メルセデスAMG CLS53 4MATIC+の衝撃 何ひとつ不足のない艶やかな4ドアクーペ、新型メルセデスCLS53
- 2018/06/03
- GENROQ編集部
実用性を兼ね備えたスタイリッシュな4ドアクーペ、
メルセデス・ベンツCLSが三代目へと生まれ変わった。
高性能モデルのCLS53を主軸に試乗記をお届けしよう。
TEXT◎島下泰久(SHIMASHITA Yasuhisa)
PHOTO◎Daimler AG
昨年11月のLAオートショーで世界初公開された新型メルセデス・ベンツCLSのデザインには衝撃を受けた。いや、率直に言えば「CLS、こんな風になっちゃうの?」という思いだったのだ、その時は。
まず視線が向かったのはフロントマスク。逆スラントしたノーズ、台形のラジエーターグリルに、それとの一体感が強められたヘッドライトで構成されたその顔つきは、メルセデス・ベンツの新しいブランドフェイスとなる。
それ以上に驚かされたのが、4ドアクーペのスタイリングだ。アーチを描くようなルーフライン、尻下がりのリヤエンドといったテーマは大枠では継承されているが、ボディ表面からはサイドシルを走る一本を除いて、シャープなエッジやラインが消し去られて、全身が滑らかな線と面で描き出されている。
最初に見た時にはスッキリさせ過ぎとも感じた。特にリヤビューなど小さく、弱く見える感も無くはなかったのだが、今回バルセロナの陽光の下で対面した新型CLSは、その時とは随分違って見えたのだった。
一番のポイントは、光の明暗によってショルダーに前後を貫くラインが現れること。これによって、しなやかさの中に背筋が一本通ったような力強さが加わる。そして、これに目が慣れてくると他のクルマが、なんとも煩雑に見えてくるのである。
テールランプが分割式とされたのはトランクリッドの開口部を拡大するためだ。プロダクトマネージメント担当のセリグ・メリヤン氏は、先代では奥様に使いにくいと怒られたんだと笑いながら話してくれた。
使い勝手に関して言えば、遂に後席3名掛けの定員5名となったのもトピックだ。後席バックレストは40対20対40の分割可倒式とされ、通常時でも520Lの荷室をさらに拡大することが可能となっている。
ワイドスクリーンコクピットをフィーチャーしたインテリアはEクラスなどに準じる。柔らかいラインで構成されたデザインは、CSLのエクステリアともっともマッチング良く感じられる。64色から選べるアンビエントライトが新たに前席周辺のエアベントにまで仕込まれたのが、新型CLSならではの特徴である。
多彩に用意されたラインナップの中でも、もっとも注目すべきはAMG CLS53 4マティック+だ。新型CLSには“AMG63”は用意されず、これが最高峰モデルとなる。
その心臓は新開発の3.0L直6ターボエンジン+電動スーパーチャージャー+ISG(インテグレーテッド・スターター・モーター)である。エンジンは最高出力435ps、最大トルク520Nmを発生し、これに同22ps、250Nmのモーターアシスト“EQブースト”が加わる。ISGは減速エネルギーの回生によって蓄えた電気を、これと電動スーパーチャージャーの駆動に用いる。
回転は至極スムーズで、サウンドも粒の揃ったストレート6ならではの上質さ。ゆっくり流しているだけでも、このクルマは堪らないものがある。しかしながら過給ラグ無しの電動スーパーチャージャーとEQブーストによる瞬発力を一度味わってしまったら、アクセルを踏まずにはいられない。一瞬で始まる仰け反るほどのダッシュは刺激的だ。回すほど活気づく吹け上がりとリニアなパワー感も文句なしの快感。電気の力で、内燃エンジンの歓びが新たな次元に達したわけである。
フットワークも想像以上。可変ダンピング機能付きエアサスペンションのAMGライドコントロール+に、剛性アップとネガティブキャンバー化を図ったフロントアクスル、そして前後トルク配分可変式の4WDシステムの組み合わせは、大パワーを余裕で受け止める駆動力を発揮する一方で初期応答性に優れ、しかもその先で積極的にアクセルを入れていってもアンダーステアに陥ることがない、ドライバーの意のままになる感触に仕上げられているのだ。
販売の主力となるだろうCLS450 4マティックにも触れておこう。エンジンはAMG CLS53用のターボチャージャーを小型化し、電動スーパーチャージャーを省いたもので最高出力367ps、最大トルク500Nm。ISGのアウトプットは同22ps、250Nmで共通である。
さすがに瞬発力では劣るものの、こちらもストレート6ならではの上質感は十分堪能できる。4WDシステムがトルク配分固定式になることもあり、フットワークは安定志向だが、仕上がりはこちらも悪くない。
実用性が高まり、走りも魅力十分。先進安全装備もひと通り揃い、不足しているものは何も無いと言っていい新型CLS。カギを握るのはひとえに、先鋭的に変身した姿が受け入れられるか否かだ。楽しみな日本導入は年央あたりとなりそうだ。
※本記事は2018年GENROQ6月号より転載。
- 1/2
- 次へ
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
住友電装株式会社
生産技術<電子ユニット>
年収
450万円〜800万円
勤務地 三重県鈴鹿市三日市町中之池1820鈴鹿製...
この求人を詳しく見る
東証プライム上場、軽自動車に強みを持つ完成車メーカー
ハードウェア/ソフトウェア設計・開発<ボディー系、シャシー系制御ECU、コネクテッド用車載通信機>
年収
450万円〜900万円
勤務地 静岡県浜松市
この求人を詳しく見る
住友電装株式会社 生産技術<電子ユニット>
年収 | 450万円〜800万円 |
---|---|
勤務地 | 三重県鈴鹿市三日市町中之池1820鈴鹿製... |
東証プライム上場、軽自動車に強みを持つ完成車メーカー ハードウェア/ソフトウェア設計・開発<ボディー系、シャシー系制御ECU、コネクテッド用車載通信機>
年収 | 450万円〜900万円 |
---|---|
勤務地 | 静岡県浜松市 |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS220d スポーツ エクスクルーシブパッケージ サンルーフレッドツートンレザーシートヘッド...
中古価格 448.7万円
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS220d スポーツ エクスクルーシブパッケージ 認定中古車2年保証/ブルメスターサラウンド...
中古価格 683.9万円
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS220d スポーツ エクスクルーシブパッケージ ヘッドアップディスプレイ パノラミックスラ...
中古価格 545.5万円
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS450 4MATIC スポーツ エクスクルーシブパッケージ Bluetooth接続 ETC...
中古価格 593.2万円
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS220 d スポーツ エクスクルーシブパッケージ Bluetooth接続 CD DVD再生...
中古価格 602.1万円
メルセデス・ベンツ CLSクラス
CLS220 d スポーツ エクスクルーシブパッケージ Bluetooth接続 ETC LEDヘ...
中古価格 665万円