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オートモーティブ ワールド2019 トリプルクラッチの48Vハイブリッドモジュール:ボルグワーナー

  • 2019/01/29
  • Motor Fan illustrated編集部
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P2型オンアクシスハイブリッドモジュール

P0からP4、そしてパワースプリット型と、多彩な48Vソリューションを提案するボルグワーナー。オートモーティブ ワールド2019に、P2型オンアクシスハイブリッドモジュールのカットモデルを展示していた。
*本展は業界関係者のための商談展です。一般の方のご入場はできません。
TEXT & PHOTO◎萬澤龍太(MANZAWA Ryuta/MotorFan TECH)

 厳しさを増す欧州の燃費規制の解としてサプライヤーが提唱する48Vシステム。数百ボルトのストロングハイブリッドではなく比較的低電圧、しかし通常の12Vよりは高電圧のシステム電圧とすることで、出力と小型化と低コスト化を満足させる方策として、各社が力を入れている分野だ。ボルグワーナーは、その48Vシステムのうち、P2型オンアクシスハイブリッドモジュールを展示していた。

 ご存じ、48Vソリューションにはモーターの設置箇所によって5つの種類がある。

 P0:ベルト駆動のスタータジェネレータ/オルタネータ
 P1:ギヤ駆動のスタータ代替ジェネレータ
 P2:エンジン〜トランスミッション間
 P3:プロペラシャフト〜デファレンシャル間
 P4:ドライブシャフト駆動
 
 加えて、ボルグワーナーはPS型と称するソリューションを提案。パワースプリットの略からうかがえるように、FWD車の後軸をモーターで駆動するコンセプトだ。これら5種+1種のソリューション群に対して、「顧客であるOEMはいずれにも興味を示している」と説明、さらに各社がどの型に力が入れているかを示した。

ご覧のように、P0とP2型に人気が集まる状況。ボルグワーナーも本展示会にP2型オンアクシスハイブリッドモジュールを持ち込んだ。
3セットのクラッチパック。異径構造のDCTにおいては、発進を担う奇数段は大径とすることが多い。右側はエンジンとの断続用。

 先述のようにこのP2-HMはエンジンとトランスミッションの間、スターティングデバイスの位置に収められるのが特徴。展示モデルは3つのクラッチパックを持つDCTアプリケーションだったが、ステップATでもCVTでも、果てはMTでも適用できるフレキシビリティが特長である。つまり、通常のエンジン/トランスミッションの大幅な改変を伴わずとも、このP2-HMを適用できるとボルグワーナーは説明する。

 3つのクラッチパックの内訳は、右側がエンジン出力との断続、中が偶数段用クラッチ、左側が奇数段用クラッチ。右側クラッチを解放すればモーター走行や減速時の効率的な回生エネルギー回収を可能とし、締結すればエンジンとモーターのハイブリッド出力とすることができる。

 3つのクラッチパックの外周にはロータが、さらにその外周にステータが置かれる。じつはこのP2-HMの技術的ハイライトのひとつがこのステータで、波巻構造を採っている。英語ではSワインドと呼ばれる手法。
 通常のステータを仕立てるときには、U字型の動線を差し込み、反対側に飛び出た箇所を溶接することで巻線としていく。だからステータの反対側にはそのためのスペースが必要だ。
 この波巻構造は連続してワインディングし続けられるため、スペース効率に富むのが美点。その分、幅方向で寸法をより詰めることに成功している。なお、波巻構造を実現しているステータは(少なくとも自動車用の製品としては)まだないという。

波巻構造のステータ。ご覧のように銅線を連続して巻き続ける構造。Sワインドと呼称される理由もうかがえる。

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