自作のフォーミュラで覇を競う! 学生フォーミュラの楽しみ方 学生フォーミュラ日本大会2019直前ガイド そもそも学生フォーミュラってなに?歴代優勝校は?
- 2019/08/25
- Motor Fan illustrated編集部
8月27日から31日までの5日間、静岡県小笠山総合運動公園で学生フォーミュラ日本大会2019が開催される。どのような車両でいかなる技を競い合うのかをご紹介しよう。
PHOTO:松沼 猛(MATSUNUMA Takeru)
17回目を数える学生フォーミュラ日本大会では「主役である学生が自ら構想・設計、製作した車両により、ものづくりの総合力を競い、産学官民で支援して、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成する」のを大会趣旨とする。強豪校の模倣(と言っては少々失礼だが)というトレンドは少なくないものの、学生諸君による斬新なアイディアにあふれたユニークな車両が現れるのが非常に楽しい。
では、車両の設計要件/安全要件はどのように定められているのだろうか。2019年のレギュレーションでは以下のようにされている。
エンジン車クラスにおいて、パワートレインが「4ストローク/710cc以下」となると、自ずと選択肢はモーターサイクル用のエンジンとなるが、もちろん限定されているわけではない。かつては軽自動車用のエンジンの排気量を調整して挑戦したチームもいたくらいだ。モーターサイクル用のエンジンとなると単気筒から4気筒までバリエーションに富み、これらはトランスミッションも一体化されているユニットであることから、どのバイクから選ぶかで変速段数も決まってくる。MTならばシーケンシャル、大型スクーターから選べば無段変速機(CVT)とすることもできる。
サスペンションは大半がダブルウィッシュボーン+コイルばね。フレームは鋼管を組み上げて製作しGFRP/CFRPやアルミなどのスキンを被せる。なかにはCFRPを用いたモノコックという猛者もいるのが驚きだ。また、このところは空力を考慮してか巨大なウイング/スポイラーを備える車両が多い。
何を競うか
大会において何をするかをざっくり説明すると、競技に参加するための車検をクリア、そして静的審査と動的審査のそれぞれで得点を獲得していくという流れ。
【車検】
・技術検査:ルールに定められた車両の安全・設計要件の適合性確認
・チルト:車両45度傾斜で燃料漏れ確認、
ドライバーが乗車し車両60度傾斜で転覆しないことの確認
・騒音(ICVクラスのみ):所定の条件で排気音レベルを確認(110dBC以下)
・ブレーキ:4輪ブレーキ(4輪ロック)を確認・検査
・レイン(EVクラスのみ):絶縁がされているかを確認
【静的審査】
・コストと製造:年産1000台を仮定したコストテーブルに基づき事前提出書類を提出し、コストの妥当性を審査。また、リアルケースシナリオでは指定した部品の製造工程などの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価(配点:100)
・プレゼンテーション:『市場要求に合った車両の製造・販売を含むビジネスプランを会社役員へ納得させる』という仮想のシチュエーションで行う(配点:75)
・デザイン(設計):チームからの事前提出書類と車両をもとに 、設計の適切さ、革新性、加工性、整備性、組立性などを口頭試問により審査(配点:150)
【動的審査】
・アクセラレーション(配点:100)
・スキッドパッド(配点:75)
・オートクロス(配点:125)
・エンデュランス(配点:275)
静的と動的審査の各項目、合計1000点のうちどれだけ獲得できたかで優劣を競う。学生フォーミュラで何よりユニークなのが静的審査の存在だろう。速いクルマ、腕の立つドライバーだけが優れているのではなく、そのクルマをいかにリーズナブルに仕立てるかという視点も求められるのだ。
これまでの総合優勝校
第01回 上智大学
第02回 テキサス大学アーリントン校
第03回 金沢大学
第04回 上智大学
第05回 上智大学
第06回 上智大学
第07回 東京大学
第08回 大阪大学
第09回 上智大学
第10回 京都工芸繊維大学
第11回 京都大学
第12回 名古屋大学
第13回 グラーツ工科大学
第14回 京都工芸繊維大学
第15回 京都工芸繊維大学
第16回 大阪大学
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