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【海外技術情報】アウディ:エネルギープロバイダーと提携して、グリーン電力を使用した充電ステーションを増やす試み

  • 2021/06/28
  • 川島礼二郎
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アウディのビジョンは完全に明確だ。カーボンニュートラルなモビリティのプロバイダーになろうと考えている。この目標を達成するため、エネルギープロバイダーと提携して、再生可能エネルギー利用の拡大をサポートしている。今回は、アウディが行っている取り組みと、その狙いについて、紹介して行こう。
TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)

 アウディの目的は、様々なパートナーと協力しながら、2025年までにヨーロッパの国々に新しい風力および太陽光発電所を建設することである。合わせて約5テラワット時間のグリーン電力を新たに生成できると予測している。これは約250基の新しい風力タービンの設備容量に相当する。最初のプロジェクトであるドイツのメクレンブルクフォアポンメルン州のソーラーパークは、ドイツの公益事業会社RWEとの共同開発である。このプラントは2022年に稼働を開始する予定であり、総容量1億7,000万キロワット時というサイズで設計されている。約42万枚のソーラーパネルを備え、ドイツで最大の独立したソーラーパークの1つとなる。
エネルギープロバイダーとの提携は、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという会社のビジョンを達成するための次のステップである。この目的を達成するため、アウディはモデルのライフサイクル全体を調査している。それは部品製造から自動車生産までの原材料の抽出から始まり、利用段階(燃料や電力の供給を含む車両の運転)を経て、最終的にリサイクルされるまでを含んでいる。

 中間目標として、アウディは2025年までにライフサイクル全体における二酸化炭素排出量を30%削減することを目指している。ヨーロッパのエネルギー供給事業社と提携することで、利用段階を継続的に脱炭素化することを目指しているのである。

 EVの場合、最も重要な要素の1つが、充電に使用される電力である。EVは路上では二酸化炭素を排出しないが、発電の方法によっては発電時に排出してしまう。当然のことながら発電時の二酸化炭素の排出量は、化石燃料から電力を生成する場合に遥かに多くなる。アウディが再生可能エネルギーによる発電に直接資金を提供するのは、それを防ぐためである。

 エネルギー供給事業者とのパートナーシップの目的は、今日まだ実現されていない「充電プロセスにおける電力をグリーン電力でカバーすること」である。EVのシェア増加と歩調を合わせて、パートナーによって生成される再生可能エネルギーによる電力のシェアを増やすことを目指す。既に現在でもアウディのドライバーが自宅で充電する際には、VWの子会社であるElli社(Electric Life)が提供するグリーンパワーソリューションを使用できる。道路での充電としては、IONITY充電ネットワークを筆頭として、他の多くの充電ポイントオペレーターも、グリーン電力を使い始めている。

 アウディの技術開発管理委員会のメンバーであるオリバー・ホフマン氏は以下のように述べた。
「私たちはカーボンニュートラルなモビリティを実現するため、懸命に取り組んでいます。産業規模での再生可能エネルギーの拡大は、次の合理的なステップです。私たちの最初のプロジェクトであるメクレンブルクフォアポンメルン州の大規模なソーラーパークは、早くも2022年に稼働を開始します」

 アウディは地域的な特性を考慮したアプローチを取っている。特に充電需要が高い地域におけるプロジェクトを優先している。さらなるグリーン電力の生成を支援することにより、既存の再生可能エネルギーをアウディ・ドライバーが消費しないことを目指している。この考え方は、長期的には、ヨーロッパ以外の地域にも拡大して、適用される。

 アウディは製造段階にも焦点を当てている。2018年にサプライチェーンでCO2プログラムを開始して、直接のサプライヤーと協力して潜在的な二酸化炭素削減を特定している。クローズドマテリアルサイクル、二次材料使用を段階的に増加させる、プラスチックコンポーネントへのリサイクル材料の使用、それにグリーンパワーの使用はすべて、二酸化炭素排出量を削減するための、具体的な可能性を示している。

 アウディはこれらの措置の実施についてサプライヤーと契約上合意し、2025年までに完全に施行する予定である。グリーン電力の使用は2018年以来、HVバッテリーセルメーカーとのサプライヤー契約の不可欠な部分となっている。これら対策の有効性は、ライフサイクル分析に基づいて、第三者から認定を受けている。この包括的なプログラムには、直接のサプライヤーだけでなく、サブサプライヤーも含まれている。

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