ボッシュ:新型コロナウイルス感染症の迅速検査システムを開発
- 2020/03/30
- Motor Fan illustrated編集部

ボッシュは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の迅速検査システムを開発した。2時間半以内に検査結果が判明する。
新型コロナウイルス感染症は、世界中の医療制度と医療機関に大きな課題を突き付けている。ウイルスを迅速に診断する能力は、多くの国における爆発的拡大の抑制に非常に役立つ。ボッシュが新たに開発した新型コロナウイルス感染症完全自動迅速検査システムは、診療所、病院、検査施設および保健所といった医療機関での迅速な診断に役立てることができる。
本システムは、ボッシュヘルスケアソリューションズのVivalytic分析装置上で作動する。「私たちは、ボッシュの迅速検査システムが、コロナウイルスの世界的流行の食い止めに出来るだけ早く貢献することを望んでいます。この検査システムにより、感染した患者の特定と隔離が加速するでしょう」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のフォルクマル・デナー氏は語る。
迅速な結果提供により拡大を減速
6週間で開発した迅速検査により、検体採取からわずか2時間半以内に、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)の検出結果が判明する。また、臨床現場で直接実施できるため、検体の輸送が不要となる。これにより、感染者の特定や迅速な隔離が可能になると同時に、患者が自分の健康状態について素早く確実に把握することができるようになる。
現在の検査では通常、患者に検査結果が通知されるまでに1日から2日を要している。「コロナウイルスとの闘いでは、時間が非常に重要です。現場で確実かつ素早い診断を直接行えることは、私たちのソリューションの大きな利点であり、『Invented for life』テクノロジーそのものです」とデナー氏は述べている。
鑑別診断:10種類の呼吸器病原体を同時に診断
ボッシュの迅速検査は、あらゆる医療機関で使用できる世界初の完全自動分子診断検査のひとつ。さらに新型コロナウイルス感染症に限らず、インフルエンザA型およびB型を含む他の9種類の呼吸器病原体についても、ひとつの検体から同時に検査することができる。
「ボッシュの検査の特徴は、鑑別診断を提供することです。これにより、医師がさらなる検査に要する時間が節約できます。しかも信頼できる診断結果がすぐに提供されるので、医師は適切な治療をより素早く開始することが可能です」と、ボッシュヘルスケアソリューションズGmbH社長のMarc Meier氏は語る。新たに開発した検査システムは4月からドイツで利用可能になり、その後、欧州の他の市場やその他の地域にも提供される予定。
ボッシュの新コロナウイルス感染症の迅速検査システムは、子会社のボッシュヘルスケアソリューションズと北アイルランドの医療技術企業であるRandox Laboratories Ltd.との協働の成果である。「私たちは、パートナーのRandoxと協力して、きわめて短期間にこの革新的な迅速検査システムの開発に成功しました。今や私たちは、これを市場に提供できる状態にあります。ボッシュのVivalytic分析装置は、病院や検査施設、そして診療所において、直接、安全かつ確実に検査を実施し、患者と医療スタッフに最善の安全性を提供します」とMeier氏は述べる。ボッシュは現在、ロバート・ボッシュ病院などの医療機関で働く医師や看護スタッフが、他者への感染のおそれなくできるだけ長く働けるよう、彼らが迅速に検査を受ける方法を検証している。
医療現場での容易な適用
さまざまな臨床試験の結果、ボッシュの検査は95%以上の精度で結果を提供した。この迅速検査システムは、世界保健機関(WHO)の品質基準を満たしている。検体は、患者の鼻または喉から綿棒を使って採取、続いて、検査に必要なすべての試薬がすでに収められているカートリッジをVivalytic装置に挿入して分析する。分析中、医療スタッフは患者の治療などの別の業務に携わることができる。
Vivalytic分析装置は、非常に使いやすい設計で、特別な訓練を受けていない医療スタッフでも確実に検査を実施することができる。ボッシュのVivalytic分析装置は、24時間のうちに最大10種類の検査を実施することができる。すなわち、100台の装置で1日あたり最大1,000回の検査を行うことができるようになる。新型コロナウイルス感染症の拡大が勢いを増す中で、検査施設はすでに能力を超えて稼働している。ボッシュのVivalyticは、対応可能な検査件数の拡大に貢献する。

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