、ほぼ垂直にした効果は大きく、荷室への張り出し量を最小限とすることができ、畳んだときの左右間の距離を従来モデルより約160㎜拡大できた。
7人乗りの2列目席は、先述のようにスライド機能を持たないが、背もたれを倒したあと座面も前に起こせるため、大きな荷物を積む際はこの機能が使える。もちろん6対4の分割式。
クロスターに設定した2列シート仕様の荷室は、従来のフリードプラスで実現した超低床フロアの設計を継承しながら、使い勝手を高めている。開口部地上高は335mmで、コンパクトミニバンで最も低い設定を今回も実現。3列シート仕様が開口部地上高480mmだから145mm低い設計だ。その分、テールゲートも長い。
このほか、クロスターの2列シート仕様は、後席の座面を前方にはね上げ、背もたれを前倒しする機構や、荷室を上下2段に分割して使えるのも、フリードプラスから受け継いだ。この上下2分割するユーティリティボードは、耐荷重200kg。しかも、表と裏を反転させると濡れたアイテムを載せられるワイパブル仕様となっているのもうれしいポイントだ。
ホンダ フリードの性能・燃費・装備
扱いやすさと穏やかな乗り心地。そして、こころに余裕をもたらす、やさしいダイナミック性能を目指したホンダ フリード。その走りの性能を引き上げるために投入されたメカニズムや、ランニングコストに関連する燃費など、気になるポイントをチェックしていこう。合わせて、安全性能や、装備・機能についても見ていこう。
走行性能:e:HEVをフリード初搭載
ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載モデルと、1.5L・DOHC・i-VTECエンジン搭載モデルをラインアップした。
e:HEVは、エンジンで発電しモーターで走行するシリーズハイブリッド方式を基本に、バッテリー電力のみで電気自動車として走行する「EVモード」や、エンジンとタイヤを直結しガソリン車として走行する「エンジンモード」を備える。モーターならではの低速域からの力強い走りを提供しつつ、乗る人全員が安心できる穏やかでスムーズな走りを実現した。
ガソリンモデルでは、静粛性に優れたポート噴射エンジンを採用。CVTは、フリクションの低減で伝達効率を向上させ、ローレシオ設定により多人数乗車時にもスムーズな加速をもたらしている点がポイントだ。
また、リアルタイムAWDを、e:HEVとガソリンの両モデルにラインアップ。雪上走行や悪天候時でも安定したドライビングの提供を目指した。とくにe:HEVとの組み合わせでは、モータードライブの大トルクを素早く最適に駆動配分。さまざまな路面シチュエーションで安定感のある走りを実現させている。
ボディ剛性バランスを適正化。ドライバーの意思に忠実に応える、素直で安心感の高いハンドリング性能も追求した。サスペンションは、フリクションを低減。荒れた路面での走行をふさわしい特性とし、また、段差を乗り越す際の振動を抑制することで、快適な乗り心地をもたらした。
安全性能:先進の安全運転支援システム搭載
まず、フロントピラーを1本とし、ドアミラーの位置も変更したことで、斜め前方の視界を向上させた点がポイント。歩行者を認識しやすくし、さらなる安心感を提供することを目指している。
安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は全車に標準装備。フロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムで、安心・安全を追求した。
●Honda SENSING搭載機能一覧
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・誤発進抑制機能
・後方誤発進抑制機能
・近距離衝突軽減ブレーキ
・急アクセル抑制機能(ディーラーオプションとしてセットアップ費用が別途必要)
・歩行者事故低減ステアリング
・路外逸脱抑制機能
・渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
・車線維持支援システム(LKAS)
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・オートハイビーム
・アダプティブドライビングビーム(エアーEXとクロスターのどちらもe:HEVの6人乗りにオプションで設定)
・トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
・ブラインドスポットインフォメーション(エアーEXとクロスターに標準装備。エアーは非装備)
・パーキングセンサーシステム
・後退出庫サポート(エアーEXとクロスターのどちらもe:HEVの6人乗りにオプションで設定)
燃費性能:WLTCモード燃費25.6km/Lを実現
フリードとして初搭載となったe:HEV。ホンダ独自の高効率・低燃費な2モーターハイブリッドシステムだ。WLTCモード燃費は、エアー(2WD)で25.6km/Lをマークした。最も燃費で不利となるクロスター4WD・6人乗りでも21.1km/Lという数値を達成している。
e:HEVに採用のエンジンは、熱効率に優れたアトキンソンサイクルに加え、VTECと電動VTCによる高精度バルブコントロールにより最適な燃焼を実現。先代ハイブリッドモデルに対して、燃焼の高速化やフリクションの低減によって最大熱効率を40%以上に引き上げるなど、走りと燃費をより高い次元で両立させている。
ガソリンモデルは、ヴェゼルのガソリン車と同じ自然吸気エンジンを最適化して搭載。VTCが走行状況に応じて吸気バルブを最適制御し、なめらかなトルク特性とともに、優れた燃費性能を提供している。WLTCモード燃費データは、エアー(2WD)で16.5km/Lをマークしている。
装備・機能:快適装備を全車に標準
フルオートエアコンのほか、スマートキー、テレスコピックステアリング、リアヒーターダクトを全車に標準装備。ナビは全車がオプションだが、装着用パッケージは全車に装備している。
全車に装備する両側パワースライドドアは、ドアハンドルを少し引くだけで自動開閉。もちろん、リモコンや運転席のスイッチでの操作も可能だ。スライドドアが開いた状態でも、ロックボタンで施錠予約が可能な予約ロック機能も全車に装備する。
リアクーラーは、エアーEX全車とクロスターの6人乗りに標準装備。シートヒーターはエアーの2WDモデルを除く全車に装備した。
ヘッドライトは全車フルLED。クロスターはLEDフォグも装備する。タイヤサイズは全車が共通で、185/65R15。エアーはフルキャップ、エアーEXはアルミホイール、クロスターは専用デザインのアルミホイールを組み合わせる。
ホンダ フリードおすすめポイント要約
使い勝手や快適性を高めながら、先進装備やe:HEVの投入など、全方位で魅力を磨き上げて登場した新たなフリード。ぜひ注目したいコンパクトミニバンだ。
エアーを選ぶか?クロスターを選ぶか? 装備の充実度やキャラクターではクロスターも魅力的だが、ベースのエアーに対して新車価格は、30万円ほどのアップとなる。なお、エアーとエアーEXの価格差は19万円ほどなので、装備と価格のバランスという点ではエアーEXはとても魅力的に見える。
なお、荷室のフロアが超低床の2列シート(5名乗り)仕様はクロスターのみ。また2列目シートがベンチシートの7名乗りはエアーEXの2WDのみとなる。そのあたりもグレード選定の決め手になってきそうだ。
ガソリンモデルとe:HEVモデルの価格差は35万円ほど。WLTCモード燃費データをエアー(2WD)同士で比較すると、e:HEVで25.6km/L、ガソリンで16.5km/L。単純に割り算すると、e:HEVはガソリンモデルの5割増しの燃費データとなる。ガソリン価格の高騰が続けば、燃料代については、走行距離によるが、e:HEVモデルのメリットを感じるものの、車両の価格差をどう捉えるか。リセールは、一概には言えないが、e:HEVモデルが高いはずなので、リセールの面も考慮に入れて、ディーラーでは相談や見積もり比較をするとよさそうだ。残価クレジットでも、パワートレインが残価率に影響するケースが多いので、その点にも注目して見積もり比較をしてみたい。
従来モデルも完成度が高く、人気を集めただけに、中古車を検討するのも大いにアリ。台数も多いので、お気に入りの1台を探してみたい。