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MotorFan.jp メカニズム詳密解説シリーズVol.15『SUZUKI JIMNY/JIMNY SIERRA』 新型スズキ・ジムニー/ジムニーシエラのメカニズムを徹底解説!

  • 2018/12/27
  • ニューモデル速報
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R06A 直列3気筒 660㏄ターボエンジン

アルトワークスなどと同様のエンジンをベースに、縦置きへのレイアウト変更のほか、バルブタイミングや点火時期などで低中速トルクがフラット化され、ジムニーに最適化された。トルクの数値面では先代やアルトワークスよりも低いが、過給圧が低い領域から力強い走りを見せる特性。

エンジン型式:R06A
排気量(㏄):658
種類・気筒数:直列3気筒ターボ
弁機構:DOHC12バルブ 吸気VVT
ボア×ストローク(㎜):64.0×68.2
圧縮比:9.1
最高出力(kW[㎰]/rpm):47[64]/6000
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):96[9.8]/3500
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量(ℓ):40

インタークーラーは前置きに変更

先代ではエンジンの上に配置されていたインタークーラーは前置きに変更。エア導入口がグリル部にレイアウトされ、風速の高い風を通すことで効率的に吸気を冷却し、安定して出力を高めることができる。

伝統のレバー式副変速機による4WD切り替え

路面状況に応じて後輪駆動と四輪駆動を切り替える、機械式の副変速機。各国のユーザーの要望によって先代のスイッチ式から、切り替えを視覚や操作の感触で認識できるレバー式に戻された。

シフトレバーの振動を低減する新構造

従来はミッションケースにのみ取り付けられていたが、新型ではフレームに追加されたXフレームにも支持させることで振動を抑制。これによりマウントブッシュの硬度を高められるようになり、操作フィールも向上することが可能となった。

K15B 直列4気筒 1.5ℓエンジン

K15B型はM13A型に対して補機ベルトのレイアウトも変更。クランクプーリーとオルタネーターの間にアイドラプーリーが追加されており、巻きつき長さを拡大して、ベルトの滑りや鳴きの抑制を図った。防水防塵カバーも追加 されている。ピストンはM13Aに対して大幅な軽量化を実施。コンプレッションハイトやスカート長を詰め、駄肉も排除することで、1個あたり約63gの軽量化を行なっている。

エンジン型式:K15B
排気量(㏄):1460
種類・気筒数:直列4気筒
弁機構:DOHC16バルブ 吸気VVT
ボア×ストローク(㎜):74.0×84.9
圧縮比:10.0
最高出力(kW[㎰]/rpm):75[102]/6000
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):130[13. 3]/4000
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量(ℓ):40

構造・寸法に変更のないディファレンシャル

ディファレンシャルはファイナルギヤレシオが変更されたのみで、構造は変わっていない。純正アクセサリーでもヘリカル式のLSDが用意されているが、先代用の市販LSDもそのまま使用できる。

軽く錆びにくい燃料タンク

燃料タンクは樹脂製となっており、従来型から約40%軽量化している。形状自由度が高まり、溶接フランジもなくなったことから、占有スペースも小さくなっている。錆びなくなったというのも、オフロード車にとってはありがたい。搭載状態では、鈑金製のアンダーガードで保護されている。

新工法の採用で高精度になったプロペラシャフト

プロペラシャフトはアーク溶接から摩擦圧接へと工法を変更。全周を順次溶接していくアーク溶接に比べ、摩擦圧接は歪みが蓄積しにくい。これによって回転バランスを向上させ、騒音振動性能の向上につなげている。

伝統の前後3リンクリジッドアクスル式サスペンション

過酷な状況、環境でも確実に走破できるサスペンション性能を求め、連綿と鍛えられてきた基本構造を継承。しかし、各部に新技術の採用と強化が施され、性能が高められている。

アクスルハウジングの骨格を強化

アクスルハウジングは大幅な強化を実施。青い部分に高強度材を使用しているほか、黄色い部分は高強度化に加えて板厚も増大。赤い部分は外径と板厚をアップしている。アクスルハウジングは旋回入力で微妙にしなるため、この剛性向上はタイヤの接地点剛性にも直結。スタビリティ向上にも効果のある改良だ。

快適な走りを生むステアリングダンパー

悪路走行時など、路面の凹凸による反力でステアリングがとられるキックバックを低減するほか、高速走行時にはステアリングの振動やふらつきを抑制することで操縦安定性を高める。

ブレーキペダルフィールを向上

ブレーキに関しては、ペダルフィーリングの向上が図られた。従来ペダルストロークが長く利き始めが遅いという指摘もあり、その対策としてペダルのレバー比の変更とそれに合わせたブレーキブースターによる倍力比の調整を行なった。

リジッドアクスルの高い走破性

リジッドアクスルは一般的な独立懸架と異なり、上図のような状態ではボディの傾きは大きくなるものの、タイヤと一緒にデフケースが持ち上がるので対地クリアランスが確保できるほか、テコの原理でサスが伸びた側の接地荷重が高まり走破性を高めてくれる。

ヒルホールド&ヒルディセントコントロール

横滑り防止装置のESP(一般名詞はESC)は、シエラには従来から付いていたが、新型では新たに、ヒルホールド及びヒルディセントコントロール制御を追加。坂道発進の際にブレーキをホールド、急坂を下る際、速度が4Hで約10㎞/h、4Lで約5㎞/h以上に上がらないようブレーキを自動制御する。ヒルホールドコントロールは、4L選択時にESPオフスイッチを長押しすることで解除が可能。ヒルディセントはスイッチによる選択式なので、不要の場合はどちらもカットすることができる。

軽量衝撃吸収ボディTECT[テクト]で安全に

コンピュータによる構造解析を駆使して、安全性の向上と軽量化を実現する安全ボディを構築。万一の事故の際には衝突による衝撃を効率良く吸収、分散して乗員を守る。

トラクションコントロール初採用

トラクションコントロールも脱出性能向上のため最適チューニング。パートタイム4WDの場合、一輪が空転しても、前か後ろ二輪のグリップでトラクションが掛かるから、真価を発揮するのは対角二輪が空転した場合だ。一般にトラクションコントロールはブレーキ介入と同時にトルクも絞るが、4L選択時には、トルクダウン制御は行なわない。2H及び4H時にはトルクダウン制御を行なうが、4Hの時には、スリップ状況からスタックしていると判定されると、トルクダウンを抑制して脱出を容易にする。

デュアルセンサーブレーキサポートを採用

単眼カメラとレーザーレーダーでクルマや歩行者を捉え、自動ブレーキによって衝突を回避、または衝突時の傷害軽減を図る。誤発進抑制機能も搭載され、ジムニーも先進安全機能を身につけるに至った。

後席シートベルトリマインダー

グレードにより助手席と後席乗車時にシートベ ルトをせずに発進するとインジケーターの点灯と警告音で装着を促すリマインダーを採用。こうした安全装備を搭載することでも、衝突安全性能を高めている。

歩行者傷害軽減も万全

ボンネットやフロントワイパー周辺、フロントフェンダー、フロントバンパーなどには、衝撃を吸収するストロークを確保するなどの構造を採用。万一の事故の際に、歩行者の頭部や脚部へのダメージの軽減を図る。

タイヤ性能も新型用に新設計

タイヤの銘柄は、どちらもBSのデューラーH/T684Ⅱだが、新型に合わせてチューニングした新設計品。ジムニーのスチールホイールの幅を、アルミホイールと同じ5.5Jに統一したのも新しいところだ。

モーターファン別冊ニューモデル速報 No.574 新ジムニー/ジムニーシエラのすべて

ライバル不在の本格四駆
20年ぶり四代目もラダーフレーム+パートタイム4WDを継承。シエラは1.5ℓに。
ドライビングインプレッション
ライバル車比較試乗
開発ストーリー
メカニズム詳密解説
デザインインタビュー
使い勝手徹底チェック
バイヤーズガイド
縮刷カタログ
など

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