ホンダ・フィットモデューロX “実効空力”によって操縦安定性も乗り心地も大きく変わるのを3種類のフリード比較試乗で体感 間もなく発売!? ホンダ・フィットモデューロX(プロトタイプ)サーキット試乗インプレ…ベース車の穏やかさがウソのように軽快なハンドリング。機能・質感とも高い内装も華やかな彩りに進化
- 2021/03/28
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遠藤正賢
ホンダ車向け純正アクセサリーを取り扱うホンダアクセスが開発するコンプリートカー「モデューロX」シリーズ。その最新モデルとして間もなく発売と噂される新型四代目フィットモデューロXのプロトタイプと、同車のベース車となっている「e:HEVリュクス」を、袖ケ浦フォレストレースウェイで比較試乗する機会を得た。
また、フリードのモデューロXとベース車、さらにはモデューロXからフロンバンパーだけをベース車のものに交換した車両を、比較試乗のうえ各車の後席にも同乗試乗。果たしてホンダアクセスが提唱する“実効空力”デバイスの効果とは?
なお、1コーナー手前には水たまり、5~8コーナーには左右間約2.3mのパイロン、9コーナーには段差が設けられ、走行環境の厳しい一般道を模したコースとなっていた。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●ホンダアクセス、遠藤正賢
モデューロXの“実効空力”が新世代へ! 新型ホンダ・フィット/フリード(マイナーチェンジ)モデューロXコンセプト【東京オートサロン2020】
1月10日より千葉県の幕張メッセで開幕した「東京オートサロン2020」の中4ホールにあるHonda/無限ブースでは、2月発売予定の新...
新型フィットモデューロXのコンセプトモデルは2020年1月の東京オートサロンで、ベース車の販売開始に1ヵ月先んじて世界初公開された。これまではコンセプトモデルがベース車のデビュー後、市販モデルはベース車のデビューから最低でも1年以上経過してから発表されることが多かっただけに、異例の早さと言える。
それから約1年後に袖ケ浦で披露されたプロトタイプは、「よりテスト車両らしく見えるよう、敢えて黒のラッピングを施した」という前後バンパー・グリルを除いては、そのエクステリアにコンセプトモデルからの大きな変化は見られない。迫力をアップしつつ“実効空力”デバイスを盛り込んだ前後バンパー・グリル、標準装備品より張り出しをごくわずかに大きくしたリヤスポイラー、剛性バランスのみならず軽さも追求したアルミホイール、専用セッティングのスポーツサスペンションなど、チューニングメニュー自体は共通だ。
もちろん、ベース車と比較すれば、その外観は大きく異なる。ベース車はシンプルな造形で、特にフロントまわりは大型のフラップで風を極力ボディ下面へ流さず、空気抵抗を低減しようとしているのに対し、モデューロXはバンパーの下部およびサイドに整流効果のある形状を与えることで、空力を運動性能向上に積極的に活用しようとする意図が見て取れる。
しかし、最も大きく変化したのはインテリアだろう。公開された車両のベース車となっている上級モデル「e:HEVリュクス」に対し、シート生地に滑りにくい素材が多用されているほか、各部のステッチやパイピングなどがボルドー色となり、質感がアップしつつシートのホールド性も向上している点は、モデューロXのコンセプトモデルもプロトタイプも変わらない。
だがプロトタイプでは、ステアリングホイール内側下部や前後シートサイドにもボルドー色が与えられており、ベース車のブラック内装やコンセプトモデルよりも遥かに華やかな雰囲気になったのは、大いに歓迎すべきことだろう。
さて、実際に乗り比べてみるとどうか。まずベース車のe:HEVリュクスでコースインすると、ヨーやロール、パワー・トルクとも出方が穏やかで、今回のようなサーキットでは操作と挙動とのタイムラグが少なからず気になってくる。一方、段差が設けられた9コーナーではリヤからの強い突き上げに見舞われ、挙動を乱しがちになる傾向が見られた。
なお、先代の1モーター式「i-DCD」から2モーター式に変更されバッテリーの容量・制御とも大幅に進化したe:HEVが、電池切れや熱ダレによるパワーダウンの兆候を見せることなく、サーキットでの全開走行を10分以上続けられたのには大いに驚かされた。
これに対しモデューロXプロトタイプは、ことハンドリングに関してはベース車の穏やかさがウソのように軽快になり、ドライバーの意思に即座に反応する一体感を見せてくれる。また直進性も高く、1コーナー手前の水たまりや5~8コーナーに設けられたワンミス即パイロンタッチの狭い道を、高い速度で通過してもふらつく素振りすら見せないため、安心してクリアすることができた。ただし9コーナーの段差では突き上げの強さが充分には解消されていないため、発売までにさらに熟成されることを期待したい。
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