環境/社会/法規 尿素SCR(尿素選択触媒還元) Urea Selective Catalystic Reactor
- 2019/12/26
還元剤を用いて特定の物質に化学反応を発生させ、べつの物質に変えるシステムが選択触媒還元。自動車用では、尿素水:CO(NH2)2を用いて窒素酸化物:NOxを退治する尿素SCRが用いられる。尿素水を排ガスに噴霧すると加水分解されてアンモニア:NH3とHNCO に分かれる。このうちHNCOはさらに水と反応しHN3とCO2になる。このNH3を用いてNOおよびNO2を還元し、最終的に2N2〜5N2という窒素とH2Oにする。尿素水(アドブルーという商品名も使われる)に含まれるN(窒素)とH(水素)を使い、排ガス中のNOまたはNO2を無害な窒素分子と水に変換する。ただし、排ガスの状態によってはアンモニアがすべて消費されずに残るアンモニア・スリップという現象が起きるため、この残留アンモニアを処理するため尿素SCRの後段に酸化触媒を置く例もある。ちなにみアンモニアは危険物であり、そのままの状態で車載するのではなく尿素水として搭載される。
-大車林