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名匠が考えるZ900RSの本質、 Zを知り尽くすビトーR&Dが、「Z900RS」に望むものとはなにか?

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前後18インチ化で目指したのは “より人に近い” コーナリング

Z900RSのカスタムバイクを製作するにあたり、美藤氏が最初に行ったのはノーマルの状態で走りこむことであったという。

「すべてが軽い。よく走って、よく曲がる。 ブレーキもしっかり効く。悪いところがあるように思えませんでした。これは、いじる必要があるのだろうか? と......」

バイクをカスタマイズする理由は様々だ。”なんとなくいじりたい”という理由で、 改造に走るユーザーも存在する。バイクの楽しみ方は人それぞれだから、否定すべきではないが、そうした“カスタムが目的のカスタム”は美藤氏の流儀ではない。カスタムマシンを製作するときのコンセプトは常にひとつだ。

「乗って気になるところに手を加えるだけです。それは、どんなバイクであっても変わりません」

美藤氏によるZ900RSの評価は「曲がり過ぎる」というものだった。 「コーナリング性能が高いことは、マイナスの要素ではありません。あくまで主観の話になりますが、もっとスタビリティが高くてもよいと感じました」

まずはホイールを前後18インチ化。適切なトレール量を得るために、フォークオフセット量の増大が可能な、可変オフセット式フォークブリッジも製作された。

「Z900RSは出来すぎな部分がある。コーナリングに必要な動作をバイクが勝手にこなしてしまう。人の手が介在する余地を残した方が、ライダーは楽しめると考えたのです。径が大きく、幅も狭い18インチタイヤを履かせることで、より穏やかで手応えのあるハンドリングが得られます。ホイールはJBマグ鍛ですから、18インチといっても、昔のように重いわけではありません。実に面白い乗り味に仕上がりました」

また、美藤氏がこだわったのがキャリアだというから面白い。
「ツーリングに使ってみたいと考えたのですが、荷物が積みやすいバイクとはいえません。自分がZ900RSを楽しむために、キャリアは絶対に必要でした」

同じように考えるオーナーは少なくないだろう。だが、残念なことにキャリアの商品化予定はないそうだ。このキャリア、耐久性と耐荷重を確保するため、フレームに専用取り付けボスを増設して装着されている。フレームに溶接加工を行うのだから、手軽に装着できるものではない。

「スタンダードなバイクなのですから、様々な使用用途を考慮すべきでしょう。純正キャリアが設定されるのが理想ですけど」と、カワサキへの要望も忘れない。

新時代のスタンダードへと成長するように、美藤氏自身も期待しているというZ900RS。このマシンは、そんな美藤氏が考える理想を形にした一台といえるだろう。

<美藤 定>
ビトーR&D代表。青年時代、Z2でアメリカを放浪ツーリング。メンテナンスで立ち寄ったバイクショップが、アメリカ進出に挑戦中であっ たヨシムラ。アルバイトとして採用され、POP 吉村に師事する。ホンダAMA、ホンダWGP他でレースメカとして活躍し、帰国後にビトー R&Dを設立。JBマグ鍛をはじめとする高性能パーツメーカーとして高い評価を得ている。

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